ジップエアの値段が高く、1年ぶりのタイ航空
3か月強のチェンマイ暮らしを終えて日本に一時帰国する。
滞在期間が短いのは2月に義母の一周忌、7月に父の三回忌があってその合間しか時間が取れないから。
以前は1年のうち日本にいるのはせいぜい1ヶ月半程度だったのだが、こればかりは自分の都合だけではどうにもならない。
日本とタイ間はここ3フライト連続でZG(ジップエア)のフルフラットシートを利用していた。
今回の日本行きにあたってZG(ジップエア)の価格を調べてみたところ、値段がかなり上がっていてフルサービスキャリアのビジネスクラスとそれほどの差がなくなっていてビックリ。
フルサービスキャリアはシートの質がまったく違うし(ZGはたぶんメンテナンスしやすさを重視した結果固すぎてただの板)、当然機内サービスあるしでこの程度の価格差になってしまったらZG(ジップエア)を利用する意味が見出せない。
なので今回はフルサービスキャリアの中で価格が安く、成田空港に自動車で迎えに来てくれるカミさんにとって都合がいい到着時間のTG(タイ国際航空)676便を利用することにした。
この便を利用するのは、ほぼ1年ぶりだ。
TG(タイ国際航空)のサイトでチェンマイ←→成田を予約しようとすると、通しで買うよりもなぜか別切りにしたほうが安くなる。
今回も前日夕方のチェンマイ→バンコクの国内線チケットを別途予約し、スワンナプーム空港近くのいつも使っている乗り継ぎ用の格安ホテルで一夜を過ごした。
ホテルから空港までは10分、あっという間にラウンジへ
TG676便は朝の7時半発。
自分が使っている乗り継ぎ用ホテルは宿泊料金に往復の空港送迎が含まれており、チェックイン時に時間を指定する。
この日は早朝5時にホテルをチェックアウト、ワンボックスカーに乗ってスワンナプーム空港に向かった。
所要時間はわずか10分ほど。
いつものことだが、この時間でもスワンナプーム空港の出発ロビーにはたくさんの人がいた。
TG(タイ国際航空)の上級クラスのチェックインカウンターは、ロビーに入って一番左の端にある。
TG(タイ国際航空)ではビジネスクラスのことを「ロイヤルシルククラス」と呼んでいる。
Aブロックの向かって左手にチェックインカウンターが並んでいる。
スタッフの多くが今もマスクを着用していた。
日本で「いまだにマスクを……」とか言って他人を批判している人たちが、いかに現実を知らないかということだ。
ビジネスクラスでは、カウンター前に置かれているイスに腰かけてチェックインする。
この日は見ての通りガラガラで、適当な場所に座ってあっという間に完了だ。
そして、このカウンターの向かい側にセキュリティチェックとイミグレのファストトラック(優先レーン)の入口がある。
ファストトラックはTG(タイ国際航空)以外の上級クラス搭乗客や高齢の人や妊婦、外交官などさまざまな人が利用するため運が悪いと結構混んでいることがあるのだが、この日はこちらもガラガラで5分もかからずに通過。
結局空港ターミナルに入ってから15分ほどでラウンジに入ることができた。
ゲートはラウンジの真ん前、機内は日本人も増えていた
思いのほか時間がかからずラウンジに入ったので、搭乗時間まではたっぷり1時間以上あった。
この日のTG676便のゲートはD3でラウンジの真ん前。
TG(タイ国際航空)のボーディングはたいてい予定時刻から遅れて始まるので、ゲートの様子が見える場所に座ってノンビリと朝食をいただいた。
D3ゲートのカウンターにTG(タイ国際航空)のスタッフが到着し、ボーディングの準備を始めたのを確認してからラウンジを出た。
ほんの10分ほどゲートの待ち合いスペースのイスに座っていると、搭乗のアナウンスがあり機内へと向かう。
TG676便は、今では珍しいファーストクラスまであるボーイング777-300ER型機で運航している。
正確な構成は知らないが、自分の印象としては機体の半分くらいがビジネスクラス以上の座席で占められている感じだ。
ビジネスクラスは1-2-1のコンフィグレーションでシートそのものは他のキャリアでも採用されている一般的なタイプのソロシートだ。
座席にはブランケットや枕に加え腰にあてるクッションが用意されている。
腰痛持ちの自分にはうれしいサービスだ。
シートやAVのコントローラーなどはごく一般的なものだ。
AVコントローラーの隣にある扉付きの収納ボックスの中にはヘッドホンがかかっているが、ここには手元に置いておきたい小物(自分の場合は薬やデジカメなど)を入れておくのにとても便利だ。
スリッパやアメニティもあらかじめ座席に置かれているが、今回の後者はジムトンプソンのタグが縫い付けられていた。
ジムトンプソンといってもシルクではなかったが。
この日のTG676便のビジネスクラスは8割程度の席が埋まっていた。
昨年搭乗した時には日本人は皆無だったが、この日は旅行客っぽい人がちらほら。
物価高や円安で確かに総数としてのタイを訪れる日本人の数は減っているのかもしれないが、やはり行く人は行くのだろう。
搭乗前の待合いでも、旅行者っぽい人々を結構見かけたし。
離陸まではまだ少し時間がありそうだったので、いったん靴を脱いで足を伸ばしてくつろぐことにする。
