エアコンが突然壊れ大家さんと買い換えの相談
チェンマイ(タイ)では一軒家か集合住宅かに関係なく、賃貸物件では家具や家電製品は基本的に大家さんが用意することになっている。
自分が住んでいる家も入居した時には冷蔵庫やテレビ、電子レンジまで用意されていた。
電子レンジは自分のがあったので辞退したが。
もちろん、部屋のエアコンも設置済みだった。
3ベッドルームのうち2つの部屋にこのLG製がついていて、たぶん大家さんが予算をケチったのだろうパワー不足で特に屋根からの熱気が天井を伝わってくる酷暑季にはあまり涼しくならなくて不満だったのだが、そのうちの主寝室のエアコンがまったく冷えなくなってしまった。
送風はされているのだが、吹き出される風は生ぬるい感じだ。
やはり以前、同じような症状が出て大家さんに言って修理してもらったことがあり今回もまたそれでもいいのだが、エアコンはついていないけど一番いる時間が長い隣のリビングルームに冷たい風がもっと供給できるようになればさらに快適になるのになあと思っていたので、今回は買い換えの方向で話をしてみることにした。
電話で「修理でもいいんだけど、どうせなら自分が半分出すのでリビングルームも冷やせる大型のに買い換えませんか」というと、大家さんもふたつ返事で了解してくれ新しい機種も設置もぜんぶまかせるので、終わったら領収書の画像を送ってくれれば半額を振り込むということで話がまとまった。
それなら話が早い。
まずは、毎年エアコンのクリーニングを頼んでいる業者のお兄ちゃん(といってもたぶん30代後半)に電話をした。
パワーバイで工事業者を指定して購入(タイではOK)
このお兄ちゃん、元々はお友達からご紹介いただいたのだが仕事がすごくていねいで態度や言葉づかいもキチンとしており、以前「もしエアコン買い換えるなら自分が設置に来ますので店に行く前に連絡をください」と言われていた。
とりあえず何をアドバイスしてくれるかと思い電話すると「リビングルームも冷やすのなら最低でも***BTUのを選んでください。メーカーはダイキンかミツー(三菱)がおすすめ。パワーバイに行って機種を決めたら前に渡した名刺を見せて工事はここで、って指定すれば自分が行きますから」とのことだ。
別にこうしたからといって彼に紹介料が入るわけでもないだろう(別に入っても構わないのだが)し、設置の仕事がひとつ増えるくらいしか実利はないと思うのだが、設置工事は間違いなくキッチリやってくれるだろうからこのアドバイスにしたがうことにした。
早速、パワーバイに向かった。
チェンマイ市内に数店舗あるパワーバイはセンタン(セントラル系)のショッピングモールに入っていることが多く、おそらく系列なのだろう。
「The One Card」というグループ共通の会員証を持っていると表示価格よりさらに値引きしてくれることが多く、自分も何回か家電製品を購入したことがある。
店に入ってエアコン売り場に直行すると、かなりのスペースを取って商品を展示していた。
すぐに店員が寄って来たので事情を説明してダイキンかミツー(三菱)を見せてもらうことにしたが、推しは圧倒的にダイキンだという。
タイのこうした大型家電量販店の店員はメーカー派遣(?)ということが多く、自分の会社のものを無理やり勧めて来るような人もいないわけではないのだが、どうもそうではなく店が今キャンペーン中らしい。
商品を見ると確かに「さらに1000バーツ値引き!」みたいなPOPが付けられている。
「The One Card」を出したらさらに値引きがあるのか聞いたが、残念ながらそれはないと。
自分が買うのは大型で30,000バーツをちょっと超えるかなり高価格帯のものだがミツー(三菱)のものよりも値引き分安いし、日本の自宅のエアコンのほとんどがダイキンのものということもあってこちらに決めた。
店員さんに名刺を出して「この人に設置工事はお願いしたいんだけど」というと、それを持ってカスタマーサービスのカウンターへと歩いて行った。
少しするとスマホで電話をしている。
たぶん自分の出した名刺の業者に電話してるのだろう。
しばらくすると「工事は**日になると言ってるけどそれでいいですか?」と聞いて来たので了解すると、店員の男性は二言三言話をするとスマホを切った。
