白髪を染めるため、バイクに乗って市内中心部近くのいつも行っている美容室に出かけた。
美容室、といっても東京で行っているようなオシャレな雰囲気ではなく(高級ショッピングモールなどに行けばチェンマイにも東京並の店がないわけでない)、アパートの1階にテナントとして入っている8畳ほどの小さな店だ。
主にアパートの住人の女性がシャンプーセットで使っているので、店内にハサミらしきものを見たことがなく、シャンプー台から出てくるのは冷水のみ……というような店だ。
そのかわり、と言っては何だが、白髪染めの薬剤は持ち込みで料金は150THB(約520JPY)と格安で、自分でやるのがまったくバカらしくなってしまうような値段である。
この日も、いつものように染めを終え店を出たら、前に1台のバイクが止まっていた。
フルーツ売りの移動屋台だ。
バイクにつけたサイドカーに、アルミフレームにガラスをはめたケースを乗せ、その中にフルーツを氷とともに入れてある。
このアルミとガラスでできたケースは、フルーツだけでなく串に刺したルークチン(つみれ)を揚げて売る店やソムタム(青パパイヤのタイ風サラダ)売りの店など至るところで利用されている。
おそらく、ある程度の保冷性があるのに加え、値段が安いのだろう。
お客が来て希望のものを言うと上の扉を開けてフルーツを取り出し、ケースとバイク本体の間に置いてあるまな板(写真ではバイクにまたがった女性の左手の下)に置いて包丁でトントンと切ってからビニール袋に入れ、手渡してくれる。
ちょうど小腹が減ったタイミングでもあったので、早速買うことにした。
買ったのは、パパイヤ(マラコー=มะละกอ)とドラゴンフルーツ(ケーウマンコン=แก้วมังกร)だ。
ビニール袋の口を木の串で刺してとめるのはフルーツ売りでは定番のやり方で、お客はこれをはずして中のフルーツを突いて食べるようになっている。
シンプルだが、なかなか機能的なやり方だと思う。
特に量は指定しなかったのだが、これで1袋10THB(約35JPY)。
タラート(市場)でも同じように切ったフルーツを売っている店はあるが、その倍は入っている。
とりあえず、空腹を満たすため双方1/3づつくらいを食べて残りは再びビニール袋の口を串でとめて自宅に持って帰ったのだが、しばらくして残りを食べたらお腹がいっぱいになってしまい結局夕食は抜いてしまった。
パパイヤとドラゴンフルーツだけで食事を済ます、なんてことは、値段が高い日本ではなかなかできるものではない。
熱帯のチェンマイ(タイ)暮らしならではの特権(?)と言えるかもしれないぞ。
空港送迎からタイ各地のアクティビティまで予約できる
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