どんなホテル?
チェンマイ市内中心部、お濠の中の旧市街にあるブティックホテル。
ブティックホテルというのがどういう定義になっているのか正確にはわからないのだが、部屋数が少なくタイ様式をふんだんに取り入れたコロニアル風(カミさんが言うには「欧米人がイメージするタイ」だそうだ)の雰囲気を漂わせた高級感あふれるホテル、と言ったところだろうか。
観光には抜群のロケーションにありながら、外の通りからまったく中が見えない隔離された雰囲気の中で落ち着いた滞在ができるということで人気が高く、長逗留する人も多い。
チェンマイ旧市街でも屈指のブティックホテル、と言えるかもしれない。
ロケーション
お堀の中の旧市街の南東寄りにある。
ターペー門からラーチャダムヌン通りを300mほど西に進み、最初の大きな交差点を左折してラーチャパーキナイ通りに入って400mほど先の左手になる。
お濠の南辺にあるチェンマイ門からだと、プラポクラウ通りを50mほど行って右折、すぐに突き当たったら左折してラーチャパーキナイ通りに入って300mほど先の右手だ。
TEL:053-903900
WEBSITE:https://bodhiserene.com/
外からはまったく中が見えない隔離された空間
通りからは、レンガ積みで上部が白く彩られた壁と、そこから少しだけ顔をのぞかせるタイ風の建物の屋根しか見ることができず、完全に隔離された空間を演出しようとしていることがわかる。
チェンマイのブティックホテルの先駆けともいえるラチャマンカやタマリンド・ビレッジなどと共通する特徴と言えるだろう。
タイ仏教的な装飾が施されたエントランスを入ると、右手にフロントがある。
木製のイスやテーブルが使われた少しだけ重厚な雰囲気の中で、胸にホテルのロゴが刺繍された揃いのポロシャツを着たスタッフが笑顔でチェックインの手続きを進めてくれる。
その間に、木製のお盆に乗せられた小さなグラスに入ったウエルカムドリンク(自分の時はレモングラスのジュースだった)がサーブされるが、できることなら冷たいおしぼりも出してほしいところだ。
フロントからは、木々が茂り、四方を水場に囲まれきれいに刈り込まれた緑の芝生の中庭を見渡すことができる。
ホテルに入って記憶に残る最初の風景がこの中庭だろう。
ボディ・セリーン(タイ語の表記ではโพธิ ศิรีนทร์=ポーティ・シリーンと読める)の「ボディ」とは菩提樹のことで、そこからもわかる通り、エントランスを入ったところにある大きな菩提樹が植えられた前庭と、客室に囲まれた広々としたこの中庭がホテルの象徴になっている。
それほど広くもない敷地に、これだけのある意味無駄なスペースを配しているところが、何よりもこのホテルをぜいたくなものにしている。
客室は、その中庭を取り囲むようにして、3つの棟に分かれている。
エントランスから見て左右の2棟は2階建て(一部3階建て)で、レセプションに近いウイングDにはデラックスが13室、エグゼクティブルームが2室、中庭をはさんだ向かい側にあるウイングBには前者が14室、後者が4室設けられている。
正面の棟は3階建てのスイートルームだけが入った棟で、1階と3階にワンベッドルーム・スイートがそれぞれ2室、2階は2ベッドルーム・スイートが1室となっている。
通り沿いの棟(ウイングA)は、1階がフロントのほかは朝食会場となるスペース(後述)、2階にプールとオープンバー、レストランにインターネットが使えるコンピュータや書籍が置かれた図書館がある。
プールは10m四方ほどの非常にこじんまりとしたもので、本格的に泳ぐためではなく、プールサイドでノンビリとくつろぐためのものといってもいいだろう。
バーは中庭に張り出すように造られており、夜、美しくライティングされた中庭をながめながらお酒を飲むにはよさそうなスペースだ。
図書館も、オリエンタルムードたっぷりのインテリアで飾られており、ゆったりとした時間を過ごすことができるだろう。
ぜいたくな空間を占有できるワンベッドルーム・スイート
今回は、敷地一番奥の棟にあるワンベッドルーム・スイートに宿泊した。
スイートルーム専用の建物に行くには、手前のスーペリアルームとデラックスルームの棟の脇を通り過ぎるが、敷地の塀沿いには竹のような木が植えられているものの隣家の壁が丸見えで、少々雰囲気を損なっているのが残念だ。
ラチャマンカでは目隠しが完璧になされ、雰囲気を損なうこういう余計なものは絶対に目に入らないように配慮されているのだが……。
用意された部屋は1階で、リビングルームとベッドルームは分かれておらず広いぶち抜きになっている。
床はバスルームを除いてすべて無垢の木になっていて、素足で歩くと実に気持ちがよい(スリッパも用意されている)。
