かつてはジョグジャカルタと並んで王朝が栄え、まだそれほど都市化が進んでいないことからひと昔ふた昔前のチェンマイにも少し似た雰囲気を持つインドネシアの古都ソロ(スラカルタ)。
明日からは郊外にあるスポット巡りをするつもりなのでこの日が市内観光の最終日となるのだが、まず街のほぼ中心部にある王家第2王宮で現在も王族が暮らしているマンクネガラン王宮(イスタナ・マンクネガラン)を見た後、そのすぐそばにあるアンティークや古い民具などを売る「トリウィンドゥ市場」をブラブラした。


昼はトリウィンドゥ市場を出て少し歩いたところでいい香りが漂ってきた店に飛び込んだら、出てきた薄塩味のカレースープ(名前がわからない)が今回の旅で一番と思うようなすばらしい出来で、気温が40度近いソロの街を歩ていた疲れも一気に吹き飛んだのだった。

さて、この日最後に向かうのは、ソロの街最大と言われているグデ市場だ。
自分が住んでいるチェンマイで最大の市場と言うと、卸売メインの生鮮食料品市場であるムアンマイ市場を除けばワローロット&トンラムヤイ市場ということになるのだろうが、果たしてグデ市場はどうだろうか?
期待をふくらませつつ地図アプリを眺めながら市場の近くまで来たら、あまりの暑さで死んだようになっていた街角に徐々に人が増えてきた。
そしてすぐにバイクやベチャ(三輪人力車)がたくさん止まっている一角が見えた。
どうやら、ここのようだ。
ただ、正面入口とでも呼べばいいのだろうか、市場の中に入れる大きな場所が見つからないので、少しこの周囲を歩いてみた。
と、突然、大きなエントランスがあった。
何か、インドネシアっぽい(といってもソロ(スラカルタ)以外を知らないのだが)雰囲気だね。
市場のすぐ脇には、中国寺院も建っていた。
ソロ(スラカルタ)に来て以来、中国の影響が強く出ているものをまったくと言っていいほど目にすることがなく「さすがにここまでは中国人も来なかったのかなあ……」などと考えていたのだが、やはり商売の場所である市場は中国人が牛耳っているということなのだろうか。
訪れたのが午後という市場としてはたぶん一番ヒマな時間のため、ものすごく活気にあふれているという感じではなかったが、それでもチェンマイ(タイ)のタラート(市場)とはずいぶんと違う雰囲気でブラブラ歩きが楽しかった。
売っている野菜の種類はチェンマイ(タイ)とほとんど同じであるほか、ガピ(エビ味噌)も売っているなどやはり共通点は多々あったのだが、一番興味を引いたのは伝統薬を売るコーナーがあったことだ。
チェンマイ(タイ)にも伝統薬はあって、タラート(市場)のおかず屋で普通の料理と一緒に売られていたりするし、市場やその周囲には中国系の漢方薬の店もあったりするのだが、このように店が集まった区画というのは見たことがない。
ウィキペディアによれば、インドネシアの伝統薬は「ジャムウ」と呼ばれる主に根茎、木の皮、花、種子、葉、果実といった自然素材から作られる植物性の内服薬で、ソロ(スラカルタ)のあるジャワ島で最も普及しているという。
グデ市場で売られていた伝統薬はウィキペディアが言うような内服薬ではなく乾燥したハーブや果実などのように見受けられたが、これはその材料として用いられるものなのかもしれない。
言葉ができるなら、そして原材料でなければぜひ持病用のインドネシア伝統薬とやらを買ってみてチェンマイで飲んでみたかったのだが……。
ともあれ、タイとは微妙に近くて微妙に違うなかなか興味深いソロ(スラカルタ)最大のグデ市場の散策であった。
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