バスでプランバナン寺院遺跡群へ
インドネシアのジャワ島中部にある、自分が住んでいるチェンマイにも少し似た雰囲気を持つ古都ソロ(スラカルタ)の旅。
市内観光や東部郊外のラウ山中腹にあるヒンドゥー教遺跡などを見て回り、この日は少し遠出をすることにした。
目的地は、世界遺産にもなっているヒンドゥー教遺跡群のプランバナンだ。
この遺跡群はソロ(スラカルタ)からだと50kmほど南西にあるが、ジョグジャカルタからだと15kmしか離れておらず、おそらくそちらからアクセスする人がほとんどだと思う。
が、自分はとにかくツーリスト・プレイスが好きではないので、主にボロブドゥールに行く旅行者がうじゃうじゃいる(らしい)ジョグジャカルタは避け、ソロ(スラカルタ)に滞在していた。
インターネットで調べたりホテルのスタッフに聞いたりしたところ、ソロ(スラカルタ)だとジョグジャカルタ行きのバスに乗れば遺跡群の前を通るらしい。
なので、まずはバスの出るバスターミナルまでホテルの前にいたバイクタクシーで向かうことにした。
大きくてきれいなティルトナディ・バスターミナル
ジョグジャカルタへと向かうバスは、ソロ(スラカルタ)街のやや北部にあるティルトナディ・バスターミナルから出る。
街の中心部からは鉄道の線路をはさんで反対側になるので、乗ったバイクタクシーは踏切を渡るために少し遠回りをしてからターミナルに着いた。
ソロ(スラカルタ)の街は背の高い建物が少なく全体にノンビリした雰囲気が漂っているので、バスターミナルも昔のチェンマイのアーケード(バスターミナル)みたいな感じかな、と想像しながらバイクタクシーの後部座席にまたがっていたのだが、着いてみたらビックリ。
かなり立派で近代的な造りなのだ。
ターミナルはいくつかのブロックに分かれているようで、ジョグジャカルタは「Jogja」と省略して表記されていた。
どこでチケットを売っているかとかもまだわかっていないのだが、とりあえず乗り場に行けば何とかなるだろうと思い案内看板にしたがって歩き出した。
ターミナル内部はかなり広く、途中で角を曲がったりして方向感覚もなくなりかけた頃、少し広い店が並んでいる場所に出た。
見ると小さな食堂もあり、まだ朝食もとっておらずお腹も空いてきたので、バスに乗る前に食事をすることにした。
インドネシア式のぶっかけ飯(?)を食べてみた
チェンマイ(タイ)であれば、バスターミナルでの食事というとクエティオなどの麺類かアーハーン・タームサン(注文に応じて料理を作ってくれる安食堂)でカーオパット(炒飯)やガパオライスあたりが定番だろうが、ソロ(スラカルタ)ではどんなものがあるのか、いくつかの店の前を歩いてみたが、どうやらおかずを数品並べたぶっかけ飯ばかりのようだ。
これならタイと同じように指差しで行けるだろう、と適当な店に入ってみた。
おかずが並んでいるショーケースを眺めてみる
見た感じすごく辛そうなものはなく、普段タイ料理を食べている自分にとっては少し物足りないかも、と思ったが、食堂のおばさんに指差しで料理を2品ほど頼んだ。
どんな料理なのか知りたかったので、おばさんに英語で少し話しかけてみたのだがまったく理解できないようだった。
インドネシア……といっても自分はソロ(スラカルタ)しか知らないのだが、英語がほとんど通じないのでちょっと残念な時があるね。
それでも、出て来た料理にはちゃんとご飯も添えられて定食風になっていた
炒め煮風のものが2品とパロ(醤油煮込みゆで卵)のようなものだ。
料理の名前がわからないのが悲しい……
炒め煮風のものは具材こそ違っていたが味付けは似たような感じで、「これならもっと色味がぜんぜん違う料理を頼めばよかった」とちょっと後悔した。
卵もかなり薄味であった。
テーブルの上には厚揚げのようなものが2種類、皿に乗せられていた
インドネシアの食堂には、こういう風に副菜やチェンマイで言えばケープムー(豚皮のカリカリ揚げ)のようなものがよく置いてある。
作法がわからないが、勝手に取って会計の時に申告して支払うのだろうか?
飲み物はジャワティー
味は悪くなく、お腹もいっぱいになってプランバナン遺跡群に向かうバス乗り場へと向かった。
ジョグジャカルタからプランバナンやボロブドゥール1日貸し切り日本語観光
途中で流しも乗り込むバスはローカル色たっぷり
プランバナン遺跡群を通るジョグジャカルタ行きのバス乗り場はすぐに見つかった。
入口に柵のようなものがありおじさんが立っていたので「プランバナン」と言ったら通じたようで、奥に止まっているバスを指さした。
近距離路線だし、バスはもしかしたらエアコンのないボロバスかなと勝手な想像をしていたのだが、立派な冷房付きの車体だった。
どうやら、チケットは車内で買うようだ。
乗り込んでみるとすでにそこそこ人が乗っていて、10分ほどでバスターミナルを出発した。
ターミナルを出ても、ソロ(スラカルタ)市内をゆっくりと走りながら客を拾っていく。
車掌がドアから身体を乗り出して「ジャー!ジャー!ジャー!」と叫んでいる。
ジョグジャカルタはバスターミナルの看板などの表記は短縮して「ジョグジャ」となっていたが、客の呼び込みをする時にはさらに短縮して「ジャー」と言うようだ。
おもしろいなあ。
20~30分もするとバスは市街地を抜けて、スピードを上げてジョグジャカルタへと向かう。
人口の多いインドネシアらしく、タイの田舎と違って道路脇に人家や店が途切れることがまったくないが、ところどころに畑もあったりしてのどかな雰囲気だ。
小さな街に入るとバスターミナルに寄って、少しの間停車する。
バス乗り場には飲み物やスナックを売る店が出ているのはタイとまったく同じだ。
タイにはないのが、このようなターミナルに停車するとギターを抱えた流しのような男性が乗り込んできて歌を披露し金をせびることだ。
【動画】インドネシアのバス車内でギターを弾きながら歌う流し
動画には映っていないが、歌を歌い終わるとかぶっている帽子を脱いで乗客の前に差し出し金を要求していた。
見ていると払わない人がほとんどで、たまに払う人がいても何かしぶしぶのようだった。
後で調べてみたら、この流しは「ペンガメン」と呼ばれるインドネシアのバスの風物詩らしい。
そんな異国での移動を楽しみつつスマホで位置情報を確認していたら、目的地のプランバナン遺跡群が近づいてきた。
すると、降りる人が結構いるのか一部の乗客が前に動き出したので、自分も立ち上がる。
通路に立っていた前にいる人に「プランバナン?」と聞くとうなづいたので、その人に続いてバスを降りた。
降りた場所の近くには、立派なモスクが建っていた。
日差しがきつく「今日も暑くなりそう(自分がこの地を旅した時は連日35度を超えていた)だなあ」と思いながら帽子をかぶって遺跡に向かって歩き出した。
万が一何かあった時にも安心の日本語対応
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