チェンマイは最高厳重管理地区に指定、さらに規制強化
4月に入ってから新型コロナウイルス感染拡大の第3波に見舞われているタイ。
バンコクの歓楽街トーンローでクラスターが発生したのがきっかけで、そこで遊んで感染しチェンマイに来た人が当地のナイトスポットなどで広めたとされている。
自分が2月に日本からチェンマイに戻って来てからチェンマイ県では毎日新規感染者ゼロが続き、街なかではみんなマスクこそしているもののコロナ禍前にかなり近いの日常生活が送れていたのだが、4月だけで新規感染者3,575人(それ以前は累計わずか69人)、死者3人を数えるほどになっているのだから、いかに急拡大したかがわかる(数字は在チェンマイ日本国総領事館のサイトから)。
タイ政府、チェンマイ県ともただこれを眺めていたわけではなくさまざま対策を講じてはきたのだが、日本同様常に後手に回るかっこうで、その効果はたぶん限定的だっただろう。
そこで、4月29日にタイ政府はチェンマイをはじめとする6都県を「最高度厳格管理地域(濃赤ゾーン)」に格上げし、より一層厳しい行動規制を国民に課す「非常事態令第9条に基づく決定事項(第22号)(リンク先は同上)」を発出した。
規制はいくつもの項目にわたっているが、中でも一番生活に影響があるのは飲食店の店内での飲食禁止および営業時間を午後9時までとする点だろう。
店舗、利用者双方に大きな不便・不利益を生じさせる対策だが、外食文化が日本以上に発達しているタイ(チェンマイ)では確かに感染拡大防止という意味では効果があると判断しているのだと思う。
その新たな行動規制が課せられることとなった初日の2021年5月1日土曜日の午後、街の様子がどのくらい変わったかを見にバイク(スクーター)を走らせた。
観光客ほぼゼロのチェンマイはすでにコロナ禍以前では考えられないくらい街が静かになっていたが、この規制強化でさらに車も人も減ったように感じられる。
市内主要スポットの様子
ターペー通り
ナイトバザールと並んで市内で最も歴史の古いツーリストスポットであるこの通りも閑散としている。
通りの突き当りにほんの少しだけ顔をのぞかせているのがターペー門だ。
ターペー門前広場
コロナ禍以前は、観光客で常ににぎわっていた場所も今はこの通り。
周辺の店舗も営業していないところが多かった。
ニマーンヘミン通り
ガイドブックには「チェンマイの青山通り」と紹介されていることもある、街でたぶん一番オシャレなエリア。
新興開発地区で特に中国人旅行者に人気が高かった場所だが、地元の人も来にくくなっただろう。
他に比べても飲食店比率が高く、すぐ近くにはクラスター発生源となったクラブもあったりするので、影響はより大きいように感じた。
ワローロット市場前
新型コロナウイルス感染拡大の場として、しばしばタラート(市場)の名が取りざたされていることから人出はすでに減っていたが……目立つのは客待ちのトゥクトゥクやソンテウ(乗り合いピックアップトラック)ばかりだった。
旧市街:ラーチャダムヌン通り
お濠の中の旧市街を、ターペー門からワット(寺院)・プラシンへと東西に貫くメイン通り。
中央遠景に茶色に小さく見えているのがターペー門だ。
このあたりも、コロナ禍以前なら観光客大勢行き来していたが今は閑散としている。
もっとも、タイ人がそれほど多い場所ではないので今回の規制の影響は限定的かもしれないが。
チャーンクラーン通り(ナイトバザール)
夜になると歩道に露店がずらりとならび、人がすれ違うのが困難になるくらい混みあうこともあるナイトバザールが開かれるチャーンクラーン通り。
日中はもともとそんなに人の出る場所ではないが、それにしても少なすぎる。
ローイクロ通り
ファラン(欧米人)相手のバーなどが夜になる明かりを灯す通りで、昼間はもともとそれほど人は多くないが、それにしても静かだ。
この周辺にあるホテルやゲストハウスは、観光客がほぼゼロなのですでに扉を閉めて完全に休業しているところが多い。
マヒドン通り
東隣の街サンカムペーンとチェンマイ空港とを結ぶバイパス的道路。
空港手前にはエアポートプラザという大きなショッピングセンターがあることから、普段の土曜日のこの時間ならそこに向かう車で渋滞が激しい道だがご覧の通り。
シャッターを閉ざした店、売り・貸しの看板が目立つ
自分はチェンマイの郊外に住んでおりツーリストエリアをはじめ街なかに出ることは頻繁ではないし、自動車やバイク運転に気を取られているのであまりじっくり周囲を見回すこともない。
が、今回の規制強化を受けて改めて街を回ってみて、一時的な閉店なのかそれともつぶれてしまったのかわからないがシャッターを閉ざした店舗、「売ります・貸します」の看板を掲げている店舗がいかに多いかがわかった。
コロナ禍以前のにぎわいを知る自分はどうにもやるせない気持ちでいっぱいになるが、何とか乗り越えてほしいと願うばかりだ。
番外編:ラムプーン県との県境は???
上記の通りチェンマイ県は5月1日「最高度厳格管理地域(濃赤ゾーン)」に格上げ、規制強化が図られたが、南隣のラムプーン県は「最高度管理地域(赤ゾーン)」とレベルが異なる。
ニュースサイトを見ていると県境で検問や指定の書類の提出を求める県もあり異なる県の間の移動も困難になっているようだが、当地ではどうなのだろうか。
最後に、ヤーン(インドゴム)の巨木の並木が続く国道106号線(チェンマイ・ラムプーン街道)を下ってチェンマイ県とラムプーン県の県境に行ってみた。
ほかの場所と同様交通量が極端に減っている以外は、普段とまったく変わりがなかった。
チェンマイ・ラムプーンの県境と一口に言っても自分が思いつくだけでも10カ所以上あり、ラムプーンの工業団地で働くが住んでいるのはチェンマイ県、というような人は日本人を含め相当な数にのぼるだろうから、他県のように検問を行ったりや書類の提出を求めるなどというのは現実的ではないのだろう。
コメント