チェンマイの風景にすっかり定着した自転車
10~11年くらい前からだろうか、タイ全土で自転車ブームが沸き起こっている。
チェンマイでも、ビシッとウエアを身にまとってバイクとほとんど変わらないような値段の高級輸入スポーツ自転車でさっそうと街なかや郊外の道を走り抜けるタイ人がうじゃうじゃいる。
それに伴ってか、サイクリングを主体にした観光ツアーを扱う旅行会社がいくつも存在する。
いったいどこに行く/どこから来たのかわからないが、まったくツーリストエリアではない郊外にある自分の家の前の道も、タイ人ガイドの先導で後ろに数人の自転車にまたがった欧米系ツーリストが時たま通り過ぎるようになって、ちょっとびっくりだ。
だから、というわけではないのだが、自分も自転車に乗ることにした。
といっても、熱帯のチェンマイでそんなに自転車を乗り回したりしたらあっという間に汗だくになるし、熱射病も怖いし、第一日焼けして真っ黒になるのはイヤだし……で、せいぜい片道10分ほどのタラート(市場)まで買い物に行く程度なのだが。
だから、もちろん専用のウエアなどは着ないし、バカ高い輸入物の自転車などももちろん必要ない。
が、絶対に必要だと思っていたのが、安全のためのヘルメットだ。
かっこいいウエアに身を包んだサイクリストは、ヘルメットもまるで「ツールド***」に出場する選手がかぶるような通気性を確保した(?)網目状になった本格的なもの(名称がわからない)をかぶっているが、こちらの自転車店で見ると結構な値段がついている。
たまに安いのを見かけることもあるのだが、中国からの輸入品と思われ手に取った瞬間いかにも安っぽくて粗雑な造りであることがわかり、頭部の保護という意味からするとまったくの効果がないのではないかと思われる。
なので、今回の日本への一時帰国中に許せる範囲の価格でその辺をウロチョロするのにもヘンに浮いたりしない自転車用ヘルメットを買おうと考えていた。
ネットショップで自転車用ヘルメットなど簡単に購入することもできるが、こういう商品はやっぱり試着してみてフィットするかどうか、かぶった時の安心感はどうか、などなどを確認しないと気が済まない。
なので、用事があって都心に出た時に大きなサイクルショップをのぞいてみることにした。
日本でも自転車ブームなのはもちろん知っていたが、平日の午後なのに店はかなり混雑していた。
ヘルメットコーナーには実にさまざまなヘルメットが並んでいるが、自分のような素人はいったい何をどう選んでいいのかまったくわからない。
なので、店員さんに「こういう用途で使いたいのだが」と声をかけてみたら、何とその人は半年ほど前にプーケットで開かれたサイクリングレースに出場したとかで、当地の事情も多少わかっており、「それならば、こんなのがいいんじゃないですか」と選んでくれたのがこれ。
買ったのは Bern(バーン)のメーコン(Macon)
Bern(バーン)というブランドのメーコン(Macon)」というヘルメットだ。
自転車アクセサリーのことなどまったくわからないのだが、家に戻って日本正規代理店のサイトで調べてみたら次のように書かれていた。
安全性のみならず、ファッションのひとつとしてデザイン性とフィッティング性に優れたプロダクト展開を行っています。
また、それぞれのシーンに合わせて被る事ができ、オールシーズン快適に使用できるよう、取り外し可能なインナーも装備している点も大きなポイントです。
現在は日本人向けにアレンジされたジャパンフィットを採用したモデルも多数ラインナップされており、キッズ、レディースなど年齢やシーンに合わせてチョイスできます。
色は何種類かあったのだが、目立つ(周囲に存在を知らせる)ことも重要なのでオレンジにした
アゴにかけるベルトも調節器具や留め具を含めしっかりとしている。
ヘルメット内部の衝撃吸収材も、チェンマイで売られている中国製の安ものとは段違いのしっかりとした材質になっている。
そして、何よりも決め手になったのが、その装着感だ。
頭全体に実に心地よくフィットして、重くて首が疲れることもなく、かといって軽すぎて頼りなさげなところもない。
店員さんがその秘密を商品シールで説明してくれた。
日本人に合わせて特別に作られた「ジャパンフィット」なのだ。
箱に入れたままでもスーツケースにちょうど入る大きさで、買ったそのままチェンマイに持って帰って来た。
チェンマイでかぶってみたら……
で、これをかぶってチェンマイの自宅近くの大通りを走ってみたら……あまり見かけないデザインだからか、色のせいなのか、妙に目立つようなのだ。
たまたま信号待ちのために交差点で止まっていたところ、後からやって来たかっこいいタイ人サイクリストに「そのヘルメットはどこで買ったの?」と話しかけられてしまった。
こちらはスポーツタイプの自転車ではなく、着ているものもまったくの普段着のままなので話しかけられてかなり気恥ずかしかったのだが、とにもかくにも安全第一なのでこれからも自転車に乗る時にはかぶり続けるつもりだ。
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