チェンマイに住むタイ人の間では、生活レベルの向上に伴って食品、とりわけ野菜や果物の安全性(農薬)に対する関心が近年急激に高まっており、市内のあちらこちらで「安全食品市」と銘打ったタラートナット(ตลาดนัด=定期市)が開催されている。
市内でたぶん最も有名なのは、北部の草木市場であるカムティエン市場に隣接するJJマーケットで開かれる日曜安全食品市だろう。
店数が多く雰囲気もオシャレなので自分もたびたび訪れてはいるが、「一番のお気に入りは?」と聞かれたらチェンマイ大学農学部のメーヒア・キャンパスで開催される土曜安全食品市を真っ先にあげたい。
チェンマイ西部を流れる運河に沿って走るクローンチョンプラターン通りを南に下り、第2環状道路(国道3029号線)との交差点にぶつかる700~800m手前右側にある大学キャンパスの入口から、さらに2kmほどアップダウンのある道を進んだところで市は開催されている。
市内中心部から車で行っても15分くらいかかり、かつ大通りから離れているので自前の足がない人は行くことができない。
ドーイステープの麓に広大な農地が広がっている
ちなみに、中央遠景の小山の上に白く見えるのは、観光客がチェンマイに来たら必ず行くであろうワット(寺院)・プラタート・ドーイステープよりも地元の人には人気が高いワット(寺院)・プラタート・ドーイカムだ。
このような景色を眺めるだけでも、ここに来る価値があると思う。
農地には畑やひょうたん(?)を育てる棚などがある
道路に面した農地の一角で作物を直売している
採れた作物がカゴに入れて運ばれてくると、人々がワ~ッと群がってあっという間になくなってしまう。
採れる量はそれほど多くないので、タイミングが悪いと何も買うことができない。
が、何も買えなかったとしてもガッカリする必要はない。
道路の反対側に、もうひとつ市が立っているのだ
「もうひとつ」と言うか、こっちのほうがメインかも。
規模からしたら、JJマーケットの日曜安全食品市の1/10もないだろうが、売り手も買い手もノンビリとしていてヘンに気取ったところがなく、雰囲気はこちらのほうがずっと好きだな。
色形はよくないが安心して食べられるバナナ
バナナには普段からものすごい量の農薬が使われているらしく、お隣の国ラオスでは中国人経営のバナナ園があまりに大量の農薬を使うため土壌汚染が進み、住民に健康被害が出るようになってしまい中国人によるバナナ農園経営が法律で禁止されたというから恐ろしい。
中国人のことだから、法律で禁止されたとしてもそんなのはお構いなしなのだろうが。
自分はバナナが大好物で常に自宅に切らさず置くほどなのだが、買う時にはここやJJマーケットの日曜安全食品市、ステープ通りのロイヤルプロジェクトショップ隣接の野菜・果物店以外では買わないようにしている。
さて、自分がここに来る一番のお目当てはブランチの買い出しだ。
こんな感じのおかず屋や料理を売る店が何軒か出ているので、一巡してから気に入ったものを購入する。
この日はこちらで調達
規模が小さいので、全部見て回っても2~3分で済むもの助かる。
メインの建物(東屋)の脇ではチェンマイ大学農学部の学生が店を出している
定期市の一角にある別の東屋ではすぐに飲食も可能だ
ドーイ(山)ステープや周囲の農地をながめながらの食事は、さぞかし気持ちがいいだろう。
が、自分とカミさんは家にお持ち帰りでゆっくり食べる派だ。
この日のブランチはこんな感じ
ラープクア・ムー(豚肉の北タイ風唐辛子ハーブ和え)
ラープクア(ลาบคั่ว)は北タイ式のラープで、もともとは結婚式や新築祝いなどのハレの日の特別な料理として食べられていたものだが、今ではちょっとしたおかず屋ならたいてい売っている、コンムアン(คนเมือง=都人=チェンマイ人)にとっては日常食のひとつだ。
ゲーン・リアン(野菜の南部タイ風発酵海老味噌スープ)
発酵海老味噌(ガピ)にクセがあるので好き嫌いが分かれる料理かもしれないが、しつこさがなくスパイシーなタイ料理に飽きた時には最適だ。
農学部の学生が売っていた卵焼き
にんじんのみじん切りが入って、コショウでうっすらと味付けされたやさしい味だった。
ご飯はカーオクローン・ホームマリ(ジャスミン米の玄米)
チェンマイに限らず、タイではおかずを売っている場所では必ずと言っていいほど炊いたご飯も一緒に売っており、それを買ってくればすぐに食事ができるのも助かる。
普段の土曜日は自宅の本格版(モップですべての部屋のタイルの床の水拭きしたり、2か所のバスルームをデッキブラシでこするなど)の掃除の日になっていて午前中いっぱいかかるのだが、この安全食品市を訪れる日は掃除もお休みで、ブランチの後はのんびりと昼寝をしたり本を読んだり……とリラックスタイムだ。
もっとも、そのしわ寄せは日曜日に行くので、翌日は朝から掃除・洗濯と忙しいのだが(笑)
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