するとCAさんがやってきておしぼりを置き「ウエルカムドリンクはいかがですか」と言ってソフトドリンクが乗ったトレイを差し出して来たのだが、自分はシャンパンをリクエストした。
せっかくフルサービスキャリアを使うのだから、この写真はお決まりだよね。
前回搭乗した時には、このタイミングで「ミスター***」と名前を呼ばれたのだが、今回はなかった。
搭乗便は予定時刻より20分ほど遅れてゲートを離れて滑走路へと向かい、成田に向けて離陸した。
【動画】TG676便ビジネスクラスから見たスワンナプーム空港離陸
和食は1年前と寸分違わぬ内容でちょっとガッカリ
TG(タイ国際航空)では、搭乗の1週間ほど前になると食事のリクエストを促すEメールが送られてくる。
洋食、タイ料理、日本食の3種類が用意されており、1年前も今回も自分は日本食を選択した。
搭乗機が水平飛行に移るとCAさんが食事のリクエストを聞きに機内を回り始めたが、当然自分の席は素通りだ。
その後少したってから、食前のドリンクのサーブが始まった。
自分は白ワインをオーダーすると「シャルドネとソービニヨンブランがありますが、どちらになさいますか?」と聞かれたので前者と答えておいた。
すぐにワインが運ばれてきたが、日本茶も一緒に持って来てくれた。
ワインの飲みながらくつろいでいると、前の席のほうから順番に食事が運ばれて来た。
この機材では、テーブルは液晶画面の下から引っ張り出して広げるようになっている。
食事はワンプレートで運ばれて来た。
食器はすべてノリタケだ。
お重の中身はこんな感じ。
豚しゃぶ風に卵焼き、茶碗蒸しやエビの揚げ物などが入っていた。
搭乗前のラウンジで軽く食事をしてしまったので、これだけでお腹いっぱいになってしまいそうだ。
メインは黒タラの煮つけ。
ご飯と味噌汁、漬け物もちゃんとしている。
全体的に味つけは悪くないのだが、残念だったのは何から何まですべての料理が1年前とまったく同じだったこと。
メインの魚の煮つけは事前リクエスト時に同じなのはわかっていたのだが、お重の中の一品料理までまったく変わっていないのは残念だった。
自分は頻繁に搭乗するわけではないが、せめて一品料理だけは変化をつけてもらったほうがうれしいなあ。
食後はコーヒーでもよかったのだが、正直言ってTG(タイ国際航空)のコーヒーはおいしくないので今回は最初から最後まで日本茶で通した。
食事が終わると消灯となり自分も眠ってしまったが、成田着陸1時間半前くらいになるとスナックのオーダーを聞きにCAさんが回ってきた。
聞いてみると日本のカレーライス(たぶんミニサイズだと思う)などがあったようだが自分はまったくお腹が空いていなかったのでコークゼロをいただいた。
成田は土砂降りの雨。荷物はすでに出ていた
搭乗機が日本に近づくと、上空は真っ白な雲に覆われまったく視界が開けなかった。
梅雨時の日本の気候そのものだ。
とはいえ飛行中は揺れるようなこともなく伊豆半島南沖あたりから徐々に高度を下げて着陸態勢へと入った。
着陸前の機内アナウンスがあり房総半島を回り込むように北に進路を変えてもやはり外は雲の中。
そのまま銚子上空から成田空港に向かって最終着陸態勢に入っても何も見えないままで、最終的に地上が見えたのは着陸のほんの数分前だった。
【動画】TG676便ビジネスクラスから見た土砂降りの成田空港着陸
着陸すると同時に窓ガラスには雨があたり、成田空港が大雨であることがわかった。
この日はB滑走路に東方向から着陸したので、ここからが長かった。
滑走路を出てUターンしてから第2・第3ターミナルの前を通過、直角に右に曲がり第1ターミナル方向に向かった。
ようやく第1ターミナルの第4サテライト前まで来たが、今度は到着ゲートにまだ飛行機が止まっているとのことでさらに10分ほど待機となり、結局着陸してからゲートに着いてドアが開くまで30分くらいかかってしまった。
TG(タイ国際航空)の便が使っている第4サテライトは、入国手続きなどをする南ウイングから最も離れた場所にある。
急いでもしょうがないので、途中でトイレに立ち寄るなどしてノンビリと向かった。
これを見ると「日本に戻って来た~」という気になるね。
検疫、顔認証システムを使った入国手続きと順調に進み預け入れ荷物の受け取りターンテーブルに着くと、ちょうど荷物が出始めたところだった。
すべての到着便で行われているのかどうかは知らないが、TG(タイ国際航空)の上級クラスの乗客の預け入れ荷物は係員がターンテーブルから降ろして脇にひとまとめにしておいてくれる。
ちょっとしたことなのだが、長いフライトの後ではすごくありがたく感じる。
預け入れ荷物を受け取れば、後は通関だけだ。
自分はチェンマイ出発直前に「Visit Web Japan」を使って事前に登録を済ませQRコードを取得しておいたので、電子申告ゲートを使ってこちらもあっという間に通過。
一般エリアに出ると、迎えに来てくれていたカミさんと落ち合い車で雨の東関道を走って自宅へと戻った。
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