父の遺品整理を終えチェンマイに戻る
昨年(2022年)7月に父が亡くなり、葬儀から納骨までを済ませて10月にいったんチェンマイに戻ったのだが、まだまったく手をつけていないことがあった。
それは遺品整理だ。
母も今は介護施設にいてもうおそらく自宅には戻れないので、この際だから2人のものを基本的にはすべて処分して居室をきれいにクリーニングしておけば、将来的に階下(我が家は2世帯住宅)を貸すようなことがあればあわてなくて済むだろうと思い、2ヶ月ほどで再び日本に戻り年明けから本格的に行動を起こした。
いざ遺品を整理し始めると、衣類のようにただ捨てていけばいいものばかりではなく壊して小さくしないと捨てるのにも費用(粗大ごみ)がかかってしまう小型家具とかもあって思いのほか時間がかかり、床のフローリングのワックスがけやちょっとした不具合の修繕も含め完了するまでに3か月近くの時間を要してしまった。
父が余命宣告を受け6年住んだ郊外の一軒家をバタバタと畳み荷物を押し込むために新たに借りた物置きがわりの家やガレージに止めっぱなしの自動車、スクーターの様子も気になるし(タイ人のお友達が面倒を見てくれてはいるが)、ほどなく一周忌もあるのでそう長期間の滞在はできないが、とりあえずいったんまた帰チェンすることにした。
往路に利用したのは、ジップエアの「ジップフルフラット」というその名の通りフルフラットシートのクラスだ。
チェックインの長い行列はほとんどがタイ人
ジップエアのバンコク・スワンナプーム行きは夕方発で、午前中はノンビリ自宅で過ごすことができる。
いつも離陸3時間前のチェックイン開始時刻に合わせて成田空港に向かっている。
ジップエアのバンコク行きを利用するのは今回が4度目だが、前回昨年10月にタイが完全開国した直後の時は初めてチェックインの行列ができていた。
今回も第一ターミナル北ウイングに向かうと、やはり大勢の人が並んでいる。
しかし、前回とは決定的な違いがある。
並んでいる人のほとんどがタイ人なのだ。
日本が外国人観光客を受け入れるようになりタイから大勢の人が訪れていることは知っていたが、これほどまでとは思わなかった。
というか、円安などの影響もあって海外旅行に出る日本人が激減しているのかもしれないが。
この時期なら例年ウジャウジャいるであろう学生バックパッカーも皆無。
LCCのチェックインでよく見られるような、荷物の重量制限に引っかかってスーツケースを開けているような人もいるにはいるが、カウンターがいくつも開いているのでそれほどひどく待たされることもなく、列に並んでからだいたい40分ほどで自分のチェックインは完了した。
なお、LCCのジップエアでは上級クラスにあたる「ジップフルフラット」を利用してももェックインや搭乗、荷物の受け取りなどの優遇措置は一切ない。
手荷物検査場や出国手続きもまったく混んでおらず、あっという間に制限エリアに入ることができた。
フルフラットシートは快適だが装備は必要最小限
出国後すぐにある店舗が並ぶコンコースはやはり大勢の人がいて、マクドナルドなどには行列ができていたが、自分はいつもの通りジップエア利用客は優待料金で滞在できるナリタトラベラウンジで過ごす。
このラウンジは、ジップエアが通常使用する第2サテライトのゲートまでものの2~3分で行くことができるので、搭乗時刻ギリギリまで滞在できるのがよい。
今回も搭乗時刻ちょうどにラウンジを出て、トイレに寄ってからゲートへと向かった。
さすがに日本のキャリア、予定時刻からほんの10分ほど遅れるだけなのにバカていねいなアナウンスが繰り返されていた。
しかし、搭乗客もゲート前にグチャグチャに並ぶようなこともなく周囲にあるイスに座っている人がほとんどだった。
みんなお行儀よくしているところを見ると、チェンマイ空港とかのカオスな雰囲気はいったい誰が引き起こしているのだろうかと思ってしまう。
アナウンス通り、定刻よりキッチリ10分遅れでボーディングとなった。
チェックインや搭乗では一切優遇されない「ジップフルフラット」だが、ボーディングブリッジだけは途中からエコノミークラスとは別になっている。
別に他意はなく、機材が大きいのでスムーズに搭乗させるためだろうが。
ジップエアの機材はJALのおさがりのボーイング787-8型機だ。
シートの原型はおそらくJAL仕様そのままだろうが、LCCらしくオーディオコントローラーはもちろんモニターもついていない(機体軽量化のため)。
ついているのは、シートコントロールのボタンと電源&USBコンセントだけだ。
そんなシンプルなシートではあるが、フルフラットなので席に座った瞬間に足を伸ばせるのが料金が高い分のメリットのひとつではある。
