新しく引っ越したチェンマイ郊外の家では冷蔵庫も大家さんが用意してくれていたのだが、日本で言えば20年以上前にポピュラーであった、たぶん今なら地方から東京に出てきた大学生でも使わなさそうな小型の2ドアタイプであった。
今はカミさんは諸事情で東京とチェンマイを行ったり来たり、というか東京にいる時間のほうが長いくらいなので、とりあえず自分がひとり暮らしする分には用は足りるだろうが、料理好きの彼女は「自分がずっといるようになったら、とても小さすぎて……」と言う。
彼女の意見では、とりわけ冷凍庫のスペースが足りないようだ。
確かに、東京の自宅の冷蔵庫はサイズがチェンマイのものに比べたら軽く倍以上あって、2段ある引き出して使うタイプの冷凍庫も色々な食材や作った料理を保存するため常にほぼいっぱいになっている。
「それなら、大家さんが設置してくれた今の冷蔵庫は返して新しいのを買わなければいけないねえ」と話したのだが、購入するならやはりカミさんが一緒に行って気に入ったものを自分で選んでもらったほうがよい。
なので、とりあえず話はそこで終わったのだが、何日か後にたまたま友人と会って世間話をしていたら「近々自宅に冷凍庫を購入する予定なんだ」と言う。
自分たちが買い換えようと想定していたのは冷蔵庫だが、もし足りないのが冷凍スペースだけなのであれば冷凍庫という選択肢もあるのか、とその時に気づき、参考にしたいので買いに行く時は同行させてほしいとお願いしておいた。
するとさらに数日後に「今日これから冷凍庫を買いに行くけど、一緒する?」と電話があり、ちょうどその時には特に予定もなかったので「もちろん」と答えた。
友人と待ち合わせたのは、お濠の南辺外側にある大型家電量販店の「サヤームTV」だ。
自分も今まで何度もここで買い物をしているのだが、冷凍庫は見たことがない。
店の前で待ち合わせて店内に入ると、冷凍庫は2階で売られているという。
「そういえば、上階には行ったことがなかったなあ……」と思いながら階段を登ると、突きあたりの一番奥に展示されていたのだった。
幅60cmくらいの小型から、1m以上はあるかというおそらく業務用のものまでいろいろなサイズ、メーカーの冷凍庫が並んでいた。
ちなみに、写真の奥に写っているのは、よろず屋とかによく置かれている飲み物の冷蔵ショーケースだ。
こういう商売用の電気製品もここで売ってるのは知らなかった。
友人はあらかじめ下見でもしていたのか、あっという間に購入するものを決め、代金を支払って買い物は終了である。
後日、店が友人の自宅に冷凍庫の配達に来るというで、その時に今度は家のほうにおじゃまして様子を見学させてもらった。
サヤームTVの配達は、割と約束の時間キッチリにやってくる。
車に乗って来た男性2人組は、置き場所を確認すると商品を降してその場で開梱し始めた。
友人が指定した場所に冷凍庫を置く。
先日自分が購入した洗濯機などとは違い電源コンセントをつなぐだけなので、設置といっても文字通りただ置くだけで、使い方の説明などもなくあっという間に配達の車は去って行った。
購入したのは「SANDEN」というメーカーの冷凍庫だ。
名前は何となく日本の会社のようだが、サヤームTVの店員の話ではチェンマイの東にあるサンカムペーンの工場で作っているらしい。
早速、冷凍庫の中を見せてもらう。
底部には排水用の栓もついていた。
幅は90cmほどもあり家庭用としては大きすぎるのではないかと思ったのだが、友人は「隣の家のものとかも入れるから」と言っていた。
タイでは昔の日本のように調味料を貸し借りしたり、食事をサクッとごちそうしあったりということが今でもよくあるのは知っているが、食べ物も冷凍庫で預かったりするのだろうか。
庫内の温度調節ができるダイヤルもついている。
もし自分(カミさん)が冷凍庫を買うのであれば、せいぜい幅60cmほどの小型のもので十分だろうが、ダイニングキッチンには置くスペースはなさそうなので裏口を出たところの洗濯機の脇(コンセントがある)横にでも置くのかなあ……などと考えながら友人の家をあとにしたのだった。
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