どんなお店?
ナイトバザールからまっすぐ南に行った先にある、潮州(中華)料理の有名レストラン。
もともとは同じ通りのずっとナイトバザールに近い、現在はシャングリラ・ホテルがドーンと建つあたりにちょっと大きめの安レストラン、というような雰囲気でで営業していたのが、そこで人気を博して大儲けした資金をもとに現在地に新たに店を構えたらしい。
その割には中国(潮州)人の経営らしく店内はお金をかけた感じはまったくないが(笑)、料理の味は間違いない。
ロケーション
上記の通り、ナイトバザールのあるチャーンクラーン通りをシードーンチャイ通りとの交差点からだと2kmほど行った左手。
同通りをひたすらまっすぐ進んで来ると右手にパークホテルがあるが、それを通り越したら割とすぐの通りの反対側になる。
メンラーイ橋東詰からだと、橋を渡ってまっすぐ伸びる細い道を進めばレストランの脇に出ることができる。
店構えはそれほど目立たないが、「潮州上好飯店」という漢字が書かれた看板と店の上の壁に取り付けられた大きな店主のおじさんの似顔絵が目印になるだろう(タイトル下の写真)。
円卓中心で、VIPルームもある店内
店の外観はいたってシンプル。
白い壁に中がよく見えるよう通りに面した部分は大きなガラス張りになっている。
店内もこれまた非常にシンプルだが、おそらく建物の形状のせいだろう、内部は複雑に入り組んでいる。
まず、ドアを開けて入ったすぐのところには円卓が10ほど置かれている。
その奥、階段を4~5段上がったところにも同じく円卓が置かれているが、その全貌は手前のフロアからは見えず、階段を登ると左に広いスペースが見えてきて、そちらに席が広がっている。
この奥のエリア右手には厨房があり、ガラス張りなので調理風景をながめることもできる。
さらに2階には、自分は入ったことはないのだか、VIPルームも用意されているとのことなので、大人数の時などは予約をしてそちらを利用するとよいだろう。
タイ料理もあるが、やはりおすすめは潮州料理
メニューはタイ語、英語、中国語で書かれているが、写真はついていない。
Recommend、Fried Food、Spicy Soup、Soup、Spicy Salad、Prawn、Sliced Fish、Squid、Crab、Pork、Crispy Pork、Chiken、Vegetableに分かれているのだが、これを読んでいてもすでにわかりにくいと感じてしまうのではないだろうか。
実際、調理法と素材が混在して分類されている上に、載っている料理がかなりの数にのぼるため、いったい何を頼んだらいいかかなり戸惑ってしまうが、日本人の場合は漢字(簡体字だが)を見るのが一番理解しやすいだろう。
じっくり選びたいなら、混んでいる時間帯を避けて行くのもいいアイディアだ。
店は典型的な中国人の家族経営で、キッチンは看板やメニューのイラストにもなっている創業者のおじさん(なぜか、いつ行っても安っぽい白の襟なしシャツにステテコのようないでたちだ)とその息子さんがキッチンを取り仕切り、娘さんか息子の奥さんと思われる女性がフロアを担当している。
特に愛想がよいというわけではないが、忙しくなければこちらの質問にも割と丁寧に答えてくれる。
タイ語以外が通じるかは未確認だが、何となく中国語(潮州語?)は通じそうな雰囲気はある。
料理の値段はだいたい200~300Bが中心といったところ。店のおすすめ料理でも最高で500Bくらいで、日本でこうした料理を食べることを考えたら激安といってもいいだろう。
料理のレベルは非常に高い。
特に油の使い方に秀でており、揚げものや炒めものの仕上がり具合は脂っこさをまったく感じさせず、スッキリ・サッパリとしている。
自分は大人数で行ったことがなく、まだ食べたことがないので実際のところはわからないのだが、ほとんどの客たちが魚の丸揚げを頼んでいるのが、何よりのその証しといえるだろう。
自分の好物のホーイチョー(蟹肉の湯葉巻き揚げ)も、表面の湯葉はパリパリッと香ばしく、中の蟹肉はしっとりとしているが決してベチャッとしておらず、その腕前にはいつも感心させられる。
どの料理も味付けが全体的に薄く、素材の風味を生かすことに注力しているように思う。
その代表格とも言えるのが、ノークガチョーク・パット・プリックタイダム(ダチョウ肉の黒コショウ炒め)だ。
ダチョウの肉は日本ではあまり一般的ではないがタイでは割とポピュラーな食材で、脂身がほとんどなくヘルシーな食材として好まれているが、淡白な風味の肉だからこそ料理人の腕前が試されるとも言える。
この店では、青菜に加え少量のあまり辛くない赤唐辛子と黒コショウで味付けをしているのだが、あっさりとした肉にシャープな黒コショウ風味が実によくマッチしており、いつ食べても感心させられる。
個人的なこの店一番のおすすめのトムチュート・プラトート(魚の素揚げの中華風すましスープ)は、上記2つのよい点を組み合わせたような料理だ。
ほんのりとハーブが効いた、クリアだがおそらくさまざまな材料を使い非常に手をかけて取った薄味のスープに、なぜかスープに入っているのに衣が水分を吸っておらず、しっかりと食感を保ったままのスズキの切り身を揚げたものが入っている。
この料理だけを食べに店に来る価値がある、といっても過言ではない(そう言えるだけの料理に出会えることはめったにあるものではない)と思える、ほれぼれとする完成度だ。
また、この店はカーオパット(炒飯)がおいしいことでも有名らしいのだが、他の多くの店とは異なり砕き米を使っているようで、非常に粒が小さく、しっとりとした仕上がりになっている。
これはおそらく好き嫌いが分かれそうな気がするが、自分としてはカーオパット(炒飯)だけを比較するならば、ティパロット(味露飯店)に軍配を上げたい。
中華料理なので、ある程度の人数がいるほうがよい
客のほとんどは裕福そうな中国人系の大人数のグループで、自分のように2~3人というのはあまり見かけない。
やはり中華料理なので、ある程度の人数で色々な料理をワイワイガヤガヤとつまむ、というほうが、このレストランを楽しむことができるのだろう。
ナイトバザールから歩いて来ると30分くらいはかかるので往復徒歩は辛いが、帰りは腹ごなしにブラブラ歩いてもいいくらいの距離ではある。
このあたりのチャーンクラーン通りは夜でも交通量が比較的ありトゥクトゥクやソンテウも割と簡単につかまるので、旅行者にも利用しやすいおすすめの中華レストランだ。
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