タイ人の間では有名なミシュランでも紹介された店
チェンマイ料理のレトルトなどを多数販売しているタイ人には有名な土産物店(店舗はスーパーハイウェイ沿いのサーンデク交差点近くにある)のワナサナンが経営する、郊外のパヤップ大学近くの第2環状道路(国道3029号線)沿いにあるチェンマイ郷土料理レストラン。
名前は「ラムディーティークワデーン(ลำดีตี้ขัวแดง)」という。
土産物店の経営、といっても日本によくあるような手抜き料理を出すようなことはまったくなく、純粋にチェンマイ郷土料理レストランとして見ても間違いなく料理のレベルは非常に高い。
不便なロケーションのため外国人を見かけることはほとんどないが、タイ人の間では非常に有名で特に夜は連日満席だ。
なお、星つきやピブグルマンには選出されていないものの、「ミシュランガイド2021年版」でも紹介されている。
ロケーションは悪い。自前の足は必須
店のロケーションは下記マップご覧いただければわかると思うが、市内から行く場合はサンカムペーンへと続く国道1006号線を東に進み、第2環状道路(国道3029号線)との交差点を左折して2kmほど進むと左手にパヤップ大学の敷地が見えて来るのでそれを通り越す。
するとすぐに大きな池があり道が大きくS字にカーブするその曲がり鼻のところに「V Community」という新興オフィスモールががあるのでそこに入って行くとすぐ左手だ。
グーグルマップで見ると、市内からだと国道118号線を進んで第2環状道路(国道3029号線)との交差点を右折したほうが近いように見えるが、中央分離帯がずっとあって店に入るためには結局国道1006号線との立体交差まで行ってUターンしなければならず、非常に遠回りになってしまう。
大通りの第2環状道路に面しているとはいえ公共交通機関が通るような場所ではないため、自前の交通手段があるかGrabなどで手配できる人以外が行ったら帰れなく恐れがあるので注意。
住所:345 Moo3 T.San Phranet A.Sansai
TEL:086-6883688
E-MAIL:lumdeetekhuadang@outlook.co.th
木材で覆われた外観とレトロなインテリアの店内
オフィスモールの敷地に入ったら30~40mほど進むと両脇が駐車場になった一角があり、店はその左手の壁が木で編まれたような大きな建物になる。
食事時であれば駐車場にタイ人旅行客を乗せたワンボックスカーが何台も止まっているのですぐにわかるだろう。
建物は1階がタイしゃぶのビュッフェレストランになっており、ラムディーティークワデーンへは左手のスロープを昇って行く。
上がり切った正面は出島のようになった大きな丸テーブルのあるテラス席、左手は大人数が入れるパーティールームとなっている。
右手には長い外廊下がついておりテーブルがずらりと並んでいて、季節がよければここに座ってもよい(下は大きな池になっている)が、メインのスペースは廊下の右手の室内だ。
エアコンの効いている屋内席はかなりの広さだ。
席は大人数が座れるような配置になっていることが多いが、テーブルは可動式なので少人数で行ったとしても問題はない。
床、テーブル、イスなどすべて木製で統一されており、落ち着いた空間になっている。
入口をはじめところどころにチェンマイ(タイ北部)の古い民具などがディスプレイされていたりして雰囲気を醸し出している。
メニューは写真付き、店員はチャイムで呼び出し
メニューは、一部料理は写真のついた英語併記の立派なものが用意されている。
載っている料理の種類は非常に多く、チェンマイ(北タイ)料理についてある程度知識がないと英語があったとしても注文するのはかなり苦労するかもしれない。
が、上の写真のようにおすすめ料理のページもあるし、店員は人数も多く非常によく教育されていて英語が多少できる人もいるのでゆっくり眺めていても問題はない。
料理が出てくるのは全体的に早いので、よほど店が混雑していなければ追加で料理のオーダーをしてもだいじょうぶだ。
店員を呼んだり会計をしたりする場合には、まだチェンマイ(タイ)では珍しいワイヤレスチャイムを使う。
メニューをじっくり見たい時は店員に「決まったらこれで呼ぶから」と言ってもいいし、店員によってはメニューを置いたら「決まったらこれを押してください」と言ってすぐに去っていくので都合がいい(自分はいつまでもテーブル脇に立たれるとうっとうしいので)。
