近年、タイのテレビニュースなどを見ていると毎日のように車に取りつけられたドライブレコーダーで撮影された映像が使われている。
多くの場合は交通事故、もしくは車のドライバー同士のトラブル(無理やり追い越しをかけられた、割り込まれた、あるいはクラクションを鳴らされたなどで、激高したドライバーがドライブレコーダーを装着した車のドライバーを脅したり車を傷つけたりする)の映像なのだが、それだけドライブレコーダーを取りつけている自動車が多いということなのだろう。
実際に事故の時にどのくらい役に立つのかはわからないが、先日英語のチェンマイ関連ニュースを見ていたら、在住のファラン(欧米人)が運転する自動車が中国人旅行者の運転するレンタルバイクにぶつけられたのだが、中国人はやってきた警察にウソを並べ立てて「自分は悪くない、自動車が悪い」と主張し、あきれたファランが「じゃあこれを見てみよう」と車に取りつけられたドライブレコーダーを指さしたら中国人がシュンとしてしまった、という記事が載っていた。
このニュースの真偽は定かではない(っていうか、中国人はドライブレコーダーがついていることに気が付かなかったのか?)のだが、同じようなシチュエーションが日常的にチェンマイで自動車を運転している自分にも襲ってくる可能性は十分にある。
そこで、自分も乗っている車にドライブレコーダーを装着しようとスーパーマーケットの駐車場周辺に出ている自動車用品店やLAZADAといったネット通販サイトを眺めていたのだが、どうも今ひとつピンと来ないまま時間だけが過ぎてしまい、そうこうしているうちに日本に一時帰国するタイミングが近づいて来てしまったので、「どうせなら、日本で買ってチェンマイに持って来よう」ということになった。
購入したのはトランセンド社製のドライブレコーダーだ。
トランセンド社は台湾に本社があり、SDカード、外付けハードディスク、USBメモリなどの記憶装置でよくその名を知られているが、デジタルオーディオプレーヤーやウエアラブルカメラ、そしてこのドライブレコーダーなどのAV機器も販売しているようだ。
日本では封を切らずにチェンマイに持って来て、こちらで装着する段になって初めて箱から中身を取り出した。
本体以外には、自動車のフロントガラスに装着するための圧着シールつきのホルダーとシガーソケットに挿入して電源を確保するためのコードががついているだけだ。
しかし、自分が日本で乗っている車(ドイツ車)にはもうシガーソケットが装備されていない(灰皿もない)のだが、そういう車からはどうやって電源を供給するのだろうか?
映像は、同社の主力商品である付属のマイクロSDカードに記録される。
当然、日本語の取扱説明書もついている。
といっても、基本的には車のフロントガラスの適当な場所にホルダーを貼りつけてそこにドライブレコーダーを固定し、シガーソケットに差し込んだ電源コードをレコーダーにつなげば準備は完了だ。
だが、この手のIT機器に必須の作業が待っていた。
ファームウエアなどのアップデイト作業である。
しかしながら、ドライブレコーダー本体から直接、あるいはパソコン経由で通信をしてアップデイトすることはできない。
で、どうするのかと思って取扱説明書を見たら、スマホあるいはタブレットなどのデバイスにアプリをインストールして、それ経由でドライブレコーダーをアップデイトするのだ。
まずは、デバイスにアプリをインストールする。
デバイスの画面上に、ドライブレコーダーのアプリのアイコンができた。
そして、まずはこのアプリ自体のアップデイトを行い、それが終わったらようやく本体のアップデイトだ。
まずは、製品の箱から通信用のSSIDと暗号化キーが記載されたプラスチックカードを出して、スマホなどのデバイスと一緒に持って自動車に行き、エンジンをかけてドライブレコーダーに電源を供給して起動させ、SSIDと暗号化キーを使ってデバイスと通信させる。
ドライブレコーダーのメニュー画面からファームアップデイト開始だ。
これで、完全な状態で使用可能になった。
デバイスにインストールしたアプリを利用すれば、リモコンのように使用してドライブレコーダーを操作できるほか、録画した映像をデバイス上で見たりすることもできる。
実際に自動車に装着したドライブレコーダー。
液晶画面上にはカメラのとらえた映像が常時表示される。
これで、運転中は電源さえ入っていれば万が一事故などで自動車が強い衝撃を受けた際には自動的に時間をさかのぼってマイクロSDカードに映像が記録される。
肝心の効果だが、幸いなことにドライブレコーダーをつけてから一度も事故やトラブルに遭ったことがないので、正確なところはわからない(これからも本当に使うことが来ないに越したことはない)。
だた、時々ひどいでこぼこ道やバンプ(車の速度を落とさせるために道路上に作られた起伏。チェンマイの少し細い道ではあちらこちらにある)を通過した時に警告音が鳴って「イベント記録中」という黄色い文字の表示が点滅することがあるので、万が一の時にはキチンと録画はされることだろう。
ちなみに、この記録する時の基準となる衝撃の度合いも設定画面から調節が可能だ。
ともあれドライブレコーダーがあるなしにかかわらず安全第一で、これからもチェンマイ(タイ)での運転を楽しみたい。
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