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【台湾旅行】歴史的建築と海鮮料理をいっぺんに楽しめる台北近郊の日帰り観光スポット「淡水」

台湾の首都台北の近郊の海沿いにある街、淡水 台湾の旅
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この記事は旧サイトにアップしていたのを改訂・移設したものです

台北から1時間の海沿いの街、淡水へ

日本同様海に囲まれた国である台湾を旅する時は、どこに行っても海鮮料理を食べるのがが楽しみのひとつだ。

自分とカミさんが台北に滞在する時は、基隆に行くことが多い。

港町で小吃が建ち並ぶ屋台街が有名だが、バスで20分も行くといくつかの小さな漁港があり、水揚げされた魚をその場で調理してくれるレストランを併設していてお腹いっぱい海鮮を食べることができる。

が、いつもいつも同じところでは面白みがないということで、今回はまだ行ったことがなかった淡水に行ってみることにした。

淡水は台北の北およそ30kmのところにあり、wikipedeiaによれば、

風光明媚な土地として知られ台湾八景の一つに数えられ「東方のベニス」と称され、現在でも淡水河の落日は台北地区を代表する風景となっている。
(中略)
戦後、紅毛城など歴史的観光資源を多数持つ淡水は次第に観光地へと変貌していった。特に台北捷運淡水線の開通により淡水方面へのアクセスが劇的に向上した後は、台北市民が気軽に出かけられる観光地として栄えるようになった。

とのことだ。

メインの目的は海鮮料理だが調べてみると歴史的建築物もあり、また夕日の美しさが有名とのことなので、午前中は泊っているホテルで洗濯(最上階に無料の洗濯機が置いてあった)などをして、午後から淡水へと向かった。

台北からの日帰り客でにぎわう街の風景

今回泊っていたホテルのある板橋は台北の街をはさんでまるっきり反対側と言ってよいロケーションだが、そこからでもMRT(地下鉄)の板南線で台北車站まで行き淡水信義線に乗り換えれば1時間もかからずに着く。

淡水信義線は途中からは地上に出て淡水河のすぐ脇をず~っと走っていくのだが、川岸にはマングローブがびっしりと生えていたりして、徐々に気分が盛り上がって来る。

終点の淡水駅で降りると、日曜日ということもあって駅前の広場のようになった場所はたくさんの人でにぎわっていた。

とりあえず、まずは街の中を少し歩いてみようということで、人の流れについていってみた。

台湾の首都台北近郊にある街、淡水の駅前商店街

ところどころに廟があったりして、参道のような雰囲気もある。

しばらく歩くと、淡水河沿いの遊歩道のような場所に出た。

台湾の首都台北近郊にある街、淡水の遊歩道

もう目と鼻の先は海なので、遊歩道から見た淡水河はかなりの川幅だ。

台湾の首都台北近郊にある街、淡水の淡水河

実際、河から漂ってくるのも潮の香りである。

タイにいると幅の広い川というのはよく目にするのだが、地形が違うのと台北のベッドタウンというロケーションからマンションなどの高層ビルが立ち並んでいる景色は、またタイで見る大河(淡水河は本当は大河ではないが)とは一味違った。

次の目的地である紅毛城に行こうと川沿いの遊歩道から陸に向かって伸びる路地に入ると、人でごった返していた。

台湾の首都台北近郊にある街、淡水の商店街

路地には食べ物を売る店が軒を連ねていて、立ち止まって買い食いをする人たちも多く、かなり歩きにくい。

基隆の廟口夜市(といっても昼間も結構店は営業している)の小吃街よりもさらに雑然としている。

淡水に来てわかったのだが、この街は基隆郊外の観光漁港のように海鮮料理をガッツリ食べるというよりは、この路地で食べ歩きをするのが台湾人の楽しみ方のようだ。

淡水が港街ではないからだろうか。

ともあれ、人をかき分けて紅毛城へと進んだ。

17世紀の歴史的建築、紅毛城

淡水観光の最大の見どころは、街から2kmほど西の小山の上にある紅毛城だ。

 

街から結構な勾配の坂道を登っていくと、きれいに整備された紅毛城がある。

熱帯のタイ(チェンマイ)に住んでいても、川の脇で海もすぐそばの淡水はまた質が違う蒸し暑さで坂道を歩くと汗がドッと吹き出した。

台湾の首都台北近郊にある街、淡水の紅毛城への坂道

紅毛城は、台湾交通部観光局のサイトによれば

十七世紀初め、台湾に目をつけたスペイン人が淡水に侵入し、淡水河口の丘の上に、サントドミンゴ城を建設しました。スペイン人を撃退したオランダ人は、その城跡により堅固な城砦を築いました。当時の台湾住民は西洋人を紅毛と称したことから紅毛城と呼ばれました。オランダ時代の紅毛城は光彩を放ちましたが、明代に至ると淡水は流刑地となり、紅毛城は廃棄されました。清代初期、台湾は正式に清朝の版図に入り、紅毛城は再度淡水河口の防衛基地となります。清末、イギリスやフランスとの戦いに敗れて、淡水は開港され、英国人が紅毛城を英国領事館として使用するようになりました。主城東側に領事官邸が建てられ、紅毛城は各国人士交流の場となります。紅毛城はもともと灰色の建築でしたが、英国人によって赤色に染められます。

