どんなタラート(市場)?
チェンマイ市内北部のJJ(Jing Jai=จริงใจ=「誠心誠意」の略)マーケットで毎週日曜日の午前中に開催される定期市(ตลาดนัด=タラートナット)。
裕福で健康意識の高いチェンマイ市民の間ではオーガニック野菜を中心とした安全食品が豊富に揃っている市場として知られているが、その場で食べられる惣菜類も多数あって朝食を食べに来るだけという人も多い。
また、最近はフリーマーケット風のファッション系アイテムや古物雑貨、自然化粧品などを売るスペースが拡大しており、旅行者がお土産を探したりするのにもよい。
ロケーション
JJマーケットは、チェンマイ市内北部のアサダートン通り沿い、市内中心部からだとお濠の北東角(チェーン・シープーム)から北に伸びている同通りをまっすぐ進みおよそ1.2km行った右側にある。
2つ目の信号のある交差点を越して100mほど行くと右手に「JJ」と書かれた緑色の大きな看板が見えるし、交通量も多くない日曜の朝にここだけ異常ににぎわっているので、すぐにわかるだろう。
ちなみに、スーパーハイウェイからアサダートン通りに入って来た場合は、500mほど進んだ左手。
また、カムティエン花木市場の南側から西に伸びるソイ・シーモンコンからも中に入ることができる。
市場の内部は大きく4つに分かれている
市場は全体でおよそ150m四方の広さだろうか、それほど広くはないので中を行ったり来たりしても疲れたり道に迷ったりすることはない。
大小の東屋に小さな建物、それにオープンエアの広場のような場所の4か所に大きく分類できる。
それに加えて、買ったおかずなどをその場で食べることのできるテーブルとイスが置かれたエリアも2か所あるが、時間によっては大変混み合っていて空いている場所が見つけられないこともしばしばだ。
大きな東屋
定期市のメイン会場。
柱と屋根だけの構造の30~40m四方のかなり大きな建物で、内部にいくつもの通路が作られておりそれに沿って店がたくさん並んでいる。
店舗は食品が中心だがバラエティーに富んでおり、野菜や果物だけでなく、パン、米、おかず類、お菓子、加工食品などを売る店が雑多にある。
野菜や果物を売る店はオーガニックの認証状を出している店とそうでない店があるが、お友達の話によると、ここで売られている野菜は市場自体を運営しているISACという有名な公共団体(?)らしいので、管理は普通のタラート(市場)よりはされていることだろう。
食料品が中心なので旅行者が買えるようなものはあまりないかもしれないが、ところどころに自然化粧品やサプリメント、籐で編んだ雑貨を売る店があったりするので、じっくり眺めてみるといいと思う。






小さな東屋
大きな東屋のすぐ西隣には、その場で食べることのできるおかず系の料理を調理して売っている店が12~3軒固まっている。
タイ料理が中心だが、中にはトルティーヤやバーガーなどの店もある。
さすがに日本料理の店はまだ見たことがない。
ここで一番のおすすめは、一番奥にある炭を入れた大きな壺(かめ)を置いてその中で吊るし焼きにしたガイヤーン(タイ風ローストチキン)を売る店だ。
壺(かめ)で蒸し焼きにしているので、表面はパリパリ、中はしっとりしていて、個人的には市内の人気店のSPガイヤーンよりも好き。
いつも人が並んでいて、ちょっと遅く行くと売り切れていることも多いが、チャンスがあればぜひ試してみてほしい。


ピュア・オーガニックホール
大きな東屋の西、小さな東屋の北側にある小さな建物は、入口に「PURE ORGANIC HALL」と書かれた看板を掲げていて、中はオーガニック野菜や果物を扱う店が10軒ほど並んでいる。
はっきりしたことはわからないが、こちらに店を出せるのはより厳格な認証を受けているところだけのようで、どこもテーブルに認証書をフレームに入れて飾っている。
旅行者が買えるようなものはほとんどないが、中にはオーガニックのコーヒー豆を販売しながらその場で飲むこともできるようになっている店もあるので、サクッと見てみよう。



オープンエアの広場
定期市の北側一帯の屋外の広場は、フリーマーケット風の雰囲気のあるショップが並んでいる。
メインは、自分たちで作ったりしている洋服やバッグ、小物などの服飾雑貨と、これまた自家製の飲食物を売る店で、ほかには日本のものを含む中古の食器類などの家庭雑貨の店が目立つだろうか。
中には青空床屋もあったりするのがおもしろい。
こちらで店を出している人はスタイルにもすごく気を使っていて、自らが着ているファッションから店の飾りつけ、商品の包装に至るまで「このまま日本に持って来ても人気が出そうだよね」みたいなところも多い。
白人とタイ人のカップルが売るパン屋や昔ながらのスタイルを模してコーヒーを淹れて飲ませる店など、見ているだけでも楽しくなってくる店が並んでいる。
値段は決して安くない(食品などは、ものによっては日本と同等かそれ以上)が、雰囲気込みと考えれば安いかも。
旅行者がお土産類を探すのであれば、大きな東屋よりもだんぜんおすすめだ。






行くならバッグ持参で!
近年、タイ人の特に裕福な人々の間では健康や食の安全に対する意識が急激に高まっているのに加え環境に関する考え方も大きく変化していて、ある意味日本よりも進んでいるのではないかと思うことがしばしばある。
この定期市もそういう一環で、買い物をしても原則ビニール袋には入れてくれないので、行くのであれば何か袋を持参していったほうがよい。
市場内でも布製のトートバッグとかが売られているので、それを買うのも旅の思い出としていいかも。

以前は生鮮食料品が中心だったのだが近年中国系旅行者がものすごい勢いで増えており、タイ語よりも中国語のほうが多く聞こえることもあるくらいで、その影響だろう衣類やファッション系の雑貨を扱う店がどんどん増加している。
なので、日曜日にチェンマイに滞在しているのであれば、朝食を食べに来がてらお土産物を探しに来てみるというのもおもしろいのではないだろうか。
なお、定期市会場のすぐ脇(そこもJJマーケットの一部)は、ガラクタ市になっている。
定期市が活気を帯びている時間はオープンしていないが、外から品揃えを見ることはできるので興味があれば立ち寄ってみるといいだろう。
また、すぐ脇には草木市場のカムティエン市場、スーパーマーケットのロータスもあるので、うまく組み合わせて訪れてもいいかもしれない。
フリーペーパーの広告などでは土曜日も開催となっているが、食品系のお店はほとんど出ておらず大きな東屋の中は結構歯抜け状態でおかず屋エリアも閉鎖、日曜日なら人でにぎわう食事エリアもテーブルとイスは片付けられたままだ。
アパレルや雑貨の店はオープンエアのエリアにかなりの数が出ているが、やはり全体的に人も少なく定期市の賑わいは日曜日にはるかに及ばない(ただし、不定期でイベントが開催されることがあり内容によっては大混雑することもある)ので、行くのであれば絶対に日曜日にすべきだ。
定期市の営業時間は6時から14時となっているが、自分がいつも出かける8時半ごろは自動車で行くと駐車スペースが見つからないほど混み合っている。
また、遅くなればなるほど店によっては商品が売り切れてしまうこともあるので、朝食をとりがてら早め(できれば9時前)に出かけることをおすすめする。
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