チェンマイで暮らしていると「道を歩く」ということがほとんどない。
暑いとか路面の状態が悪いということもあるが、それ以上に特に自分が住んでいるような郊外では犬が多くて見知らぬ人が道を歩いているとわざわざ家から出てきて襲いかからんとするばかりに吠えたててくるのがイヤだ。
特に今年のタイは狂犬病が流行しているそうで死者も多く出ている(狂犬病は発病したら死亡率100%)ので、万が一噛まれたりしたらシャレにならない。
で、必然的に自動車かバイクに乗ることになるのだが、そうすると運転に集中しなければならないため意外に周囲の風景に眼が行っていない。
いや、もしかしたら見ているのかもしれないが、まったく頭に入らない、といったほうが正確だろうか。
なので、カミさんが車の助手席やバイクの後ろに乗っている時に「あら、あそこにあんな店ができたのね」とか言って初めてそこに店があることに気がつく、なんてこともたびたびだ。
そんなある日、またま洗車屋に車を持って行き、洗い終わるまで1時間ほどかかるというので近くのカフェでコーヒーでも飲んで時間をつぶそうと思い珍しく通りを歩いていたら(といっても100mほどだが)面白いものを見つけてしまった。
家の前に置かれた大きな鉢植えだ。
最初は、鉢が右に傾いているのに気がついて「雨季になってあっという間に枝葉が生い茂って重くなり、それで傾いちゃったのかなあ」とか思っていたのだが、よく見ると上に何かが乗っかっている。
金属でできた水切りボウルのようなものの中に、箸やスプーン、フォーク、レンゲ、おたまなどが入っている。
どうやら、食器類を乾かしているようだ。
陽もよく当たるし、木の枝葉がしっかり張っているのでクッションのようになり、少し沈めて置けば多少風が吹いたくらいでは簡単に落ちたりもしなさそうだ。
まさに「全自然」食器乾燥機だ(笑)
カフェでコーヒーを飲んで洗車屋に戻る時にはもうなかったので、たぶん熱帯の太陽の力であっという間に乾いてしまったのだろう。
誰が置いたのか知らないけれど「よく思いつくな~」と感心してしまった。
日ごろ歩くことがないチェンマイの道をたまに歩くと、おもしろい景色を目にするものだと改めて感じた一日であった。
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