新年をチェンマイで迎えるようになってからもう何年たつだろうか。
正確には数えていないのでわからないが、旅行者時代も含めれば間違いなく20年以上になるだろう。
そして、そのうちの10数年の大晦日はタイ人のお友達の家のパーティーに参加している。
パーティーといってもそんなに大げさなものではなく、みんなでつつける焼肉や鍋をひとつ用意して、あとは参加者がそれぞれ料理やつまみを持ち寄って、近くで買って来たビールやワインクーラーと名乗る安酒を飲んでおしゃべりする、という程度のものだ。
今年の大晦日も、やはり例年同様このパーティーに参加した。
大晦日だから、というわけではなかったのだが、朝から庭の落ち葉拾いや家の中の掃除とバタバタしていたらお昼ご飯を食べそこなってしまい、15時過ぎにはお腹もペコペコになったので早々にお友達の家へとバイクで向かった。
タイでのこういうパーティー(に限らず葬式や新築祝いなどたいていのイベントも)は、たいてい来る人は好きな時間に来て勝手に食べて適当に帰っていくので、参加するほうも気が楽でよい。
お友達の家に着くと、すでにガレージで準備が始まっていた。
例年、ムーカタ(タイ式焼肉)とムーチュム(東北タイ風ハーブスープ鍋)が用意されるのだが、ムーカタは後で汚れのこびりついた鍋を洗うのが面倒くさいということで(笑)、今年は網を使っての焼き肉になったらしい。
タレが3種類用意されていて、これは友人の奥さんが市販のものに手を加えているのだが、唐辛子がたっぷり追加投入されていて辛くて実にうまい。
「お腹が空いた」というと、「勝手にひとりで始めろ」というので、とりあえず鍋に豚肉、内臓、魚、野菜を適当に放りこんで煮ることにした。
いくらお腹が空いてるからって、いっぺんに入れすぎだ……
鍋から器に取り、タレをかけていただきま~す。
鍋を食べていたら、近所のお姉さんが現れて七輪に火を起こしてからイカを焼き始めた。
イカが焼き終わると、今度は豚肉と腸だ。
これが焼きあがる頃には陽もとっぷりと暮れ、入れ替わり立ち代わり人が来るようになった。
この焼き肉は、酒のつまみにピッタリだ。
どこの子供だろうか、鍋が煮えるのを待っている。
現れてはいなくなる人の多くは自分にとっては顔なじみなので、酒の入ったグラスを乾杯したり料理をつまんだり、みんなでワイワイと話をしたりしているとあっという間に時間がすぎていく。
酒の入った女性陣から、写真撮影をせがまれた。
左端の男性の陰に彼の15歳になる娘がいるのだが、自分はよちよち歩きの頃から知っていて「月日のたつのは早いなあ(自分も歳をとるわけだ)」とひとしきり感慨にふけってしまった。
ふと気がつくと遠くから花火の音が聞こえてきて、日付が変わり新年を迎えたことを知る。
その後、何となくお開き的な雰囲気となり、自分も深夜の1時少し過ぎにバイクに乗って自宅へと戻ったのだった。
コメント