とのことだ。

上記の通り、紅毛城の見どころは大きく真っ赤な色に塗られた要塞と隣に建つレンガ造りの旧英国領事館に分かれている。

手前が要塞、奥に見えるのが旧英国領事館だ。

台湾の首都台北近郊の街、淡水の紅毛城の要塞と領事館

要塞は文字通りの用途なので、頑丈な造りだという特徴以外内部などに見どころはない。

台湾の首都台北近郊の街、淡水の紅毛城の要塞概観
台湾の首都台北近郊の街、淡水の紅毛城の要塞の入口

自分が日本に住んでいた頃に毎年通っていた台南にも似たようなタイプの観光スポットとして「安平古堡」というのがあるが、こちらのほうが傾斜地に造られているぶん規模は小さいものの、全体の整備状況は優れているように思う。

一方、旧英国領事館はなかなかの見ごたえだった。

台湾の首都台北近郊の街、淡水の紅毛城の領事館概観

当初は正方形の建物で厚さが1.9mもあるレンガと石でできな壁に囲まれていたというが、1863年に英国領事が住み始めてからは以降の改築で屋根つきの廊下が増築されテラスや壁の銃眼や隅櫓の監視哨が造られてすっかり姿を変えたという。

この時に設けられたアーチ型のレンガ造りの外壁は、19世紀後半によく見られた防火建築だが、現在台湾に残る唯一のものとなっている。

台湾の首都台北近郊の街、淡水の紅毛城の領事館の壁

1863年にイギリスの副領事が紅毛城を租借して事務所として使い始め、1878年に領事館に昇格しイギリス領事が執務を取り居住もする場所となったが、おそらく当時の雰囲気を再現しているのだろう、なかなか美しい家具調度類やインテリアだ。

台湾の首都台北近郊の街、淡水の紅毛城の領事館の内部
台湾の首都台北近郊の街、淡水の紅毛城の領事館の家具調度類
台湾の首都台北近郊の街、淡水の紅毛城の領事館の階段

また、建物の前は広々とした庭園になっていて淡水河を見渡すことができる。

台湾の首都台北近郊の街、淡水の紅毛城から見た淡水河

小高い丘の上から見る淡水河と対岸の小山は、先ほど河畔から見たのとはまた違っていて、なぜここに紅毛城を築いたのかが何となくわかるような気がする。

海鮮料理レストラン「福来餐廳」

淡水の街と紅毛城を観光し終わったら、時刻は夕方近くになっていた。

ガイドブックなどには、淡水から見る夕日はすばらしく台北のカップルの間では絶好のデートスポットになっていると書いてあるのだが、この日はあいにく天気が悪く夕陽は期待できなかったので、早目の夕食となった。

海がすぐそばの淡水だから、当然海鮮料理だ。

が、上記の通り港町ではないので、基隆や高雄郊外のように海鮮料理レストランがずらりと並んだような場所が見当たらない。

それでも、淡水の駅から港に行く途中の道路沿いに何軒か海鮮料理レストランがあるのは行きに見ていたので、帰り道に目星をつけておいたそのうちの1軒に入ることにした。

福来餐廳という名前の店だ。

台湾の首都台北近郊の街、淡水の福来餐廳外観

店の入口にはいけすが置かれている。

台湾の首都台北近郊の街、淡水の福来餐廳のいけす

中をのぞき込んでいると店のご主人らしきおばさんが出てきて、メニューのようなものを見せてくれた。

一部のものは時価になっていたが、ついている値段は観光地にしてはごくごく普通なので、ここに入ることにした。

2階が客席になっている。

台湾の首都台北近郊の街、淡水の福来餐廳の客席

宴会場も併設しているらしく、かなりの広さだ。

北京語が多少できるカミさんが、先ほどのおばさんと相談しながら注文を決めた。

台湾の首都台北近郊の街、淡水の福来餐廳の料理全景

茹でエビはわさび醤油をつけていただく

台湾の首都台北近郊の街、淡水の福来餐廳の茹でエビ

台湾で食べるエビはタイで一般的な大きなものよりも身が詰まっている感じで、個人的にはこちらのほうが好きだな。

身がコリコリしてておいしい茹で巻貝

台湾の首都台北近郊の街、淡水の福来餐廳の茹で巻貝

台湾の海鮮は、エビにしても貝にしても素材の味を楽しむという側面が強く、日本人と嗜好が似ていると思う。

台湾の首都台北近郊の街、淡水の福来餐廳のカキのフリッター

タイだとこれをエビにしたものがあって(กุ้งชุบแป้งทอด=クンチュプペーントート)自分は結構好きなのだが、カキでもイケるね。

タイでもポピュラーな空芯菜の豆鼓炒め

台湾の首都台北近郊の街、淡水の福来餐廳の空芯菜炒め

主食は炒麺にした

台湾の首都台北近郊の街、淡水の福来餐廳の炒麺

チェンマイは海が遠く、またひとりで住んでいる時間が長いためシーフードをがっつり食べる機会はあまり多くない。

この日はメインの目的のひとつであった夕日こそ見えなかったものの、お腹がいっぱいになるまで海鮮料理を食べ大満足で台北(板橋)へ戻るMRT(地下鉄)へと乗り込んだのだった。

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