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【ゴールデン・トライアングル】メコン川とミャンマー、ラオスが一望できる小山の上にある寺院「ワット・プラタート・プーカオ」

ゴールデントライアングルの寺院ワットプラタートプーカオ チェンラーイ&ゴールデントライアングル
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本来の意味とは違うタイのゴールデン・トライアングル

チェンラーイ県の最北部はチェンマイ以上に観光資源のバリエーションが豊富だ。

ミャンマー国境の街メーサーイ、中国国民党の落人が住みお茶で名高い山あいの村ドーイ・メーサローン、タイ王室の関連財団が山岳民族貧困解消プロジェクトを立ち上げ、今では山頂の寺院とコーヒーが有名なドーイ・トゥンをはじめ挙げればキリがないくらいだが、現在最も観光客を集めているのはおそらく「ゴールデン・トライアングル」だろう。

ラーンナー王国発祥の地と言ってもよい遺跡の街チェンセーンから10kmほどメコン川をさかのぼったところにあり、今は「ゴールデン・トライアングル(黄金の三角地帯)」という呼び方がすっかり定着して日本語のガイドブックにもそう記されているのでこのブログでも使っているが、自分が初めてこの地を訪れた1980年代末はゴールデン・トライアングル(黄金の三角地帯)とは呼ばれておらず、ただ単に村の名前であるソプルワクと言っていたと思う。

それが、タイ・ミャンマー・ラオス3か国の国境が接していることからいつの間にか「ゴールデン・トライアングル」という名がつけられ観光開発が進み、今や一大観光スポットとして特に中国人観光客を乗せた大型バスが決して幅が広くない道をバンバン行きかい、3か国の地図と「ゴールデン・トライアングル」と書かれた大きなボードた建つ撮影スポットや巨大な仏像がある場所は、まるでチェンマイのターペー門前を思わせるかのようなにぎわいである。

記憶が定かではないのだが、もともとゴールデン・トライアングル(黄金の三角地帯)というのは、ケシなどが栽培され世界への麻薬の供給源となっていた地域のことを意味しており、それはチェンマイとミャンマーのマンダレー、ラオスのルアンプラバーン(ビエンチャンだっだかも)の3つの都市を結んだ三角形の内側の広い一帯をさしていた。

ここは3カ国の国境が接している単なる地点であって、決して「地帯」じゃないものね。

だからなのか、英語のガイドブックではゴールデン・トライアングルという言葉を使っておらず、いまだにソプルワクと表記している。

小山の上にある展望抜群の寺院「ワット・プラタート・プーカオ」

大型バスやワンボックスカーで乗りつけるような観光客はメコン川沿いで記念撮影をしてをササッとお土産物屋などを見物してあっという間に立ち去ってしまうが、よりこの場所の地形を理解し、雄大なメコン川の眺めを堪能したいのであればぜひ行ってほしい場所がある。

それは、大通りに面した小山の上にある寺院「ワット・プラタート・プーカオ」だ。

寺院の楼門はタイヤイ(シャン族)風だ

ゴールデントライアングルの寺院ワットプラタートプーカオの楼門

楼門の先には、長い階段が続いている

ゴールデントライアングルの寺院ワットプラタートプーカオの階段

ちなみに、階段の左手には自動車道がついており小山の上に直接行けるのだが、それだと途中にある寺院が見れないので、歩くのが苦でなければ楼門のそばに車を止めて階段を歩いて行くことをおすすめする。

自分は、行くといつもそうしている。

14世紀建立の遺跡もある古刹

坂をのぼって小山の上にたどり着くと最初は新しくて立派な本堂が見えて来るが、さらに進んでいくと半分遺跡のようになった場所に行きつく。

寺院はかなりの歴史があるようで、説明書きには

一部の民間伝承や年代記では、この寺院はヒランナコングンヤーン国のラウチャカラート王の息子であるラオカオオーロット王子が西暦759年にメコン川のそばの丘の上に僧院を建設するよう命じ、ここが建立されたと言われている。
しかしながら、建築家の調査によるとおそらく建立されたのは14世紀とのことである。
僧院が集まっているエリアの遺跡からは寺院の壁、ウィハーン(本堂)、チェディ(仏塔)の遺構が見つかっている。
ウィハーン(本堂)の後ろに、5つの小さなチェディーに取り囲まれるようにしてウボソット(仏堂)がある。
これらの建築物は西側以外についている階段を持つ二重の壁に取り囲まれている。

