降機後すぐにMySOSのチェックで振り分け
午後3時のフライトでチェンマイからバンコクへ移動、タイ国際航空TG642便に乗り継いで翌日の日本時間の朝8時に成田空港に着いた。
すぐに、降機して入国手続きとばかり思っていたら「検疫場所が混雑しているのでそのまま機内で待機せよ」とのアナウンスがあって15分ほどを過ごした後にようやく成田空港に入ることができた。
ほぼ1年前の2021年6月に一時帰国した時は、先導役の空港職員がいてその後ろについて搭乗客全員(といってもたった11人)が検疫手続きに向かい、強制隔離のホテルへと移動した。
が、今回は搭乗客も多いからだろう、何の案内もなく普通にコンコースへと進んだ。
ほんの50mほど進んだだろうか、職員が立っていてMySOSアプリを使った事前登録を済ませている(=ファストトラック対象者)かどうかを確認した。
ここで、その有無によって進む方向(動く歩道の右側か左側か)を振り分けているようだ。
自分の時は事前にスマホのSIMを日本のものに入れ替えるとともに降機直後に空港の「FreeWiFi-NARITA」に接続しておいたので何の問題もなくMySOSアプリを開くことができたのだが、もたもたしているとここでつまづいてしまうかもしれない。
第4サテライトまでひたすら歩く
1年前もそうだったのだが、ここからコンコースをひたすら歩く。
この入国前の検疫手続き「すごろく」のあがりは、抗原検査結果受け取りなのだが検査会場はターミナルの出島のようになった第4サテライトにあり、そこまでは動く歩道を一切使えない。
なので、例えば手荷物が多い、足が悪い、お子さん連れなどの方にとってはかなり辛い移動になると思う。
相変わらず紙と人間による手続きばかり
抗原検査が行われる第4サテライトに着くまで2~3回のチェックがある。
一番最初のポイントではスタッフからMySOSの画面のほか搭乗券を出すように言われ、「チェックシート」と書かれた紙を渡される。
以降それぞれのチェックポイントには必ず人がいて、MySOSの画面ではなくことごとくこの「チェックシート」をパスポートとともに見せるよう言われる。
カウンターに座っている職員の人数は少なく、いちいち手作業と目視で何かを確認しているものだから、ちょっとでも入国者が重なるとすぐに行列ができてしまいイライラする。
いったい、MySOSでの事前登録は何のためだったのだろうか?
自分はタイ(スワンナプーム空港)での入国を勝手にイメージして、MySOSの画面が緑色に変わっていれば後は抗原検査をするだけだと思っていたのだが、どうやらそうではないようだ。
複数個所のカウンターでそれぞれいったい何をしているのかわからないが、まったくファストではないし、これではMySOSでの事前登録の意味がないのではないだろうか。
抗原検査結果待ちは1時間。ファストトラックだからこれで済んだ?
MySOSアプリを使い事前登録を済ませファストトラックを使ってもこの有様なのだから、おそらく使わずに日本に入国する人たちはさらに不便を強いられるのだろう。
以前ニュースサイトでファストトラックを使わずに入国したら6時間かかったというのを見たことがあるが、それもあながちオーバーではないと思わせる光景を目にする機会があった。
それは抗原検査の結果待ちの場所だ。
上記の通り複数個所での紙と人によるチェックを終え抗原検査会場で唾液の採取を終えて結果が出るまでの待機場所(第4サテライトの端の広くなった部分を流用)に着くと、そこは自分のようなファストトラック利用者とそうでない人の待合場所が隣り合っていた。
自分がここに着いた時に待機場所のイスに座っていたのは、おそらく30人くらいだろう。
ところがビックリ、ファストトラックを利用していない人たちの待機場所には少なく見積もっても200人以上が座っていた。
写真の右奥の狭くなった部分にまでイスが置かれ、人が座っていた。
今回自分の番号(検査結果が陰性だった人のみ番号がアナウンスされる)が呼び上げられるまでおよそ1時間かかったが、ファストトラックを利用していなければどのくらいの時間がかかったのだろうか。
番号が呼び上げられたら階段を登って上階に行き、1年前とまったく同じ「陰性」とスタンプが押されたピンクの紙を受け取る。
これで、手続きはすべて終了だ。
再びひたすら歩いて入国・通関
ピンクの紙を受け取ったら、第4サテライトから平時と同じ入国手続きと通関をするため再びコンコースをひたすら歩く。
今度は中央にある動く歩道を使って移動するので、往路よりは多少楽だが。
平時でも通過する検疫カウンターで先ほど受け取ったピンクの紙を見せて入国手続きへ。
