どんなお店?
チェンマイの東郊外、傘で有名なボーサーンの街からそれほど遠くないところにある、割と近年オープンし人気沸騰中の雲南料理と台湾料理レストラン。
店がオープンしてすぐに人気となり、もともとはホンテウ(タイ式タウンハウス)の1区画だけで営業したのだがあれよあれよという間に拡張し、現在は客席だけで2階も含む2区画、名物の小籠湯包(小籠包)を蒸したり料理の仕込みをしたりする調理スペース1区画(さらにキッチンは別にある)で営業している。
タイトルにある通り味がまったくタイ化しておらず、そして何よりも調理人の油の扱い方がすばらしいので料理にエッジが効いていて、自分は最近中華を食べに行くというとここにすることが多い。
サンカムペーン方面でゴルフをする日本人ステイヤーにはよく知られているようで、昼過ぎに行くとウエアに身を包んだシニアのグループが食事をしていることも多い。
ちなみに、雲南料理と台湾料理の2つを出す店は珍しいので理由を店員にたずねたところ、オーナーが雲南人と台湾人のご夫婦だかららしい。
コックも別々に雇っているのだろうか???
ロケーション
チェンマイの東郊外だが、サンカムペーンへと続く旧道の国道1006号線沿いにあるので土地勘がなくてもアクセスは容易だ。
市内中心部からならチェンマイ駅の前を走るチャルンムアン通り(国道1006号線)をひたすら東に進んでいく。
スーパーハイウェイ(国道11号線)、第2環状道路(国道3029号線)との交差点を過ぎてさらに2.5kmほど進むと右側に「The City Connect」という小さなモールが見えてくるので中に入って右側に店はある。
ピン川にかかるナワラット橋からだと、7kmほどだ。
チェンマイ市内から来て通りを走っていると店そのものはちょっと見つけにくいが、モールの入口近くに中国語の大きな看板のついた運送会社があるので、それが目印になる。
モールは横に細長いが、入って右側を見れば赤い文字を多用した看板と赤い提灯がたくさん吊り下げられているのがすぐに目に入って来るだろう。
もし、ゴルフ練習場や第3環状道路(国道121号線)との交差点に着いてしまったら行き過ぎだ。
殺風景な店内。メニューは写真付きで注文しやすい
店はモールのホンテウ(タイ式タウンハウス)を使っているので、内部は割と殺風景な感じだ。
手前には4人がけのテーブル、奥のほうには大人数が座れる丸テーブルが置かれている。
写真の左端にチラッと見えている、店に入って左手にある階段を上がった2階にもテーブルが5~6つあり、収容人数はかなりになるだろう。
それでも、昼時や夕食時には満席になってしまうことも多い。
メニューは厚手のボードのようなものでできており、片面が雲南料理、もう片面が台湾料理になっている。
タイ語、中国語併記で英語はないが、漢字だし写真もついているので注文は簡単だ。
また、店のおすすめメニューだろうか、壁にさらに英語でも料理名が書かれたものが貼られているのでそれも参考になるだろう。
名物は小籠湯包だが、油を多用した料理にコックの腕が表れている
今まで数えきれないくらいこの店で食事をしてきたが、何を頼んでもハズレがないのがすばらしい。
というか、「う~ん、チェンマイのほかの中華料理店とは明らかにレベルが違うよなあ」とうなってしまうこともしばしばだ。
店に来る客の大半がオーダーしており、たぶん一番人気のメニューが小籠湯包(ナムスープ・シャウロンパウ=小籠包)だ。
これはオーダーすると、店の入口の脇に置かれている蒸し器からできたてを持ってきてくれる。
日本に住んでいた頃、チェンマイに来るほど時間が取れない時はいつも台湾旅行をしていてこの小籠湯包はよく食べていたのだが、さすがに台湾のおいしいと言われる店のものには及ばないものの、チェンマイでは間違いなく最上の部類に入ると思う。
付け合わせの糸ショウガもたっぷり出てくるし、テーブルの上には黒酢も置かれているので本場と同じような食べ方ができる。
四角く切ったレタスの上に乗せて蒸しているので、蒸籠から取る時に皮が破けてしまう心配もない。
初めてこの店に来たら、やはりこれは頼んでほしいところだ。
ただ、個人的にはこの小籠湯包よりも試してほしいのは、油を多く使った揚げ物や炒め物だ。
タイでもムートート(揚げ豚)やガイトート(タイ式フライドチキン)を筆頭に油を多用した料理はメチャクチャ多いが、たいてい油の扱い方が雑で揚げ物だったら油切りをちゃんとしていなかったり、炒め物なら入れる油の量や炒める温度・時間が適切でなく出来上がりがシャキッとしていないものが実に多い。
ところが、この店の揚げ物は油切りが実にしっかりしていて口に入れた時の食感がまるで違うのだ。
その筆頭格は排骨(シークロンムートート=豚スペアリブ揚げ)だ。
