どんなお店?
チェンマイ市内北西郊、ワットチェットヨートの近くの広大な敷地に建つ高級北タイ料理レストラン。
以前メニューに書かれていた(今はない)説明によれば、建物はオーナーの実家があるチェンマイの北東に位置するプレー県の民家をベースデザインに約7年かけてすべてゴールデンチークの木を使って建設したものだそうで、それ自体がもはや芸術と言ってもいいくらい。
チェンマイに数あるレストランの中でも、これだけの建物の店はなかなか見当たらないだろう。
出される料理も非常に洗練されており、落ち着いてゆっくりと食事することができる。
ちなみに、建物の2階はホテルになっており宿泊も可能だ(下記参照)。
ロケーション
土地勘のない旅行者には少々わかりにくい、市内北西部のカーサローンという地区にある。
スーパーハイウェイ内回りをピン川方面から来て、ワットチェットヨートを右手に見やって少し行ったところにあるシリントン通りに左折(入口に看板あり)して入り、100mほど先の右側にある。
市内方向から来る場合は、チャーンプアック門から国道107号線をまっすぐ北上し、スーパーハイウェイと交わるクワンシン交差点の100mほど手前を左折してシリントン通りを1kmほど進むのがわかりやすいだろう。
なお、ニマーンヘミン方面からだとスーパーハイウェイをまっすぐで近そうに見えるが、右折してシリントン通りに入ることが出いないのでいったんクワンシン交差点まで行ってUターンして戻って来なければならない。
TEL:053-212516
WEBSITE:https://www.ruencomein.net
建物に入って左手の板張りの座敷がおすすめ
レストランの建物は通りから少し奥まった場所にあり、敷地内には木もたくさんはえているので、看板が出ていなければ通り過ぎてしまいそうなレストランだ。
門から敷地内に入ったところは駐車場になっており、その先の庭を抜けてエントランスをくぐったところで靴を脱いでからレストランの中に入る。
店の内部の床は板張りになっており、建物手前のテーブル席と左奥の座敷に分かれており、座敷の方は三角座布団に大きなカントーク(北タイ式のテーブル)で食事ができるようになっている。
室内は、どちらも照明から細部のインテリアに至るまで手が行き届いており、雰囲気は抜群だ。
なお建物右手奥には小さな池に面したバルコニー・スタイルのテーブル席もあるが、やはりここではぜひ母屋に入ることをおすすめする。
洗練されたエッジの効いている北タイ料理
料理は、北タイのものを中心にタイ料理全般を取り揃えており英語併記のメニューが完備されている。
以前は日本語のものもあったのだが、なくなってしまったのが残念。
これまでここで数え切れないくらい食事をしているが、何を食べてもハズレがないのがすばらしいと思う。
その中でもやはり北タイ料理がの味が群を抜いているので、頼むならそちらを中心にしよう。
個人的なおすすめは
*ラープコア・ムアンプレー……コアは「炒る」という意味。家を建てたとか結婚とかお祝いごとがあった時によく食べる北タイ風の豚肉のラープで、最近の北タイ料理レストランではどこでも置いている。それのプレー地方版
*ガイバーン・ルアンカムイン……地鶏を使った店特製のタイ風ローストチキン
*オードブル・ムアン……サイウア(チェンマイソーセージ)、ケープムー(豚皮のカリカリ揚げ)、ナムプリック・ヌム(チェンマイ唐辛子味噌)にゆでた野菜などが盛り合わせになっている。選ぶのに迷ったら、まずはこれをオーダーするとよい。
*ゲーン・ノーマイドーン……発酵したタケノコの干し魚だし北タイ風スープ。ほんのりとした発酵臭と酸味が食欲をそそる。
*ゲーン・ハーンレー……豚三枚肉のミャンマー風カレー。汁がほとんどなく、カレーという感じはあまりしない。味付けがしつこくなく素材のよさが活きている
*サイウア……チェンマイソーセージ
あたりであろうか。
一般的なタイ料理では
*カイ・ヤッサーイ……タイ風オムレツ
*トムカー・ガイ……鶏肉のショウガココナツミルクスープ
*ゲーン・リアン……野菜の南部タイ風ミントスープ
*クン・マカーム……タマリンドソースがけ大海老の素揚げ
などもなかなかいい味を出している。
どれも洗練された味ながら決して腑抜けになっておらずキチンとエッジが効いており、タイ料理に慣れ親しんでいる人もそうでない人も十分満足できるレベルだと思う。
また、この店で出されるカーオニヨウ(主食のもち米)は とても質のよい赤米の玄米が使われている。
甘みのある実においしいカーオニヨウ(もち米)なのでぜひ一緒に味わってほしい。
値段の方も、店の雰囲気からするとかなり高そうに見えるが、多くの料理が150~300THB程度でとてもリーズナブルだ。
民族衣装を身にまとった従業員のマナーやサービスもしっかりしている。
わずか3室 ホームステイ感覚のホテル
2009年に、建物の2階を改造して同名のホテル「ルアン・カムイン」がオープンした。
部屋数はたったの3室で、ここがホテルになっていることはあまり知られていないと思うが、食事に行ってオーナーの女性と雑談していた時に部屋を案内してもらったので紹介したい。
3つの客室にはそれぞれ名前(フワン・カム・スイート、フワン・ケーオ・スイート、フワン・ンガム・グランド・スイート)がつけられている。
いずれの部屋もスイートタイプだが、最上級のフワン・ンガム・グランド・スイート以外の2部屋にはバスタブがなく、シャワーのみだ。
後から改築して宿泊施設としたからだろうか。
レストランもそうだが、部屋に入るととにかく木(ゴールデンチークウッド)の質感に圧倒される。
合板を使ったり、外見だけを木にしたのでは決して感じることのできない重厚さや落ち着きがやはりこのホテル最大の魅力だろう。
部屋を裸足で歩くとそれが一番実感できるのではないだろうか。
インテリアも木製家具やセラドンなどが使われているが、全体的には部屋のつくりに比べるとかなりシンプル。
だが、実際に宿泊したらそんなことはほとんど気にならないだろう。
というか、器(建物)の存在感がすごすぎて、どんな料理(インテリア)を持って来ても霞んでしまう、といったほうが、より自分の実感に近いかもしれない。
シャワーしかない2室は、リビングルームとベッドルームが分かれた一般的なスイートルームで、それぞれが10~15畳ほどだろうか。
残る1室のフワン・ンガム・グランド・スイートは、ドーンとぶち抜きで30畳くらいいはあると思われる。
バスタブも、大人2人が楽々入れるくらい大きなジャグジーつきのものが部屋の一角にドーンと置かれている。
一応目隠しのような仕切りで囲われてはいるが、どちらかといえばオープンバスに近いイメージだ。
さらにそれだけではなく、ホームサウナまでついている。
オーナーの趣味なのかもしれないが、高級スパリゾートでも部屋にサウナがついているところなどチェンマイではほとんど見当たらないのではないだろうか。
あまりにだだっ広い部屋で、実際に宿泊したらスペースを持て余してしまいそうだ。
新婚カップルやファミリーにはいいかもしれないが。
ホテルというよりもホームステイ、それも「超」のつく豪華な家に招かれた、というつもりで泊まれば、これほどすばらしい場所はチェンマイではほかにはないのではないだろうか。
ロケーション的にも初めてのチェンマイでは少し辛いと思うが、リピーターでいつもとは違うチェンマイホテルライフを体験してみたい、などという人向けかもしれない。
ちなみに、ホテルで儲けようという気はないのか(笑)、料金は市内のちょっとしたシティホテルと大して違わない。
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