と記されていることから優に500年を超える歴史があるようだ。

ゴールデントライアングルの寺院ワットプラタートプーカオの遺跡概観
ゴールデントライアングルの寺院ワットプラタートプーカオの遺跡

ほとんど崩壊してしまっているご本尊は「ルワンポー・チェンセーン・シンヌン」と呼ばれており、西暦1302年に安置されたと伝えられているそうだ。

ゴールデントライアングルの寺院ワットプラタートプーカオの仏像

太平洋戦争で亡くなった日本人の方々の慰霊碑もある。

自分はいつもここに来る時は供え物を持参して手を合わせることにしている。

ゴールデントライアングルの寺院ワットプラタートプーカオの日本人慰霊碑

展望台からの雄大な眺めは必見!

寺院遺跡を抜けた先の小山の頂上は展望台のようになってる。

ここまで車道がついていて、ワンボックスカーレベルの大きさの車であれば登って来ることができるのでそれなりに旅行者はいる(駐車スペースにはみやげ物屋なども出ている)が、川沿いの中国人観光客の狂乱ぶりとは無縁である。

川沿いの撮影スポットにあるのとほぼ同じ、「ゴールデン・トライアングル」と書かれた看板が立っている。

ゴールデントライアングルの展望台の看板

展望台からゴールデン・トライアングルを見る

ゴールデントライアングルの展望台からの風景

自分が立っている手前側がタイ、中央の岬のようになっている部分がミャンマー、メコン川の左岸がラオスだ。

左手に見えるタイとミャンマーを隔てている川はサーイ川で、さかのぼればメーサーイの街まで続いている。

メコン川上流方向を遠く見る

ゴールデントライアングルの展望台から見たメコン川上流

メコン川は、この先中国の雲南省西双版納(シップソーンパンナー=12千の田んぼ)タイ族自治州の州都である景洪、そしてさらにチベットまで続いている。

そのうち、川をさかのぼってそちら方面に自由に旅ができる時が来るのだろうか……

そして、下流のチェンセーン方面を見る

ゴールデントライアングルの展望台から見たメコン川下流

こちらは、ラオスのルアンプラバーンやビエンチャン(タイ側はノーンカーイ)、カンボジアのプノンペンを通って最終的にはベトナムのミト、カントーなどの都市を有するデルタ地帯から南シナ海へと注いでいる。

階段を汗かいて登る価値のある景色

上記の通り、ここは「ゴールデン・トライアングル」という名がつけられているがそれは観光用であり本来の意味ではない。

しかし、タイ、ラオス、ミャンマー3か国の国境が交わる場所はここだけなので、そういう意味では陸路の国境を持たない日本人にとってもここを訪れるのは貴重な体験になるだろう(中国人にここが大人気なのも、やはりほとんどの人が国境というものを見たことがないかららしい)。

ほとんどのツアー客は川沿いだけを観光して帰ってしまうが、メコン川の雄大な眺め、そしてどこまでも続くラオスやミャンマーの緑の国土を一望したいのであれば、このワット・プラタート・プーカオまで来ることをぜひおすすめしたい。

階段を汗をかきながら登って展望台にたどりついて景色を眺めたら、それだけのことをしてでも来る価値があったと、きっと納得できるだろう。

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コメント

  1. 世界の街角 より:

    25~26年前に訪れました。懐かしく拝見させてもらいました。

    • Ganesh Ganesh より:

      世界の街角さん、コメントありがとうございます。
      当時とは違って、今(コロナ禍前)は大観光地になってます

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