料理を注文し終わったら、入口近くに置いてあるチェンマイ郷土料理には欠かせないハーブ類を取って来て待とう。
輪郭のクッキリした洗練された味。魚丸揚げはとくにおすすめ
以前からこの店の料理は洗練された上品な味のものが多かったが、最近コックが変わったのかそれに加えて輪郭がクッキリとしていてますますレベルアップしている。
チェンマイ料理ではないものの、それが一番よく表れているのが魚(プラータプティム=ティラピアの一種)の丸揚げだ。
まず使っている魚がいつも大きくてしっかりしている。
そして油の扱い方が上手なのだろう、身は中までしっかり火が通っていながらしっとりとしていて口に入れるとホクホクした触感が楽しめるのと同時にパリッと揚がった外身とのギャップがまた風味を引き立てている。
写真はプラータプティムトート・サムンプライ(プラータプティムのハーブ揚げ)という料理だが、上に乗っているハーブ類もちゃんと吟味していることがわかる質のよさで料理トータルの出来栄えをアップさせていると思う。
2人だとちょっと辛い(ほかの料理が食べられなくなる)が、4人とかならぜひオーダーしてほしい料理だ。
他の料理も何を食べてもおいしいが、個人的に特におすすめを写真とともに紹介する。
オードブル・ムアン
ナムプリックヌム(チェンマイ唐辛子味噌)、サイウア(チェンマイソーセージ)、ネーム(発酵したチェンマイ生ソーセージ)、ムーヨーントート(ベトナム風ソーセージ揚げ)、ケープムー(豚の皮のカリカリ揚げ)などの北タイ料理盛り合わせ。
代表的なチェンマイ料理がひと通り食べられるのでお得だが、量が多いのでこれも4人以上の時におすすめだ。
ネームシークロンムー・トート
街のタラート(市場)でも普通に売られていて自分は好物なのでよく買うが、それとは完成度がまったく違う。
油や揚げ方はもちろんだが、そもそもの肉質、発酵度合いなどをキチンと管理して作っているのだろう。
特にビールとつまみとしてイチオシだ。
ネーム・ピックガイ・トート(発酵した鶏手羽先揚げ)
ガイヌン・ムアン(鶏肉の唐辛子ハーブ蒸し煮)
チンルン(ネームにハーブやスパイスを混ぜて団子状にして揚げたもの)
プリックヤットサイ(辛くない大きな唐辛子に詰め物をして揚げたもの)
ラープコアムー(豚肉の北タイ式唐辛子ハーブ和え)
ソムタムマムアン・サイプラーヘン(干し魚入りマンゴーのソムタム)
エープ・プラー(魚をスパイスペーストと卵で包みバナナの葉でくるんで蒸し焼きしたもの)
ゲーン・パクワーン(青菜の春雨入り干し魚だしスープ)
ゲーン・プリー(バナナのつぼみのスープ)
チンフー・クラドゥクムー(豚骨の唐辛子ハーブスープ)
ゲーンケー・ゴップ(カエル肉のケーの花葉入りスープ)
ゲーンパクワーン・プラーヘーン(甘い青菜の春雨入り干し魚だしスープ)
トムセープ・クルアンナイムー(豚内臓の唐辛子ハーブスープ)
主食はカーオニヨウ(もち米)となるが、普通のもち米と黒もち米が用意されている。
黒もち米は穀物入りだ
季節が合えば、赤蟻の卵を試してみよう!
また、これはシーズンが限定(だいたい雨季前の5月から6月ごろ)されるのだが、カイ・モットデーン(赤蟻の卵)があればぜひ試してほしい。
カイ・モットデーン(赤蟻の卵)は少し太めの真っ白なお米を一回り大きくしたような形状で、表面は固いもののかむとプチッとはじけてトロッとした食感の中身が出てくる。
味はほとんどなく、イメージ的にはあん肝や白子といったところだろうか。
タイ人には非常に人気のある食材で、時期になるとタラート(市場)で普通に売られている。
料理としてはカイチヨウ・カイモットデーン(赤蟻の卵入りオムレツ)かゲーン・パクワーン・カイモットデーン(青菜と赤蟻の卵の薄味スープ)がおすすめだ。
カイチヨウ・カイモットデーン(赤蟻の卵入りオムレツ)
夜行くなら予約は必須
店はいつもタイ人観光客やワンボックスカーに乗って来る出張と思われる役人グループ、地元の人たちでなど非常ににぎわっており、特に夜は連日満員なので予約必須だ。
逆に昼間は空いていることが多いので、ゆっくり落ち着いて食事をしたいならランチで出かける方がいいかもしれない。
休日はなし。営業時間は10時半から22時となっている。
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