どんなお店?
カーオパット(炒飯)が抜群においしい、チェンマイ市内やや北部にある大衆中華料理レストラン。
オープンエアの飾り気のない店内で値段も非常に安く、レストランというよりも「食堂」といった感じで気軽に料理が楽しめる。
もともとはお堀の東辺外側を走るチャイヤプーム通りのちょうどソムペット市場からお堀をはさんだ向かいあたりにあり、小さくて目立たないが常にお客でいっぱいだったのだが、再開発(現在その場所は小さなショッピングモールになっている)に伴い2005年現在の場所に移転してきた。
自分は旧店時代からよく行くお気に入りだったのがある日突然なくなってしまい残念に思っていたところ、市内をドライブ中に偶然ここに移って来ているのを見つけ、それ以来駐車がしやすくなったこともあり、さらに頻繁に行くようになっている。
ロケーション
チェンマイ市内やや北部のラタナコーシン通り沿い。
ピン川にかかるラタナコーシン橋西詰の信号のある交差点を背にして、30~40m行った左側。
ターペー門からだと、まっすぐ北に向かいお濠北東角(チェーンシープーム)からアサダートン通りに入り最初の信号を右折、ナイトバザールからならピン川沿いにずっと上流方向に向かうとラタナコーシン橋西詰に行きつく。
ただし、いずれも車両の場合は一方通行の関係で一直線には進めない。
通りに向かって旧店でも掲げていた大きく「味露飯店」と書かれた赤い看板が出ており、店の前には車やバイクが常に何台も止まっているのですぐに見つけることができるだろう。
店内
店舗は、大きく店舗裏の狭い駐車場に通じる道をはさんで左右に分かれている。
道路を背にして右側は従来からあったオープンエアの席、左側は2012年にできたエアコンつきVIPルームだ。
前者は金属製のテーブルとプラスチックのイスで、清潔感がある。
壁のところどころには扇風機が取り付けられているので、暑い時には風のあたる席に座ったほうがよい。
後者は、「VIPルーム」と呼ぶのが恥ずかしくなるくらいのシンプルな造りで、小学校の教室を半分くらいにした程度のワンルーム。
一応利用料がかかるのだが、ひとりあたり5THBとタダみたいなものだ。
こちらはたぶん予約して来店したのだろう、大人数のお客さんが座っていることが多い。
メニュー
メニューは、以前は英語併記や日本人のお客さんが作ってくれたという日本語併記のものがあったのだが、現在はタイ語オンリーのものと中国語併記のものだけになっているようだ。
外国人とわかる(中国人と勘違いされる)と中国語併記のメニューを持って来るかもしれないが、載っている料理はタイ語のものの1/4くらいなので、タイ語ができないと選択肢が狭まってしまうかもしれない。
オープンエアの席の奥にあるキッチンの前には色々な食材が並んでおり、それを指差せばおそらく適当に料理を作ってくれると思うが、たいてい店は大勢の客でごった返しており店員もものすごく忙しそうにしていることが多いので、あまり愛想よくかまってはもらえないだろう。
また、キッチンの脇には大きな蒸し器が置かれており、その中にはスープなどが入っているのでふたを開けて注文してもよい。
店のメインの看板が漢字で書かれていることからもわかる通りこの店は中華系の料理が中心で、トムヤムなどタイ料理もあるがやはり中華を中心にオーダーすることをおすすめする。
おすすめ料理……何はなくともまずはカーオパット(炒飯)!
タイ語のメニューにはそれだけが独立して掲載されていることからもわかる通り、この店の最大のウリは何と言ってもカーオパット(炒飯)だ。
ムー(豚肉)、ガイ(鶏肉)、クン(エビ)、プー(カニ)などから具を選ぶことができるが、ご飯はパラパラに仕上がっているのに具はしっとりとして重量感を失っておらず、味を含めたその絶妙なバランスにはいつ行っても言葉が出ないくらいの感動を受ける。
屋台や一般の店で出されるカーオパット(炒飯)の多くが、具の切り方が大雑把なためにご飯との釣り合いが取れていなかったり、トマトの水分が出てしまいベチャッとなってしまっているのに対して、この店では写真でもわかる通りトマトは使わずメインを含めたそれぞれの具は細かく切られ、米とのバランスが考えられている。
量も結構多く、ほかの料理も食べることを考えれば2人なら小で充分だ。
唯一の問題点としては油にピーナツオイルを使っていることで、その風味が苦手な人(結構多い)は残念ながら自分とはまったく逆の評価を下しているので、該当する方はこの店は避けたほうが無難かもしれない。
カーオパット(炒飯)に次いで個人的に気に入っているのは、豚レバーとニラのつぼみ(ดอกกุ้ยช่าย=ドーククイチャーイ)の炒めものだ。
自分は旅行者時代にこの店で初めてニラのつぼみという食材を知ったのだが、見た目はニンニクの芽にもちょっと似ているもののそれよりもずっと柔らかく、日本で普段食べられているニラの葉よりもずっと繊細な香りと味がする。
それにこれまた柔らかなレバーのスライスを組み合わせて炒め、醤油ベースのタレにからめたこの料理はまさに日本のレバニラのタイ版といったところだが、そのおいしさは日本のそれを完全に凌駕している。
カーオパット(炒飯)を頼んでいても思わず「白いご飯ください!」と叫びたくなる味だ(笑)
そのすばらしい出来ばえを生んでいるのは何なのだろうか、と食べるたびにいつも考えるのだが、やはりひとつにはカーオパット(炒飯)にも共通するのだろうが火の扱い方にあるのではないかと推測しているのだが、どうだろう?
ほかの一品料理も中華系なら何を頼んでもたいていレベルの高いものが出て来て期待はずれだったことがないが、以下に写真で紹介するので参考にしてほしい。
豚三枚肉のカリカリ揚げとカイラン菜の炒めもの
豚骨と大根のスープ
豚三枚肉のカリカリ揚げと黄ニラの炒めもの
ホーイチョー(カニ肉の湯葉巻き揚げ)
ティラピアの丸揚げ唐辛子あんかけ
プラームックパットポンカリー(イカのカレー粉炒め)
豚スペアリブのニンニク揚げ
パットホーイラーイ(タイあさりのミント炒め)
きくらげの卵炒め
土曜日や休日前は早めの来店を
ナイトバザールやターペー門など市内中心部から少々離れてはいるものの、多少無理をすれば歩けないこともない(だいたい30分くらい)程度のところにあり、ピン川のすぐそばで大通りに面しているので、ロケーション的にもチェンマイが初めての旅行者でも行きやすい。
客のほとんどは中国系タイ人で、テーブルをつなげておじいさんおばあさんから赤ちゃんまで、一家全員で食事に来ているのを目にすることもしばしばだ。
営業時間は17時~23時となっているが、土曜や休日前などは19時過ぎに行くと満席のこともあるほか、遅い時間になると一部の食材が品切れになってしまうこともしばしばなので、なるべくなら早い時間に行ったほうがいいかもしれない。
チェンマイにはすばらしい味と雰囲気の高級中華料理レストランも何軒かあるが、やはり中華料理なので人数が揃わないとなかなか敷居が高い。
が、このティパロット(味露飯店)は写真を見てもわかる通り一品の量が少ないので、2人とかで行ってもいろいろな料理を楽しむことができる(ひとりで食事に来ている地元の人もいるくらいだ)。
値段もびっくりするくらい安い(多くの料理が100THB以下)ので、ぜひ気軽に食べに行ってみよう。
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