どんなホテル?
お濠の中の旧市街、やや南東寄りに2008年12月にオープンした高級ブティックホテル。
このエリアにある同じようなホテルの中では、比較的早くから営業している部類に入る。
観光に、飲食に、買い物に……と何をするにしても抜群のロケーションの割に部屋数が少ないこともあって落ち着いた滞在ができるので、リピーターの利用も多い宿だ。
ロケーション
お濠の中の旧市街、ラーチャパーキナイ通りとラーチャマンカー通りの北西角。
ターペー門から徒歩なら、お濠の内側を走るムーンムアン通りを南に300mほど進み、右折してラーチャマンカー通りに入ってさらに約300m進んだ信号のある交差点の右斜め向かいにホテルが見える。
チェンマイ門からだと、プラポクラウ通りを北に50m行ったところにあるソイ(路地……といっても車が通れる道幅)に右折して入るとすぐにラーチャパーキナイ通りにぶつかるので左折、400mほど行くとホテルのある交差点に行きあたる。
TEL:053-279107
WEBSITE:https://villasirilanna.com/
印象的なエントランスとシンプルな造りのフロント
交差点から見ると、白い塀越しのラーンナー様式を模したこれまた白壁に木をふんだんに使った建物が非常に印象的だ。
寺院を模したような、獅子を両脇に随えた小さな階段状のエントランスを登ってホテルの中に入ると、すぐ右側にチェックインカウンターがある。
カウンターといっても部屋数が少ないのでデスクがひとつ置かれているだけで、予約していれば普通はホテルが用意している登録用紙にはすでに名前などがプリントされており、記入する個所はわずかになっている。
チェックインの手続きをしている間に、スタッフが冷たいウエルカムドリンクを持って来てくれるが、甘いメロン味のミルクのようなものとかほかのブティックホテルとはちょっと違ったものが出ることが多い。
同じグレードでも部屋によって雰囲気が違う
客室は、フロント棟の奥の3階建の建物にある。
1フロアにたった5室、全部で15室しかないが、ホテルの敷地そのものが決して広いとは言えないため、個人的な第一印象は「少々せせこましいかな」という感じだった。
客室へは、1階はロビー奥の細い廊下を通って、上階へはレストランの中を通り抜けた先にある板張りの階段を昇っていく。
ロビー左手にはプールがあるが、5m*10mあるかないかの非常に小さなものだ。
もっとも、客室数が少ないのでこれで十分と言えないこともないが……。
プールサイドの一方には、デッキチェアと食事を取ることもできる三角座布団が置かれた座敷スタイルの東屋がある。
その向かいはすぐ1階の客室の入口とテラスになっている。
人が少ないのでそれほど気にはならないだろうが、うっかりすると宿泊客とばったり視線を合わすことになるかもしれない。
このホテル、部屋数は少ないがデラックスルーム、ラグジュアリー(バルコニーやジャグジーの有無あり)、ジュニアスイート、デラックススイートとずいぶんと細かいセグメントになっている。
自分が宿泊したことがあるのはラグジュアリールームだけだが、同じグレードでも部屋によって結構雰囲気が違っていた。
2階の一番奥、ブティックホテルにしては少々薄暗い窓のない廊下の突きあたりに泊まった時は、他の部屋がタッチ式のカードキーなのに対し、この部屋だけは木製の両開きの扉にかんぬきをかけて南京錠でロックするというクラシカルなスタイルになっていた。
扉を入った正面がバスルーム、左手が寝室となっている。
室内は木をふんだんに使っており、床もベッドの上だけ高くなった天井も板張り、家具類やインテリアのカービングは他のこの手のホテルでは見たことがないくらいの深彫りで、高級感を通り越して重厚さすら感じさせる出来栄えだ。
ベッドは天蓋つきの巨大なダブルでゆうに3人は寝れそうなくらい。
寝具も肌触りが非常によいものが使われており、快適な夜を過ごすことができる。
ベッドに向かって右手には、カーペットの上に2人がけのソファを備えたラタンのリビングセットが置かれている。
宿泊初日にはテーブルにウエルカムフルーツがあったが、種類的には普通なものの量が多く、これだけで夕食がわりになってしまったほどだ。
室内には、もうひとつ窓際にも椅子があり、気分に合わせて使い分けることができる。
ベッドの向かいには、クローゼットとテレビが置かれた棚がしつらえられている。
クローゼットの中には番号ロック式の貴重品入れもついている。
コットンの部屋着と革製のサンダルもあって、スリッパでないところがブティックホテルらしくて好感が持てた。
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棚の中はミニバーと冷蔵庫、それに電気ポットとコーヒーカップ、無料のインスタントコーヒーと紅茶が用意されている。
