どんなホテル?
お濠の中のチェンマイ旧市街にある老舗の高級ブティックホテル。
ワット・プラシンの裏手の細い路地の奥に隠れ家的に存在していて、以前は知る人ぞ知る宿だったのだが、女優(ブラッドピットの元の奥さんでもある)のアンジェリーナ・ジョリーが宿泊したことで知られるようになってから、特に欧米からの旅行客の人気を集めており、もともと部屋数が少ないこともあって予約が取りにくいことが多いらしい。
なお、記事ではラチャマンカと略しているが、正式な名称は「ラチャマンカ・ホテル・ア・メンバー・オブ・ルレ&シャトー(Rachamankha Hotel a Member of Relais&Château)」という。
オープン当初の経営母体は同じくお堀の中の旧市街東寄りにあるタマリンド・ビレッジと一緒でポジショニングとしてはこちらのほうがより高級、ということになっていたのだが、この名称からすると今は分離されているのかもしれない。
ロケーション
お濠の中のチェンマイ旧市街の南西寄り、ワット(寺院)・プラシンの裏手になる。
ターペー門から旧市街の真ん中を東西に貫くラーチャダムヌン通りを西に進みワット・プラシンに突き当たったら左へ。
寺院の塀に沿うようにしてサームラーン通りソイ1へ右折して日本人旅行者にも大人気のガイヤーン(タイ風ローストチキン)の店SPガイヤーンを通り越してすぐのところにある十字路(ここでワット・プラシンの塀が終わる)を左折、ラチャマンカ・ソイ(路地)9に入って約50m行った右側。
十字路には、ホテルの案内看板が出ている。
TEL:053-904111
WEBSITE:https://www.rachamankha.com/
エントランスから完璧に計算されたレイアウト
SPガイヤーンのあるサームラーン通りソイ1から、車がすれ違えるかどうかというくらい幅の狭い路地を少し入っていくと、ホテルの白く背の低い塀が見えてくる。
塀の内側からは大きな木が道のほうに張り出して影を作っており、大通りから見る限りではここがホテルであることに気づく人は少ないだろう。
両脇を獅子が守るゲートの先は砂利が敷き詰められた駐車場になっており、正面と左側に白い壁のタイスタイルの建物が建っている。
正面はレストランとバー、左手がフロントなどが入っている棟だ。
このフロントが入った建物に造られたホテルのシンボルマークが描かれた旗の立っている小さなエントランスをくぐって道なりに左に進むと、フロントのカウンターがある。
机が3つほど並べられた、ゆったりはしているもののとても小さなスペースだが、総部屋数がわずか24室なのでおそらくこれで十分なのだろう。
チェックインの手続きをしていると、ウエルカムドリンクと冷たいおしぼりがサーブされる。
従業員の多くは現代風にアレンジされた民族衣装のようなコスチュームを身に着け、雰囲気を醸し出している。
その奥に広がる客室は、白い壁のタイ様式の独立した家屋に作られており、これが中庭を取り囲むようにして左右と奥に配置されている。
さらに中庭の中央付近には、レンガ色の屋根が印象的な客室と同じくタイ様式のホールの建物があり、中庭をふたつに分けている。
木で作られた客室のドア脇には100年以上前の本物のアンティークが置かれ、それぞれに説明書きがついている。
この宿泊棟がある空間は、ホテルとは思えないくらいほとんど人の気配というものが感じられず、中庭に植えられたプルメリアの花のかぐわしい香りと相まって、騒々しいホテルの外から来ると、いきなり異次元の世界に放り込まれたような気分になることだろう。
中庭を隔てているホールには、フラワーアレンジメントとキャンドルを乗せたとても大きなディスプレイテーブルが置かれ、その両脇にテーブルとチェアが並べられている。
壁には額に入った古いタイの絵画がかけられたこのオープンスペースは、テーブルの上にメニューらしきものが置かれているので、ここで中庭やインテリアを眺めながら飲み物などを取ることができるようになっているのであろう。
バスタブがつくのはスイートのみ
ラチャマンカは、全24室をスーペリア、デラックス、スイートの3つにランク分けしているが、今回はデラックスルームを利用した。
案内されたのは2つの中庭の先、突き当たりに位置する棟の2階で、小さな階段を登っていくと部屋の扉が4つ並んでおり、その中央付近の部屋であった。
大きな木の扉を開けると、そこはまるでインテリア雑誌に出てくるような風景。
