先週の金曜日は陰暦8月15日の満月にあたり、タイではアーサーラハブーチャー(三宝節)という仏教の祝日であった。
アーサーラハブーチャー(三宝節)とは、仏陀が初めて説教を行い(初転法輪)最初の子弟ができた日で、これにより「仏・法・僧(三宝)」が揃ったということで、人々はそれを祝って寺院にお詣りに行く。
この三宝は、すなわち悟りを得た仏陀がいたとしてもその教えである法がなければ、そして仏と法が存在したとしてもそれを聞きさらに広めていく僧(修行する出家者)がいなければ教義を伝えていくことができないということで、仏教を構成する最も基本的な要素と考えられている。
ちなみに、タイで寺院などにお詣りに行くと人々が仏像の前にひれ伏して3回地面に頭をつけるようにしてお祈りをしているのを見かけることがあるが、この「仏・法・僧」に祈りを捧げるという意味がある。
この日は多くの人々が朝早くから寺院にお詣りに行くが、ここチェンマイではタイヤイ(シャン族)が特にこのアーサーラハブーチャー(三宝節)を盛大に祝うので、自分は毎年市内中心部のお濠の外側北東角(チェーンシープーム=シープーム砦)近くにあるタイヤイ(シャン族)寺院のワット・パーパオに行くことにしており、今年も出かけたのだった。
タイヤイ(シャン族)様式の山門
寺院前には交通整理の警官まで出ている
寺院入口近くにはお供え物を売る店が並んでいる
寺院の中に入った右正面に、背の低い塀に囲まれたチェディ(仏塔)がある。
門は崩れて少し傾いている
仏塔前では民族衣装の女性たちが記念撮影
境内左手の本堂(奥の赤い屋根)へと向かう
天気が悪かったせいか参拝客は少なめ
タイヤイ(シャン族)顔(?)のご本尊
ご本尊の前にはお坊さんが何人も並んでいるので、その前に持って来たサンカターン(สังฆทาน=お坊さんに捧げる供物)を置いてからラップポン(รับพร=お経を唱えてもらう。直訳は「祝福を受ける」)する。
お詣り自体はあっという間に終了してしまうが、本堂の中は次から次へと人がやって来てぜんぜん落ち着かないため長居はできない。
が、アーサーラハブーチャー(三宝節)の日は本堂の周りにズラリと露店が出て、これが普通のコンムアン(チェンマイ人)の露店とはまたぜんぜん違った雰囲気なので見ていて楽しい。
寺院内以上に人が出ている
【動画】本堂の周囲の露店の間を散策する
食べものや民族衣装を売る店が多い
一番手前の白いのは、タイヤイ(シャン族)のなれずしだ。
お茶(手前の茶色の袋)を売る店
ちなみに、ミャンマーのシャン州はお茶どころとして知られており、ヤンゴンやマンダレーなど大都市のスーパーマーケットとかに行くとたくさんの種類が売られている。
雲南など広い地域で食べられている唐辛子まみれの漬物
チェンマイのカオソーイ屋でも、ただのパッカードーン(高菜漬け)ではなくこちらの唐辛子漬けを出す店は多い。
その場でタイヤイ(シャン族)料理が食べられ食堂も出ている
ここに来ているタイヤイ(シャン族)の多くはミャンマーからの出稼ぎで普段はとても質素な生活をしていることが多く、このような場所で食事をすることも立派な娯楽のひとつだ。
タイヤイ(シャン族)の民族衣装店
上下セットで1,000THB以上する。
出稼ぎでタイ政府が定めた最低賃金以下で働いていることも多い彼らにとっては決して安くない。
昔懐かしい射的屋台
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