ミニバーの中には、有料の飲食物のほかに無料のミネラルウォーターが2本入っている。
水は洗面所にも2本置かれているが、なくなった分がキチンと毎日補充されなかったのは少々残念だった。
これはバスルームのアメニティも同様で、昼間出かけて戻って来ると枕の上にチョコレートが置かれていたり、脱いで放っておいた寝間着がわりのTシャツがちゃんとたたまれていたりといったきめ細かいサービスがされていただけに、この点はぜひ改善してほしい。
客室棟は東向きに建てられており、バルコニーがついている(ない部屋もある)。
高層の建物ではないので展望はそれほどは開けていないが、それなりの広さがありチェアとテーブルも置かれていて、プールを見下ろしながらノンビリとくつろぐことができた。
バスルームは6畳をゆうに超える広さを誇る。
ジャグジー付きの大きなバスタブ、レインシャワーもついた独立したシャワーブース、さらに洗面台はダブルボウルで、1人で泊まるにはあまりにももったいなかった。
店のロゴがプリントされた白い布製の袋の中にはタイではまだ用意しているところが少ないハミガキセットやヒゲソリも入っている。
残念ながら、ヒゲソリは刃の質が悪くて全然剃れなかったが……。
ただ、ここでも綿棒やシャンプーなどが毎日キチンと補充されなかった。
シャンプーや石鹸はシャワーブースと洗面台脇の2ヶ所に置かれていているので足りなくなって困った、ということはなかったが、きれいに清掃されてタオルなどもすべて新しく揃えられているのに、シャンプーのボトルには中途半端な量が残ったまま、というのはあまり気持ちのいいものではない。
前述のミネラルウォーターと同様、基本的にはルームキーパーの問題だが、こうしたことが起きるというのは、係の仕事が終わった後に誰もそれをチェックしていないということの証なわけで、安ホテルではないのだから、その辺を完璧にしておかないとチェンマイのホテル過当競争を勝ち抜くのは難しいのではないだろうか。
朝食は3種類からチョイス
朝食は、フロントと上階への階段の間にある20畳ほどのスペースに造られたレストランか、プールサイドのテーブルと東屋で取ることができる。
レストランは、やはり狭い敷地が災いしてこの手のブティックホテルにしては少々開放感に乏しいので、できるならプールサイドがいいだろう。
しかし考えることは皆同じで、自分が宿泊中はいつもふさがっていたが……(プールサイドは全部で2席しかない)。
部屋数が少ないので料理はビュッフェではなく、アメリカン、コンチネンタル、アジアンからのチョイスとなる。
いずれも最初にオレンジジュースとホットドリンク、バスケットに盛られたクロワッサンとトーストが運ばれる。
コンチネンタルは食さなかったので詳細は不明(メニューには中身がちゃんと書かれている)だが、アメリカンの場合は選択した卵料理が、ベーコン、グリルドトマトなどとともに出される。
アジアンはカーオパット(炒飯)かカーオトム(お粥)で具材を豚肉、鶏肉、エビなどからチョイスできるようになっている。
いずれもオーダーしてから作るので、細かい注文(目玉焼きならターンオーバーかサニーサイドアップかなど)もできるし、出来立ての熱々をいただけるのはうれしい。
食事の最後には4種類のカットフルーツが出されるが、パイナップル、スイカ、パパイヤなどごく一般的なものだ。
レストランのスタッフは大変愛想がよく、パンや飲み物がなくなると「おかわりはいかがですか?」とすぐに声をかけてくれる。
フロントの女性も含めこのホテルのスタッフは皆とてもフレンドリーで質問などにも丁寧に答えてくれて、とても気持ちがよかった。
オフシーズンには激安価格での宿泊も可能
ロケーション的には、旧市街にあるのでお堀の中の主要な寺院はすべて徒歩圏内、日曜開催のラーチャダムヌン通りの歩行者天国は目と鼻の先、土曜夜のウアラーイ通りの歩行者天国にも10分とかからないなど、観光には最高だ。
先にも書いたが、部屋数は少ないものの敷地が狭いため、高級ブティックホテルとしては旧市街のコンペティターに開放感という点でかなり劣っていると言わざるを得ない。
しかし、スタッフの接遇態度(フレンドリーさ)はこれまで宿泊したこの手のホテルでは群を抜いており、気持ちのよい滞在ができるのではないだろうか(これでルームキーピングさえちゃんとしていれば完璧なのだが)。
値段も、特にオフシーズンなら日本では考えられないような安さなので、コストパフォーマンスは非常に高く、お得だと思う。
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