チェンマイ(タイ)では非常にポピュラーで市場や露店でいくらでも売られており、カーオヌン(カーオニヨウ=もち米)との相性が抜群の料理だが、この店の排骨は表面がサクサクパリパリ、それでいて中の肉はしっとりとジューシーな仕上がりになっていていつ食べても感心してしまう。
また下味のつけかたも絶妙で、個人的にはイチオシのメニューだと思う。
これはそのまま単独でオーダーしてもいいが、一人で行くような場合は排骨麺(バミー・シークロンムートート)にするのもおすすめだ。
メニューの写真では排骨が麺の上に乗っているが、実際にはこのように別々に出てくる。
この排骨に匹敵するくらいの出来ばえで、行くと必ず頼んでしまうのが韮菜盆(クイチャーイ・トート)だ。
字の通りニラがたっぷり入った平たい焼きまんじゅうで、台湾では朝食やおやつとしてよく食べられる。
これもやはり油の使い方、特に量に加えて焼く時の火加減がすばらしいのだろう、表面はパリッとしていてまったく油っぽさも感じられないのに、中のニラあんはかむと水分がジュッという感じで皮の外にあふれ出てくるのがたまらない。
そもそも、よほどうまく焼かないと写真のようにきれいには切れないはず。
いつ食べても感心させられてしまう。
コックがこれだけ油と火をキチンと扱えるので、当然のことながらシンプルな野菜系の炒め物も抜群のおいしさだ。
タイではたぶん最もポピュラーな空心菜の炒め物をはじめ、豆苗炒め、ほうれん草のニンニク炒め、いんげん炒めなどいくつかメニューに載っているので、どれか1種類はぜひ試してみてほしい。
このほか、さまざまなおすすめ料理があるのだが、いくら書いてもキリがないので写真で紹介することにする。
一品の量も少ないので、3~4人で行けばかなり色々な料理が楽しめるはずだ。
ただし、スープ類は量が多いので注意しよう。
スープでお腹がいっぱいになっちゃったらちょっと悲しいからね(笑)
烩豆腐(パットタオフー=厚揚げの炒め煮)
東坡肉(ムーサームチャン・パロ=豚バラ肉の醤油煮)
笋子炒肉(パット・ノーマイドーン・ムーサップ=発酵したタケノコと豚挽き肉炒め)
炒波菜(パット・パクプワイレン=ほうれん草のニンニク炒め)
メニューのタイ語のスペルが間違っている(โปยเล้งではなくปวยเล้งが正しい)。
猪骨煲湯(スープ・クラドゥクムー・ルアムミット=豚骨ミックススープ)
雲南牛肉湯(スープヌア・ユーンナーン=雲南風牛肉山椒スープ)
見た目よりずっと山椒が効いていて舌がピリピリする。
水餃(キヨウ・トム=水餃子)
肉厚で食べごたえがある。
これを頼む早く満腹になりほかの料理があまり食べられなくなるかも。
鍋貼(キヨウサー・トート=焼き餃子)
この羽根つき餃子はなぜか日によって焼き加減が変わり、自分がオーダーするとたいてい焼き加減が足りない気がする。
この店で唯一満足できない時がある料理かも。
紅焼牛肉麺(バミー・ヌアトゥン・ナムデーン=台湾式牛肉麺)
肉絲炒麺(パットバミー・ムーセン=細切り肉の炒め麺)
虾仁炒飯(カーオパット・クン=海老チャーハン)
ピーク時をはずして行くのがおすすめ
市内からは離れているが、店の前の国道1006号線はワローロット市場とサンカムペーンとを結ぶソンテウ(乗り合いピックアップトラック)が頻繁に通るので、それに乗ればアクセスは比較的簡単だ。
ここまで来れば、土産物屋が立ち並んでいるボーサーンとサンカムペーンまでそれほど遠くなく(すでにレストランの周りにも大型のお土産物屋が点在している)、シルク製品の有名店シナワトラ・タイシルクはわずか300~400mほどなので、ショッピング途中で立ち寄るのもよい。
店はランチタイムや夕食時(特に前者)は大変混み合って、運が悪いと空席がなかったりするので、少し時間をずらして行くことをおすすめする。
自分はだいたい14時から16時の間くらいに行くことが多いが、それでも結構混んでいて2階に案内されたこともあるくらいだ。
営業時間は10時から21時半で昼休みはない。
コメント
台湾式の排骨飯が恋しくて華玲さんには一度だけ行ったのですが、排骨は乾いた感じで八角も入っていないので残念なお味でした。台湾でも八角を入れないお店もありますが。チェンマイで排骨というと煮込みやスープになってしまうので、炸排骨は貴重なのですが・・・。やはり美味しい排骨を食べたいのなら台湾に行くしかないですね。昨年は台湾のマイナーな温泉巡りの後に台北に戻り、排骨専門店巡りもしました。
他のお料理もいただきましたが、あっさり味で日本人の口にも合うと思います。私が行った際も混んでいて、日本人のグループも2組来ていたので日本人にも人気のお店なのでしょうね。
食在清邁さん
コメントありがとうございます。排骨はお口に合わなくて残念でした。やはり、本物は本場(台湾)に行って食べたほうが間違いありません。
やはり日本人に人気なのですね。確かに日本人の口に合う味だと思います。