隔離措置施設(ASQ)では持ち込み禁止品が定められている
現在、タイに入国するすべての渡航者は到着後15泊16日の隔離措置施設(ASQ)での強制隔離生活を経なければ自由になれない。
ほとんどの隔離措置施設(ASQ)では初回のPCR検査で陰性になるまで部屋のドアから一歩も出ることすら許されないなど隔離は厳しいもので、その後もせいぜいプールサイド(プール使用は禁止)や屋上のリラックスエリアに最大1時間程度出ることができる程度だ。
そのため、16日間の隔離中自分なりにメンタルケアをしていかないとフラストレーションが溜まってヘタをすると大きな問題を引き起こしてしまう危険性をはらんでいる。
実際、隔離期間中に飛び降り自殺してしまった人(隔離との直接的な因果関係は記事からは不明)も複数いてニュースになっている。
タイ国政府から定められているのか、隔離措置施設(ASQ)に予約を入れるとどこも確認書と一緒に「Prohibited Items(持ち込み禁止品リスト)」の書面(タイトル下の写真参照)を送付してくるようだ。
自分が宿泊した「THE VERTICAL SUITE」は、次のようなものが部屋への持ち込み禁止となっていた。
2.FDA(タイ国食品医薬品承認局)の基準を満たしていない食品
3.ヨーグルトや低温殺菌商品
4.麻薬、薬物、アルコール飲料
5.解熱剤、下熱剤
6.フードデリバリーサービスでオーダーした食べ物
7.ナイフ、カッター、刃物、火器、銃
「そりゃそうだよな」と思うようなものもあればアルコール飲料(酒)のように、人によっては「え~っ」と思うものもあるだろう。
個人的には、16日程度の禁酒もできないような人は十分ジャンキー(アル中)だと思うが。
最後のナイフやカッターは、ひょっとする自殺防止の意味とかもあるのかもしれない。
実際のところ、ホテルでのチェックイン時に荷物検査が行われるわけではない(たぶん。少なくとも自分が利用した施設ではなかった)のでこれらの禁制品も持ち込もうと思えば可能だが、もし見つかればモノによっては取り上げられるだけでは済まないだろう。
隔離生活を快適にするおすすめグッズ
自分は「16日間もの隔離で、朝に目がさめてハ~ッとため息をつくような生活は送りたくない」と思い、少し予算オーバーだったがリビングルームとベッドルームが別でバルコニーの付いた広々とした開放感のある隔離施設に予約を入れた。
そして、実際の隔離前に客室の設備や置いてある備品などについて施設に問合せのEメールを何度か入れ、なるべく普段の生活スタイル、ライフサイクルを崩すことがない(=メンタルヘルスを保つ)よう日本からいくつかのグッズを買って持っていくことにした。
中にはもともとチェンマイ暮らしで使うつもりのものもあったが、純粋に隔離施設だけで使用するつもりのものもあり、「これは役に立った~」というものもあれば「結局施設を出るまでまったく使わなかった」ものもあり、なかなかおもしろかった。
隔離措置施設(ASQ)によって設備や部屋に用意しているものはまったく異なるのでこれが誰にでも当てはまるわけではないが、「せっかく16日も隔離生活を送らなければならないなら快適に過ごしたい」と思う方にはおすすめの、自分が持ち込んだグッズを紹介したい。
なお、役に立った順番ではなくランダムでの紹介だ。
食卓クリーナー
隔離期間中は部屋で飲み食いするので食べこぼしとかもあるし、1回目のPCR検査の結果が出るまではルームクリーニングも入らないのでこのような使い捨てのクリーニングシートを1つ持ってくると清潔感が保てていい。
自分はマツキヨの「リビング&食卓用クリーナー」というのを買ったが、別に布製のふきんでもいいし、タイに慣れている人であればトイレットペーパーの芯を抜いてふきん代わりにするのもアリ。
少し質のよいスリッパ(ルームシューズ)