床を含め、バスルームを仕切る扉やベッド周りの装飾、そのほかのインテリアも濃い茶色の木が使われており、真っ白な壁との組み合わせがいかにもコロニアル風といったカンジだ。
入ってすぐのリビングルームは、タイ風というよりも中国風といったほうがよい扉つきのボードやテーブルがわりに使う大きな木箱が置かれ、真っ赤な布のソファがアクセントを与えている。
また、シンク、電子レンジ、IHクッキングヒーター、食器も備えつけられており、自炊したりタラート(市場)からお持ち帰りしたおかずなどを温めて食べることもできるが、自分が宿泊した部屋のクッキングヒーターは配線がされておらず、実際には使えなかった。
ベッドは、頭上に大きな木製の飾りがつけられており、夜にはライティングすることができる。
枕は1人に3つづつ置かれ、高級なフカフカのマットに肌触りのよいリネン類が使われている。
このワンベッドルーム・スイートの特徴のひとつは、巨大なバスルームだろう。
両開きの扉を開けると、目の前には2人が楽々入れる直径1mはゆうにあろうかという真ん丸な形のバスタブがドーンと設置されている。
やはり真っ白な木製の飾りが背後の壁にはつけられ雰囲気を醸しており、優雅なバスタイムを過ごすことができるだろう。
当然シャワーブースは独立しているが、最近はやりのレインシャワーではなく、一般的なタイプだ。
アメニティは、ホテルオリジナルの紙製のパッケージに入ったハブラシをはじめ、ナチュラルっぽいカンジで統一されたものが一通り揃っているが、残念なことにバスバブルがないので、日本から入浴剤を持っていくとよいかもしれない。
ただし、バスタブが大きいので、1回に最低2袋は必要だが(笑)
また、中庭に向かってリビング、ベッド脇それぞれにベランダが造られている。
スペースが広くなく、木製の手すりにそって小さなお尻を乗せる場所(イス、ベンチとは呼び難い)がついていて、中庭を眺めることができるようになっている。
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少し事務的な対応が気になる朝食のレストラン
朝食は、通り沿いの棟の1階に造られたスペースが会場となる。
中庭に張り出した部分を中心に、その両脇の本来なら通路にあたる部分にも席や飲み物・食べ物を置くテーブルが置かれている。
中庭がよく眺められ、よりこのホテルの雰囲気を堪能しながら気持ちいい朝のひと時をすごすなら、中庭に張り出した部分の席(日によっては庭にガーデンパラソレの席もセッティングされる)がいいだろう。
事前に見ていたホテル予約サイトの口コミでは朝食の評価が低いコメントがたくさん掲載されていたので少々心配だったのだが、ホテルの規模からするとがんばっているほうではないだろうか。
卵はその場で希望に合わせて調理してくれるほか、ハム、ソーセージ、野菜のソテーなど付け合わせは一通り揃っているほか、フルーツ、シリアル、パンケーキ、ワッフルもある。
また、ドリンクでは珍しく温かいウーロン茶も用意されていた。
少々残念だったのは、レストランの従業員全員に笑顔がなく応対が事務的に感じられたこと。
ある日の朝には、ほかの客がガーデンテーブルに座ろうとしたところ、理由も告げずに「そこはダメだからほかの場所に行け」とあまりていねいではない口調で言われているのを目にした。
フロントなどほかのスタッフにはそういうところがまったく見受けられなかっただけに、より一層目についたのかもしれないが……。
ブティックホテルといっても堅苦しくないのがいい
分類するとすれば高級になるだろうブティックホテルではあるが、従業員が民族衣装ではなく揃いのポロシャツをユニフォームがわりに着ていることからもわかる通り、どちらかと言うとカジュアルで親しみやすい、悪く言えば少しアバウトな部分もあるブティックホテルということになるだろうか。
完璧な空間づくりとサービスを望む人にはおすすめできないが、そこまでではなくある程度のクオリティが満たされていればよい、という人にはとても向いているブティックホテルだと思う。
値段的にも、ラチャマンカやピンナカラに比べればグッと財布にやさしくなる。
お堀の中にあるので旧市街の寺院はもちろん、ナイトバザールやワローロット市場も十分徒歩圏内、土日に開催されるウアラーイ通り、ラーチャダムヌン通りの歩行者天国も目と鼻の先とロケーション的には抜群。
プロモーション料金が設定されているタイミングであれば、特にお得なホテルであることは間違いない。
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