スクー寺院よりもさらに標高の高いところにあるチュト寺院
インドネシアのジャワ島中部にある古都、ソロ(スラカルタ)の旅。
後半は街の郊外にある主にヒンドゥー教の遺跡を見て回る。
初日のこの日は、ホテルの旅行会社カウンターでチャーターした車を使って、40kmほど離れたラウ山の中腹にある2か所の遺跡をはしごする。
まず最初に行ったのは、マヤ文明との関係も指摘される15世紀に建立されたスクー寺院。
次に向かったのは、そこから北に約10km、車で30分ほどのところにある「チュト寺院」の遺跡だ。
チュト寺院は、スクー寺院よりもさらに古く、14世紀の中頃、西暦1350年前後に建てられたと見られている。
標高1,100mちょっとのスクー寺院よりもさらに高く、こちらはプロトレックの測定で1,440mあった。
関東で言えば、群馬県にある榛名山(掃部ヶ岳)山頂とほぼ同じ高さだ。
かなり広い遺跡内。大きな石造りのリンガ(男性器)が印象的
ドライバーが駐車場に車を止めそこから歩いて行くが、いきなりの結構きつい勾配だ。
チケットブースで入場料を払って、太陽をさえぎるものがない酷暑季の35度を超える暑さの中をヒーヒー言いながら歩いて行く。
まだ入口にも着いていないが、ところどころに石像が置かれていて足を止める。
振り返ってみると、はるかかなたの平地のほうまでが見渡せた。
この見通しのよさも、ここに寺院を建立した理由のひとつであったような気がする。
さらに登っていくと、一段の先に大きな門(?)があった。
ああ、バリ島の写真によく写っている典型的な風景(笑)
このチュト寺院はスクー寺院と同様ラウ山の中腹の斜面を利用して造られているが、大きく6つのレベル(階)に分かれているらしい。
両脇に展示された石像などを眺めながらさらに奥へと進んでいく。
このバリ風の石造りの門は3つ残っていたが、それぞれ形が違っていた。
2つ目の石門。
石門の先には、儀式場のようなものがあった。
2つ目の石門を抜けると、ずっと先にいくつもの建物が見えていた。
そしてその先にはラウ山の頂上と思われる頂もあってなかなかの景色だ。
距離はあるが、それほど勾配はきつくない。
少し進んでいくと、広場状になったところに石でヒンドゥー教独特の文様(?)が造られていた。
下界に向かってリンガ(男性器)が描かれている。
この寺院はスクー寺院よりもさらにバリ・ヒンドゥー様式に近いと言われており、シバ神(多産=豊沃=繁栄)信仰の色が濃く、このようなリンガ(男性器)にそれと対を成すヨニ(女性器)を象ったものがいくつも残されていた。
リンガ(男性器)の根元は何を象ったものかはわからなかったが、中央部は亀になっていた。
広場状の場所から後ろを振り返るとこんな風に見える。
最奥部には今もお参りする人がいる祠群と立派な本殿が
その先の、最後のわずかな石段を登り切ったところに3つ目の石門があった。
脇には門番の石像が残っていた。
最後の門を越えて後ろを振り返ると、3つの門がきれいに並んで見える。
門の奥には、祠のようなものがいくつも建っていた。
祠の中にはヒンドゥー教の神像やリンガ(男性器)が残されていた。
祠の中は、お参りをした跡がある。
このチュト寺院は完全に遺跡になっているわけではなく、今現在もバリ・ヒンドゥー教の聖地としてお参りする人が絶えないという。
そのため、この寺院の一帯は、ジャワ島で最もヒンドゥー教徒が多く住んでいるエリアになっているのだそうだ。
さらに、蓮のつぼみを思わせる石造りのオブジェもあった。
この寺院遺跡はヒンドゥー教だけでなく、古代からこの地にあった自然信仰やや仏教の影響を受けて造られているそうで、これはその名残なのかもしれない。
そして、このチュト寺院の最奥部に立派な本殿があった。
スクー寺院と同じような形をしていてこちらのほうが高さはなさそうだが、正面の石段の上には屋根があったりしてさらに立派に見える。
中央の石段(自分はこの部分がヨニ(女性器)を象っていると思う)は登れたが、上には鉄柵がついていて先にすすむことはできなかった。
もしかしたら、その先は聖なる場所なのかも。
アクセスは要注意かも
たぶんこのラウ山の寺院遺跡に来る人はスクー寺院とチュト寺院をセットで回ると思うのだが、万が一どちらか一方しか見れない、というような人はこのチュト寺院を選んだほうがいいと思う。
こちらのほうが規模が大きく、また見るものが多い。
ちなみに、ガイドブックを見ると公共交通機関を利用する場合スクー寺院からバイクタクシーに乗れ、というようなことが書いてあるが、自分が旅行したのが酷暑季だったからなのかスクー寺院周辺にはまったくバイクタクシーはおらず、このチュト寺院にも客を乗せて来て戻り待ちのバイクはまったく見えなかったので、あまりあてにしないほうがいいかもしれない。
スクー寺院から10kmほど南にあるタワンマングという街にはバイクタクシーがたくさんいるので、そこでチャーターしたほうがいいかも。
タマンマングは結構大きな街で、ホテルが何軒もあるので泊ることも可能だ。
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