もともとはチェンマイの自宅で履くために買って来たのだが、施設の床の大部分が板張りだったので出してみたらこれが気持ちよくて結局隔離措置施設(ASQ)でもずっとスリッパ(ルームシューズ)で過ごすことに。
これもチェンマイ用に買って来た甲の部分を固定するバンド付きのスポーツサンダルもあったのだが、履いてみるとスリッパ(ルームシューズ)のほうが断然疲れないし、生活感も格段に高まってよかった。
スプーン、フォーク、箸
隔離措置施設(ASQ)での食事は新型コロナウィルス感染防止対策で、すべて使い捨ての容器や食器で配膳される。
料理は日本のコンビニ弁当のようなプラスチックの容器に入れてあり、これまたプラスチックのスプーン、フォークなどのセットがつく。
自分が利用した隔離措置施設(ASQ)はコンドミニアムで、客室には陶器の皿やどんぶり、スプーン、フォークなどが用意されていたので、配膳された料理を器に移し替え電子レンジで温めるだけでずいぶんと気分は違った。
さすがに陶器の皿やどんぶりを持ち込むのは大変だと思うが、スプーンやフォークなどが金属製になるだけでもかなりの差があると思うので、日本から持ってきてもいいかも。
ちなみに、タイのプラスチック製のレンゲとかを使うのであれば口に入れる時には注意したほうがいい。
中には質が悪くて簡単に口の中を切ってしまうようなものもある。
シャワー用のボディスポンジ
隔離措置施設(ASQ)にはシャワージェルや固形石鹸は用意されているが、日本のビジネスホテルのように身体をを洗うためのスポンジはない。
手のひらにシャワージェルをつけたりして身体を洗っても気にならない人はいいだろうが、やはりスポンジがあったほうが格段に快適度はアップする。
部屋から出ることもないし、それほど汗をかくこともないだろうからそんなに質にはこだわらなくてもいいかもしれないが、自分は日本の自宅で使って気に入っていた「マーナ」というブランドの大きくて硬めのボディスポンジを持って来た。
隔離措置施設(ASQ)のフロントにオーダーして買って来てもらったこれまたお気に入りのマダムヘンの石鹸を使って身体を洗ってシャワーを浴びれば気分爽快だった。
入浴剤
チェンマイの自宅はシャワーだけなので隔離措置施設(ASQ)を選択する際にもバスタブの有無にはこだわってなかったのだが、ついているというのでせっかくだから持って来た。
「THE VERTICAL SUITE」のバスタブは結構深めで日本の浴槽のようにたっぷりとお湯に浸かれるだけでも満足度が高かったが、入浴剤を入れるとその香りがバスルーム全体に広がってより一層気分がほぐれリラックスできたのはよかったと思う。
ちょっと重たいのが難点だが。
ドリップコーヒーとウーロン茶バッグ
隔離措置施設(ASQ)には、あらかじめ大量のスティックタイプのネスカフェ(インスタントコーヒー)とリプトンのティーバッグが置かれている。
しかし、自分は普段チェンマイの自宅でも飲むのは豆のコーヒーだし、タイ国内外に旅行する時もドリップバッグコーヒーを持っていくくらいなので、当然隔離措置施設(ASQ)でもネスカフェでは耐えられない。
なので、今回は澤井珈琲のドリップバッグコーヒー70袋パックというのを買って持って来た。
この店は使ったことがなく、値段が安かったので今回初めて買ってみたのだが、想像していたよりもずっとまともな味で満足だった。
自分は普段朝食は食べてもせいぜいクロワッサン1個くらいであとはコーヒー2~3杯という生活なのだが、隔離期間中もそれに近いスタイルで朝をノンビリと過ごすことができたのはかなりよかったと思う。
また、いつもお茶は紅茶ではなくメーサローンのなじみの店で買ったものを中心に中国茶(ウーロン茶)を何種類もストックして色々と楽しんでいるので、これまた持ってくる必要があった。
ウーロン茶のティーバッグというのを探したのだが適当なものがなく、隔離期間中は間違いなく運動不足になるので多少は健康にいいかと思って「濃黒烏龍茶」を買ってみた。