もちろんソロシートなので、周囲の乗客のことはまったく気にならないし。
搭乗開始は10分遅れだったが、離陸は20分遅れだった。
追加料金なしの機内食はペンネがベストチョイスかも
自分はジップエアの航空券を購入する際は、「プレミアムパック」というのをセットしている。
これは、事前座席指定、機内食、機内持ち込み手荷物の重量追加(計12kg)、預け入れ荷物1個(23kg以下)、アメニティセットが含まれ8,900円となっていて、個別に購入するより30%お得らしい。
シートベルト着用のサインが消えるとすぐにアメニティセットが渡された。
中には、ブランケットにスリッパ、ネックピロー、アイマスクと耳栓が入っている。
薄手ではあるがブランケットがあるとないとではくつろぎ感がまるで違うし、スリッパは自分が泊まるバンコクの乗り継ぎ用ホテルにはついていないのでそのまま持って行って重宝している。
自分は貧乏旅行者というわけではないので、エアアジアとかほかのLCCに乗っても座席指定や食事をはじめこのようなオプションは快適に機内で過ごせると思えば躊躇せずオーダーする。
離陸後1時間弱で機体が四国沖にさしかかるころ、機内食がサーブされた。
ちなみに、この機材のテーブルは窓側のシートコントローラーの下から引き出すようになっている。
機内食は20種類くらいがジップエアのウェブサイトには載っているが、自分が事前に申し込んでいた「プレミアムパック」で追加料金不要でオーダーできるのはたったの4種類だ。
今回はベジタブルペンネをオーダーした。
パッケージには「6種類の野菜を使ったコクのあるトマトソースをペンネと絡めています。ムスリムの方のみならずベジタリアンやヴィ―ガンの方にもお召し上がりいただけます」と書かれていた。
自分はムスリムでもベジタリアンやヴィ―ガンでもなく、追加料金不要の4種類のメニューで唯一食べたことがなかったのがこれだったのでオーダーしたのだが。
個人的には、これまで食べた4種類の中では一番おいしかった。
もう次からは、これにワインでいいかもしれない。
本当なら食後のコーヒーといきたいところだが、以前ジップエアの機内でコーヒーをオーダーしてひどい目に遭ったので意地でも飲みたくない。
食事について来た水でがまんだ。
荷物がなかなか出て来ず一般エリアまで1時間
食事を終えシートを文字通りフルフラットにしていたらすぐに寝てしまい、目がさめると搭乗機はベトナムのダナン上空まで進んでいた。
ここまで来れば、バンコクまではあと1時間半ほどであっという間だ。
タイ上空に入りウボンラーチャタニ―を過ぎて少しすると機は徐々に高度を下げ、到着予定時刻の22時10分より20分ほど早くバンコクのスワンナプーム空港に着陸した。
前回同様、この日のフライトもイミグレーションからは最も遠いと言っても過言ではないC9ゲートに停止した。
ここからだと、コンコースCをひたすら歩き国内線乗り継ぎポイントのある角を左折してコンコースDに入ってさらに進むとようやくイミグレーションの入口が見えて来る。
動く歩道はあるが普通の人でも軽く10分以上かかり、手荷物をいっぱい持っている人やお年寄り子供連れの人にはタイに到着したのもつかの間ハードな移動を強いられる。
LCCを利用することのデメリットは、シートやサービスだけでなくこういう空港での不便さにも現われる。
エアアジアのように経費節減のためゲートに接岸せず沖止めでタラップを使って乗降機させないだけまだマシだと思うようにしよう。
自分の場合はカートが迎えに来てくれていて、それに乗っての移動となるので特に困ることはないのだが。
ファストトラック(優先)でイミグレーションもスムーズに通過し、降機から10分もかからずに預け入れ荷物の受け取りベルトに到着した。
スワンナプーム空港ではコロナ禍の影響で人員不足が続いており空港の荷物のハンドリング業務が滞ることがあるというのはニュースで知っていたが、前回はほとんど待たなかったので「今回もすぐに出て来るだろう」くらいのつもりでいたら、一向にターンテーブルが動かない。
結局30分近く待たされて、ようやく自分のスーツケースをピックアップした。
外に待っていたリムジンに乗り込み空港を出る時に時計を見たら、ここまでで降機からちょうど1時間が過ぎていた。
まあそれでもここでさらにエアポートリンク(空港鉄道)に乗ったりメータータクシーを待ったりしないで済むのだからぜいたくは言えないが。
夜遅い時間なので渋滞に巻き込まれることもなくスクムビット通りにあるホテルに到着、チェックインを済ませ部屋に入ったら時刻はもうすぐ0時になろうとしていた。
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