2024年5月22日はウィサーカブーチャー(วิสาขบูชา=仏誕節)であった。
ウィサーカブーチャー(วิสาขบูชา=仏誕節)は、タイランドハイパーリンクスによれば
陰暦6月の満月の日で、釈迦の誕生日です。ウィサーカブーチャーの日は、釈迦が生誕、大悟、入滅した仏教的に重要な意味のある日であるとされており、同日に起こった3つの奇跡へ想いを馳せ、釈迦の徳に対して礼拝するための儀式が行われています。
とのことだ。
日本ではお釈迦様の誕生日は4月8日とされ、正式には灌仏会と呼ばれるが一般的には花まつりという名で知られている。
タイではウィサーカブーチャー(仏誕節)の日は休日となり、仏教関連の祝日であるためコンビニやレストランなどではアルコールの販売が終日禁止される。
また、人によってはこの日は菜食にしたりもする。
自分はウィサーカブーチャー(仏誕節)のお参りは、毎年いつもたくさんの人でにぎわうワットチャイモンコンに行っている。
この日も朝いつもより少し早起きしてシャワーを浴び、8時少し前に寺院に着いた。
ワットチャイモンコンはチェンマイ市内中心部のピン川沿いに建ち、ナイトバザールからもほど近くピン川クルーズのボートが発着する場所としても知られている。
チャルンプラテート通り沿いに建つワットチャイモンコンの楼門は非常に立派だ。
スクーターで楼門をくぐって寺院の中に入ると、お参りに来た人たちの車やバイクで混雑していた。
そんなにたくさんの自動車が来ることを想定していないので駐車スペースとかも明確に決められていない場所が多く、そこにみんなが勝手に車を止めるので大混乱に陥っている。
こういう時はやはりスクーターのほうが都合がいい。
空いている場所に適当に止めて、まずは寺院の入口のすぐそばにある売店に向かう。
この店では放生用の小鳥や亀、魚などを売っている。
放生とは捕らえた生き物を逃がしてやることにより功徳を積む行為で、タイでは広く行われている。
この寺院はピン川に面しているので、お参りに来た人の多くが放生をする。
チェンマイを含む観光地の寺院では小鳥を餌付けしておいて人々がカゴから放してもまた戻って来るようにしつけられていたり、羽を切って遠くに飛べないようにしておいて店の人がまた捕まえて売ったりすることがあるので、「放生用の動物を買わないで」という看板が出ていることもある。
小鳥以外の動物であればそんな心配もないだろうと、自分はいつもここでは魚を買うことにしている。
魚の種類によってご利益が違うので特に願い事がある場合は特定の魚を買うのだが、自分はないのでいつも9種類の魚がミックスされてバケツに入っているものを買う。
タイでは9という数字の発音が「進む」という単語のそれと似ていることから縁起がよいとされているのでたぶん一番売れるのだろう、すでにバケツに全種類入れてあるものを手渡してくれる。
ちなみに、値段は100THB(約430JPY)だ。
バケツを持って、寺院の奥へと進んでいく。
突き当りがピン川だ。
まだ雨季も始まったばかりということもあってピン川の流れは寺院よりもかなり低いところにあり、コンクリートの階段を下りていく。
ここは常日頃からピン川に放生しに来る人がいるので、それ用の立派ないかだのようなものが作られている。
いかだの上では、大勢の人が放生をしていた。
狭い橋のようなものを渡っていかだへと移る。
いかだは幅5mに長さは20mといったところだろうか、中央に穴が開いている。
穴の一部は囲いがしてあり「小さな魚を放生する場所」と書かれている。
小さな魚をピン川に直接放すとたぶん他の魚にすべて食べられてしまうからだろう。
いかだには魚を川に放す時に唱えるお祈り文が書かれたボードが掲げられているが、さすが今どき、スマホに表示させてそれを見ながらお祈りを唱えて放生している人も多い。
もしかしたら、どこかに経文へのリンクのQRコードとかがあるのかも。
他の人に混じって、早速自分も経文を唱えながら魚をピン川に放す。
まだ朝の9時前で、頬をなでるピン川を吹き抜ける風もまだひんやりとしていて気持ちよく、いいお参り(放生)ができた。
自分的にはもうこれでウィサーカブーチャー(仏誕節)は終了なのだが、せっかくここまで来たので少し寺院の中を見て回ることにした。
まずは、本堂のご本尊にお参りだ。
この寺院は常にお参り客がいて裕福なのだろう、本堂も大変立派だ。
本堂の中は、放生のいかだよりもずっとたくさんの人がタムブン(徳積行)していた。
今まで何年ウィサーカブーチャー(仏誕節)の日にこの寺院にお参りしてるかはおぼえていないが、こんなに多いの初めてかも。
お坊さんも10人くらいが出て次から次へとサンカターン(สังฆทาน=お坊さんにあげる供物)のお盆を受け取り、人々はラップポン(รับพร=供え物をした後でお経を唱えてもらう)を受ける。
自分は普段からあまりお坊さんにはタムブンをしないので、ここでもそれはパスしてご本尊に喜捨をしてお祈りをした。
本堂のすぐ西側にあるチェディ(仏塔)はつい最近改修が行われたようで、眼にまぶしいピカピカの金色に輝いていた。
この寺院は中国系の人々に人気が高いのか、本堂の南には大きな観音様が祀られた社もある。
寺院も書き入れ時なのだろう、そのすぐ近くには屋根瓦の奉納コーナーが設置されていたり、誕生曜日の仏像(タイでは自分が生まれた曜日の仏様にお参りする習慣がある)のところにも人が出て喜捨を案内していた。
そして、人の出るところには屋台あり。
当然のことながらお参り客を当て込んだ宝くじ売りやスナック、ドリンクなどを売る店もたくさん出ていた。
チェンマイでは、ウィサーカブーチャー(仏誕節)に合わせてドーイ(山)ステープに徒歩で登って寺院にお参りするという一種の修行(?)を行う人も多い。
また、これは全国的な風習だがウィサーカブーチャー(仏誕節)の日の夜は「ウィアンティアン」と呼ばれるろうそくと蓮の花、線香の3つを持って本堂やチェディ(仏塔)の周囲を3回歩いて回る儀式を行う。
自分は、特に理由があるわけではないのだがいつも別の寺院で後日「ウィアンティアン」を行っている。
仏教国のタイでは一年を通じてさまざまな宗教行事が行われるが、ただ漫然と暮らしているだけではこうしたイベントに参加する機会はなかなか作ることができない。
居住者旅行者関係なく、もしお祭りの時にチェンマイ(タイ)にいるのだったらタイ人とかにどこがにぎわうか教えてもらって見るだけでなく実際に参加してみるといいと思う。
日本と違ってタイの寺院は閉鎖的な感じが皆無で、お参りする時も作法など細かいことをあまり気にせず済むし。
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