どんなお店?
もともはナイトバザール近くのモール、チャーンクラーン・プラザで開業し、現在はチェンマイランドに移転した香港料理レストランの「メイジアン(湄江餐廳)」が、ニマーンヘミン地区に2008年2月オープンさせた高級広東料理と飲茶のレストラン。
ローマ字表記だと「Yangzi Jiang」となるが、ziは「ツー」と読むらしいので、カタカナ表記は「ヤンツージャン」とした。
ロケーション
チェンマイ市内北西部にあるニマーンヘミン通りのソイ5を同通りから100mほど入った右側。
その東を南北に貫くシリマンクラーチャーン通りからソイ(路地)に入るとだと約300m。
一軒家を使ったレストランで、通りから見ると結構薄暗い感じがするが、看板が出ているので迷うようなことはない。
TEL:053-225313
元米国大使の住居だった建物は雰囲気満点
ソイ(路地)から見ると、広い敷地の中に白い壁の一軒家がライトアップされて浮かび上がるようにポツンと建っている。
聞くところによると、もともとはアメリカ大使の住居だったそうで、入口に看板がなく駐車場に車が何台も止まっていなければ、そこがレストランとは気がつかないだろう。
建物の一方には、台湾に現存する日本統治時代に造られた大型建造物によく見られるような、いくつもの半円のアーチ状の外壁がやはりライトアップされており非常に印象的だ。
一軒家を改造して店としているので、席数はそれほど多くない。
建てられた時から変わらないのであろうガラスがはめられた木製ドアを開けて中に入ると、その先に5~6席と奥に個室が設けられている。
2階にもほぼ1階と同じ広さと思われるスベースがあるほか、1階の建物の外のテラスにも3席くらいテーブルが置かれている。
店内は割とシンプルなインテリアで、白い壁に中国風の絵画や「楽」「忍」など漢字一文字だけの書の額がところどころに掛けられている程度で、テーブルやイスも飾り気のないベーシックなものが使われている。
店員は全員赤いチャイナドレスを身にまとっており人数は結構いて、お茶などは年中差し替えてくれたりはするのだが、動き方に連動性がないというか、手際が悪いというか……店の雰囲気などと比較するとサービスのほうは個人的にはイマイチという印象を受ける。
日本の中華料理の味に近くなじみやすい
席につくと、店の特製料理だけを集めた小さなものと通常料理(?)を載せたものの2種類のメニューが手渡される。
料理は英語、タイ語、中国語が併記されており、日本でも比較的なじみのあるものが多く、また種類も膨大ということはないのでチョイスにそれほど困ることはないだろう。
料理の値段は、だいたい200~500THBといったところであろうか。
タイの物価からすると決して安いとは言えないが、この雰囲気や日本で食べることを考えたら激安だと言ってもよい。
また、さらに別のペラ紙に記載されたデザートのメニューも用意されている。
約20種類が載っており、高級店だけあって手間のかかるスイーツなども見受けられる。
こちらは、だいたい100~200Bといったところだ。
ドリンクも、アルコール類が一通り揃っているほか、中国茶もウーロン茶かジャスミンティーが選べる。
見ていると、お酒を飲んでいる人は少なく、中国茶をオーダーしている人のほうが多いように思う。
料理の味は、全体的に日本の中華料理レストランのそれに近く多くの人の口に合うだろう。
個人的な一番のおすすめは北京ダックで、日本とまったく同じスタイルで皮だけを大きな皿に並べ、タレとネギ、それらを包むための皮(薄餅)が一緒に出される。
日本では、高級中華料理店でも一切れ二切れだけ出されることが多いが、ここでは一皿に20切れくらい盛られてくるので、少人数で行ったら結構途中で飽きてきてしまうくらい食べられるだろう。
またこの店では、日本以外の国ではたいていそうなのだが、北京ダックをオーダーすると肉を別に調理して出してくれる。
調理法は、スイート&サワー(酢豚風)か、黒胡椒炒めのいずれかを選択することができるほか、そぼろ風に炒めたものがレタス(肉を巻いて食べる)とともに出されるが、こちらについては特に何も店員から聞かれなかったので、デフォルトで付いてくるのかもしれない。
ちなみに黒胡椒炒めは、ニンジン、タマネギ、ニンニク、ビーマンなどと一緒に炒めて出されるが、かなりいい味を出している。
このペキンダック、この3種類の料理すべて込みでかなりの値段しているが、それだけのことはあると言える。
ほかに個人的に気に入った料理としては、近年タイでもよく見かけるようになった銀鱈(ปลาหิมะ=雪の魚)を大変上品な味付けで仕上げてある清蒸、鮭をほぐしたものをメインにした具を入れて揚げたものにマヨネーズをつけていただくサーモン・スブリングロール(鮭の春巻)、焼き豚やエビがたくさん入った比較的あっさりした味付けで日本人好みと言える揚州炒飯などをあげることができる。
逆に料理名を失念してしまったが、カニ肉にカレーの風味をつけ湯葉で巻き揚げたカニクリームコロッケのようなカンジものは、パリッとしたカンジに揚がっておらず、ちょっと残念だった。
また、デザートで特筆すべき一品はゴマ団子だ。
ゴマあんをもっちりとした皮で包んで蒸したものにおそらく白ゴマを粉末状にしたものがまぶしてあり、日本でよく出てくる揚げたものとは異なる。
油で揚げていないぶんくどさがなく、手の込んだ非常に繊細な仕上がりになっており、ぜひオーダーしてほしいと思わせるものであった。
マンゴープディングも食べてみたが、まあこちらは特に何かうなるようなものはなかった(量は多い)。
ちなみに、料理とは直接関係ないが、難点は箸にメチャクチャ滑りやすい塗り箸を使っていることで、料理によってはみんなでツルツルやってしまい、一度大笑いになったことがある。
まあ、笑いがこぼれて会話のネタにはなるかもしれないが……。
また、ランチタイムは飲茶もやっているようだ(夜に行った時、一度間違って飲茶のメニューを出されたのでわかった)。
自分はまだ行ったことがないので味のことなど詳細についてはコメントできないが、夜の料理のレベルからするとかなり期待できるのではないだろうか。
そのかわり、メニューを見たカンジではかなりいい値段していたが……。
ニマーンヘミン地区の中華レストランではピカイチ
最近、ニマーンヘミン通りのカフェレストランなどでは、点心の写真の入った広告を道路に出している店が非常に多くなったような気がするが、ここまで本格的で味のよい中華料理を食べさせる店は自分はほかに知らない。
建物の雰囲気、料理のレベルなどを含めて、今のチェンマイを代表する中華料理レストランだと言ってもおかしくないと思う。
営業時間は、11:30~14:30、18:00~22:00。
実際に行かれたwaterさんからの情報です
ヤンツージャン(揚子江)でチェンマイ大学の知人達と夕食を共にしました。
料理は結構あっさりしていて美味でした。
お酒はビールだけで、老酒、ワインはありませんでした。
デザートも豊富でマンゴプリンは美味しかったようです。
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