ポリフェノール含有量が市販の烏龍茶の約2倍ということで、特にダイエットサポート飲料として女性に人気らしいのだが、自分的にはそれに加えて中国製ではなく台湾製というのもポイントが高かった。
多少苦みはあるものの強すぎるということもなく、口の中がさっぱりする感じで楽しめた。
自分は上記の2種に加えて、日本で足止め中に自宅近くの無印良品で買って気に入ったマサラチャイも持って来た。
好きな飲み物があるとリラックスできるので、お気に入りのもの(日本茶が飲みたい人はもちろん日本茶を)があればスーツケースに入れてくるといいのではないだろうか。
大きめのマグカップ
タイのホテルに置いてあるコーヒーカップはどこのもたいてい小さいので、がぶ飲みできる大きめのマグカップを持ってきた。
陶器の物は重たいけど、樹脂製のものなら軽くて割れる心配もなく扱いやすい。
値段の安いものなら、隔離が終わったら捨ててしまっても惜しくないし。
自分はチェンマイの家に置いてある旅行に持っていく用の古びたマグカップを取り換えるため、隔離が終わったらまたスーツケースに戻した。
ちなみに、大きいフタ付きのマグカップなら下で紹介する「お椀で食べるカップヌードル」を作る時にも大変便利だ。
自分は結局そのために使うことはなかったが。
トレーニングチューブ
たいていの隔離措置施設(ASQ)では、ヨガマットは無料で借りることができる。
文字通りヨガやストレッチだけをやるのであればそれでコト足りるが、自分のようにウエイトトレーニングをやりたいとなるとそれだけでは困る。
自分は隔離措置施設(ASQ)を予約するにあたって候補とした施設にダンベルの有無を問い合わせたのだが、無料で貸し出してくれるところは皆無で中には2,000THBで買い取りというところもあった。
ダンベル買い取っても、チェックアウトの時は持っていけないしなあ。
さて、どうしようかと思っていたのだが、日本の自宅を断捨離した時にトレーニングチューブが出て来たことを思い出したので、それを持って来たら大正解。
どうせ、施設の部屋ではそんなに本格的な運動ができるわけでもなく(そもそもやる気にならなかった)適度に負荷をかけて身体を動かすのには、トレーニングチューブはピッタリだった。
かさばらないし、何よりゴム製で軽いのでスーツケースに入れるのにはもってこい。
自分が持って来たのはリーボックのもの(レジスタンスチューブと呼ばれている)だったが、安いものではないのでわざわざ買うのはどうかとも思うが、身体がなまって困るという人にはおすすめのグッズだ。
番外編:まったく不要だったもの
オマケとして、「これは隔離生活にすごくいいんじゃない?」と思って日本から持って来たのだが、まったく不要だったものの代表格が「(お椀で食べる)カップヌードル」だ。
事前に隔離措置施設(ASQ)の食事のバリエーションがどのくらいあるのかわからなかったので途中で飽きたら食べるかな、と思って買ったのだが、今回利用した施設は食事、特にタイ料理がおいしくてまったく飽きることがなかった。
それに加え、量が多くてクエティオ(麺)にしてもカーオゲーン(ぶっかけ飯)のようなものにしても街なかの屋台や食堂の3倍は優にあろうかというポーションでとても食べきれないことも多く、さらに基本動かないのでそれほどお腹が空くこともなかったので、まったくカップヌードルには手をつけなかった。
隔離措置施設(ASQ)の食事が自分の口に合うかどうかは泊まってみるまではわからないので、万が一合わなかった時の保険として持ってくる意味はあると思うが。
あとは、自分のように3食タイ料理でもOKというならともかく、日本食がないと困るというような人は自分の好みのものを持って来た方が絶対にいいと思う。
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