ピン川のほとりでクラトン(灯篭)を流し、コムローイ(熱気球)あげを見た後、最後の締めはパレードである。
ローイクラトン(灯篭流し)の期間中、市内中心部にあるターペー門広場では、毎日なにがしかのイベントが行われ、その後は広場を起点にしてパレードが街を練り歩く。
最終日はそのハイライトで、ターペー門広場で行われた美男・美女コンテストの入賞者を乗せた山車や民族衣装をまとった踊り子たちが、ターペー通りを東(普段は一方通行でこの向きには進めない)に進み、ナワラット橋西詰で左折して今度はピン川沿いを北に向ってチェンマイ市庁舎まで進んでいく。
ターペー門に近づけば近づくほど人が多くなってイヤなので、自分はナワラット橋とワローロット市場の中間ほどのそれほど人が多くない場所でパレードを見た。
通りを進むさまざまな山車(タイトル下の写真も)
山車に乗る美男美女
多くの山車の前にはスポンサーだろうか、企業などの名前が付けられており、山車の後ろをその企業の社員がお揃いのポロシャツを着て歩く姿も見られた。
山車は申請か何かをすれば誰でも出すことができるのか、法被や浴衣を着た人たちや提灯で飾った山車を引く日本人会(?)や、中国の民族衣装に身を包んだチェンマイ大学孔子学院の山車(前には中国大使館の名前が出ていた)、さらには日本のアニメ風のコスプレをした若者たちの一団が乗る山車など、色々なパレードが見られた。
山車ではなく、民族衣装を着て徒歩で練り歩く人たちもたくさんいた
布地や楽器などに詳しければ、こういうパレードもより一層楽しめるのだろうが……。
この日のパレードで一番笑ってしまったのは、小豆色のクルタとピジャマ(インドの民族衣装)に身を包み「ハレラマ ハレクリシュナ」と声を揃えて行進する20人ほどの白人集団だった。
インドに多少詳しい人なら知っているだろうが、バグワン・シュリ・ラジネージを信奉する人たちである。
大昔に住んでいたネパールのカトマンズやインドを旅行している時、あるいは日本でも吉祥寺などで見かけたことがあったのだが、この日のパレードを見るまではその存在すらすっかり忘れていた。
しかし、日本や中国の山車だけでなく、コスプレ集団やこういう人たちまでパレードに加わるのは、もはやローイクラトン(灯篭流し)とは呼べない(呼んではいけない)気もするのだが。
山車の列の向こうの空の上にはたくさんのコムローイ(熱気球)が飛んでいた
こうして3日間にわたるローイクラトン(灯篭流し)のお祭りは終わりを迎え、翌朝にはもうすっかり日常の風景がチェンマイの街には戻っていた。
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