チェンマイ-ラムプーン街道をバイクで走っていたら、突然渋滞に出くわした。
近くには信号もないところで、「もしかして事故かな?」などと思いながら自動車の脇をすり抜けて渋滞の先頭に出てみると……
大きなクレーンが片側車線をふさいでいた。
長く伸びたクレーンのアームの先を見ると、人が乗って道路脇の木の枝を切っていた。
どうやら、道路脇の木の枝の剪定をしているのだった。
この街道は、チェンマイとその南30kmほどのところに位置する古都の小都市ラムプーンとを結ぶ旧道で、チェンマイ市内からラムプーン県との県境まではヤーン(インドゴム)の巨木の並木が延々と続いている。
この木は、現チャクリー王朝の第5代国王であるラーマ5世によって植えられたそうで樹齢は100年を超える。
木の幹に僧侶が着るのと同じような黄色の布が巻きつけてあるが、これは王室が植えた木であるという意味で、勝手に切ったり立小便をしたりすると罰せられるらしい。
それでなくても、古い巨木には神が宿ると信じられているタイでは神聖なもののひとつになっている。
老木だからなのか、それとも街道を通る自動車やバイクの排気ガスのせいで傷んでいるからなのかはわからないが、特に雨季の終わりごろになると、強風で折れて落ちて来た枝がたまたま下を通行していた自動車を傷つけたり、バイクを直撃して人が死傷したというニュースを毎年のように目にする。
街道沿いに住んでいる人の中には、「風の強い日はこの道はなるべく使わないようにしている」という人もいるくらいだ。
なかば「ご神木」と呼んでもいいような木なのでメンテナンスなどはしておらず(してはいけない?)だから年中事故が起きているのかと思っていたのだが、どうやらそんなことはなく、役所のほうでもそれなりに手入れをしているのがこれを見てわかったのだった。
この巨木の並木道、いつまでも残してほしいチェンマイの美しい風景のひとつである
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