20畳以上はゆうにあろうかという広いワンルームに大きなベッド、クローゼットやライティングデスクもすべて木でできており、クローゼットの上には大きな瀬戸物の鉢が、ベッド脇にも同じく瀬戸物でできたライトが置かれている。
バスルームの扉も木でできており、上半分は上下にスライドするシェードのようなものが付けられていて、それを降ろすと部屋からパウダールームが見えるような仕掛けになっている。
洗面台も木でできており、そこに置かれているボディーソープなどもすべて自然の原料が使われているようだ。
スイートルーム以外にはバスタブがないが、シャワーブースは簡素な作りながらタイルが効果的に使われていて、雰囲気が統一されている。
部屋の前の廊下は、枕とクッションがセットされたベンチにテーブルが置かれテラスのようになっており、この2階の空間は隔離された宿泊スペースの中でもさらに独立した環境になっているので、そこも自分たちのスペースとして使えるようになっている。
夜はこのテーブルの上にキャンドルが置かれ、よりいっそう幻想的な雰囲気を醸し出している。
このほか、ホテルに付帯している設備としてはスイミングプールとライブラリーがある。前者は24室しかない割には大きなサイズで、プールサイドには日傘のついた木製のビーチチェアが10ほど並んでいるほか、正面にはこれまた美術品がディスプレイされた小屋のようなものが建てられ、雰囲気を演出している。
後者は利用していないので具体的なことはわからないが、インターネットが利用できるパソコンも設置されているようだ。
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朝食はブルーアンドホワイトの器で
朝食は、前述の通り客室があるスペースとは別の場所に造られた棟にあるレストランで取る。
部屋数が少ないのに合わせてこちらもこじんまりとしており、扉の先の室内には4~6人がけのテーブルが7つほど、またその左手の中庭に面した部分に2人がけのテーブルが5つほど置かれている。
レストランに入ると、すぐにスタッフが「中にしますか、外にしますか?」と聞いてくるが、やはり屋外の方が気持ちがよくおすすめできるだろう。
席につくと、店員がメニューを持ってくる。
部屋が少ないのでさすがにビュッフェにはなっておらず、メニューから食べたいものをチョイスするようになっているのだ。
ジュースから始まって、トースト、クロワッサン、パンケーキの主食類、おかずの卵料理などいずれも数種類からのチョイスとなる(タイ式のお粥もある)が、いずれもオシャレな形と絵付けのブルーアンドホワイトの陶器に盛られて出てくる。
どの料理もセンスのよい盛り付けで優雅な印象を受けるが、味にはこれといった特色があるわけではなく、また大型ホテルのように色々なものの中から好きなだけ取ってきてお腹が苦しくなるまで食べる、というわけにはいかないので、何となく物足りなさを感じる人もいるかもしれない。
泊まるなら、とにかく早く予約を
部屋数が少ないので、ホテルの中は「ここには本当に客がいるのかしら?」と思ってしまうほど静まり返っている。
今までチェンマイのホテルにずいぶん泊まってきたが、普通とはまったく雰囲気が異なるタイプだと言うことができるだろう。
お堀の中の旧市街にあり、ホテルの周りは民家や道路が取り囲んでいるため、時々唐突にバイクの走り抜ける音やおそらく隣家が飼っているのだろうニワトリの鳴き声が聞こえてきてここがチェンマイ市内中心部であるということを思い出させるが、壁に沿って植えられた木々(夜になるとライトアップされてこれがまたすばらしい)の効果もあってか、まさに「シティリゾート」呼ぶにふさわしい隔離された空間を作り上げているのには、本当に感心させられた。
恐らく、建設前には細部にわたるありとあらゆる部分に対して相当細かな計算が成されたのではないだろうか。
さらに付け加えると、前述の通りホテル内のあちらこちらにはアンティークが置かれており、それらが壊されたり傷つけられたりするのを防ぐために、ここでは12歳以下の子供は宿泊が認められていない。
実際、この空間に子供はまったくふさわしくなく、仮にアンティークがなかったとしてもこの雰囲気を守るためには、そうした徹底した措置を取ったほうがいいのだろう。
自分が宿泊した時には客の中に日本人もいたようだが、メインの宿泊客は圧倒的に欧米からの裕福そうな旅行客だった。
とにかく人気のホテルなので、泊まりたいのであれば早めに予約を入れたほうがいいだろう。
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