後は普通に支払いをして伝票を受け取って買い物は完了だ。
日本の家電量販店で工事業者を指定したことなどなかったので、チェンマイの店でそれをやったらどうなるのか少し不安だったが、まったく普段の買い物と同じでちょっと拍子抜けしてしまった。
知り合いの業者がいるなら、こういうやり方もありだね。
日本並みに靴下を履き替えての工事は見ていて安心
工事の当日はあいにくと雨が降っていた。
エアコンクリーニングで何回か来ているので、道に迷ったりする(自宅はちょっとわかりにくい場所にあって初めての配達員とかからはよく電話がかかって来る)こともない。
予定時刻よりも少し早く、自宅の前にピックアップトラックが止まった。
降りて来たのは顔なじみの業者のお兄ちゃんだが、今日はパワーバイのポロシャツを着ている。
本業のエアコンクリーニングだけではなく、量販店などと契約して設置などの工事も請け負っているのだろう。
室内機と室外機の状態をザッと確認すると、脚立や商品をピックアップトラックから降ろして設置工事の開始だ。
まずは、古い室内機をはずして新しいものを設置するために必要なものをすべて主寝室に運び込んだ。
この業者、クリーニングの時にも感心したのだが家の中に入る時には新しい靴下に履き替える。
日本でも家具の運び込みや電気工事などで客の家の中に入る業者の中には靴下を履き替える人もいるが全員ではない。
どこでこの作法を知ったのかはわからないが、タイでもここまでやる業者もいるところが昔とは違うよね。
見ていたら、ほんの4~5分で本体と配線をきれいにはずした。
続いて室外機もあっという間に取り外しが終わった。
すぐに新しい室内機の取り付けが始まったが、写真を撮影しているヒマもないくらい短時間で終わってしまった。
前のものとパイプの位置などが微妙に違うのか壁に少しすき間ができてしまったのだが、業者が持って来ていた充填剤を使ってきれいに埋め直してくれた。
いい加減な作業員だったりすると、こういうのを平気で放置したまま「はい、終わりました」とか言いかねない。
なので工事中はずっと付きっきりで見て(見張って)いなければならないのだが、この業者なら黙っていてもこういうところをキチンと作業してくれるので安心だ。
室外機は今までのものと比べてパワーがあるのでその分サイズもかなり大きい。
そのため、まずは設置台(?)を新しいものに取り換えるようだ。
そこに、新しい室外機を乗せた。
室内機側からはいくつかのパイプや配線が出ているので、室外機とつなぐためにまずは長さなどを確認したようだ。
いったん乗せた室外機を地面に降ろすと、パイプや配線の加工を始めた。
それが終わるとひとつひとつ確認しつつ配線やパイプを接続していった。
動作確認をして工事完了。よい業者だとストレスがない
結局、設置工事は1時間半ほどで終わった。
持って来た工具類や外箱や緩衝材などの出たゴミをあらかた片づけてから、リモコンを使って試運転だ。
問題なく冷房の冷たい空気が出るのを確認したら「このままの温度設定で1~2時間運転してください。その後は設定を変えても構いませんから」という。
見ると、設定温度が20度になっていた。
このまま動かしてみて、隣のリビングルームがどのくらい涼しくなるかのテストになるのでちょうどよい。
はずしたLGのエアコンもどうするか聞かれたが、大家さんがそのうち取りに来る(たぶん自宅で使うのだと思う)ということなので、物置きがわりにしている部屋の一角に置いてもらった。
ともあれ、主寝室のエアコンが壊れていると夜はさすがに寝苦しくて不便を強いられていたが、これで快適に眠れるだろう。
そして後日談になるが、パワーを大きなものにしたことで課題だった隣のリビングルームのほうもかなり冷えるようになり、満足度が大幅にアップした。
チェンマイ郊外のムーバーン(分譲住宅街)でもない普通のソイ(路地)の中にある一軒家では時々日本では想像もできないようなことも起きるけど、今回のエアコンの買い替えは日本と変わらないスムーズさで物事が進んだ。
こういうストレスのない生活もいいのだけど、あまりに問題なく終わってしまうと何かちょっとさびしい気がするのは身勝手というものだろう。
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