自分は自動化ゲートの登録を済ませているのだが1年前と同様閉鎖。
顔認証ゲートで入国手続きを済ませ、近くのカウンターで入国スタンプをパスポートに押してもらって預け入れ荷物を受け取るためにターンテーブルへ向かう。
当然のことながら荷物はすべて出終わっており、ビジネスクラスの乗客が預けた荷物だけはエコノミークラスの客のものとは別の場所にまとめて置かれていたのでそこから自分の荷物をピックアップ、税関検査を受けて一般エリアへとようやく出ることができた。
腕時計を見ると降機からここまでほぼ2時間。
昨年もおよそ2時間だったので、MySOSアプリで事前登録を済ませファストトラックを利用しても所要時間はまったく変わらなかったことになる。
もっとも、1年前とは入国する人数がまったく違うので一概に比較はできないが。
昨年はここから強制隔離ホテルに向かい3日間を過ごしたが、今回は自宅待機になるので迎えに来てくれていたカミさんと落ち合って駐車場に向かった。
自主隔離中は位置確認とビデオ通話でチェック
自分はワクチン2回のみ接種で3回目は帰国後すぐに接種するべく予約を入れていたため、成田空港を出ると自宅での7日間の自主隔離に入った。
成田空港で入国手続きをするまでは緑色だったMySOSの画面は、いつの間にか赤色に変わり表示内容も別のものになっていた。
1年前はたびたび「位置情報を報告せよ」というプッシュアップ通知が来てそのたびにアプリをタップ、またそれとは別にビデオ電話がかかってきてオペレーターと会話して「今自宅(申告した隔離場所)にいるか」などを報告していた。
が、おそらく非常に評判が悪かったのだろう(自分もブチ切れて途中でビデオ通話を切ったことがあった)改善されており、プッシュ通知は1日2回程度、ビデオ通話は会話がなくアプリの画面に表示されたシルエットの点線に合わせて自分の顔を30秒ほど映すだけに変わっていた。
まあ、そんな小手先の対策を講じても、スマホを家に置いて出かけることはいくらでもできるし実効性がないことにはほとんど変わりないだろうが。
自主検査で自宅での7日隔離を3日に短縮
今回のチェンマイ滞在中にブースター接種を受けて、日本入国後に隔離なしでの自由行動を可能にする機会はいくらでもあった。
それをしなかったのは、タイでの3回目接種を日本の接種証明書に反映できないから。
タイの3回目証明書への日本の2回接種の転記もできないので、2通の接種証明書で3回のワクチン接種を証明することになる。
この「合わせ技1本」的なやり方が今後世界各地を旅する時に通用する保証もないのでチェンマイ(タイ)での接種を見送ったのだが、現在タイ入国に必要な「タイランドパス」もアップロードできる書面ファイル(QRコード)も1点だけなので、この選択はおそらく正しかったのだと思う。
チェンマイで3回目接種をしなかったもうひとつの理由は、7日間の自主隔離は3日目に自費でPCR検査を受け陰性結果証明書を提出すれば短縮可能だったから。
これは、厚生労働省のサイトに記載されている検査実施機関で検査し、陰性結果の書面をMySOSアプリからアップロードし、承認されれば自主隔離終了になるというもの。
自分は、家の近くにある検査を実施している医療機関で隔離3日目(日本入国初日は0日目とカウントするので実際は4日目)の朝に検査を受け、昼過ぎに陰性証明をメールで受け取りそれをアップロードした。
隔離期間短縮の手続きはまったく難しくなく、唯一気をつけなければならないのは検査を厚生労働省の指定機関で受けなければならないことくらいだろうか(申請画面に検査機関選択のプルダウンメニューがある)。
申請が承認されると、MySOSアプリからプッシュ通知が届く。
自分の場合は、申請後3時間ほどで承認通知が届いた。
画面には「明日朝8時」と書いてあるが、実際にはこの通知が届いた時点で隔離は終了と理解していいだろう。
自分は別に用事もなかったので、そのまま翌朝まで自宅にいたが。
翌朝8時を過ぎると、MySOSのトップ画面は日本入国者用のものから一般用のものに変わっていた。
これで晴れて100%自由の身なので、MySOSのアプリをアンインストールだ。
おそらく今後はどんどん規制が緩和され、タイ入国も日本入国もやらなければならないことはどんどん減っていくだろう。
自分も、こういう面倒くさいことをまたやりたいとはまったく思わないが、1年前の2週間のホテル強制&自宅自主隔離も今となっていはいい思い出だし、今回の一連の出来事もすぐに懐かしく思い出すことになるのだろう。
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