2014年5月、クーデターによって政権を奪取したプラユット暫定首相率いる軍事政権は、来年2019年2月に総選挙を実施することを正式に発表し、それに向けてさまざまな政治家、あるいは政治家になろうという人達が活動を始めている。
テレビニュースでもその様子は大々的に放送されており、2008年から2011年まで首相を務めたアピシット氏(ちなみにこの人は、自分の記憶が間違っていなければタイの歴史史上初めてオックスフォード大学を首席で卒業している)、タクシン元首相が創設したタイ愛国党の副党首だったスダラット女史など「懐かしいな~」というような顔をしばしば目にするようになった。
スダラット女史など、昔はもっと美人だったと思うのだが、すっかり老けておばさん(おばあさん)になっててちょっとビックリしたのだが……まあ、それだけ自分も歳を取ったということだよね。
これまで総選挙の実施の約束をたびたび反故にしてきた実績のあるプラユット暫定首相(軍事政権は建前上国難にあたって一時的に治安などを回復するために結成された「国家平和秩序評議会」というもので、国難が過ぎれば民政移管するということになっていて、あくまでも「暫定」首相と名乗っている)なので、本当にこのまま総選挙がすんなり行われるのかは予断の許さないところだとは思うが。
また、予定通り選挙が行われたとしても、新政権は軍の意向に沿ってしか政治を進めることができないように憲法がすでに変えられているので、しょせんは操り人形になるしかない、という話もある。
まあ、この先タイがどのような方向に進もうとも、国民でもなくただ単にビザ発給というある意味“好意”で住まわせてもらっている自分は、それに従うしかない。
というようなことをつらつら考えながらこの新サイトへのコンテンツ移行作業をしていたら、2010年のいわゆる「赤服騒動」の時の写真が出てきた。
騒乱の中心は首都バンコクではあったが、赤服軍団の元締めであるタクシン元首相の出身地(チェンマイの東隣の街サンカムペーン生まれ)であるチェンマイも、やはり当時は場所によっては多少緊迫した空気が流れていた。
写真は、赤服軍団の本拠地であるお濠の中の旧市街、チェンマイに来る観光客ならまず必ずおとずれるであろうワット(寺院)・プラシン裏のグランド・ワーロロット・ホテルに通じる道路の様子。
タイヤと竹でバリケードが築かれているが、真ん中がポッカリ空いており通り抜け自由になっていて何のためのバリケードなのかまったく意味不明。
バリケードの中には屋台まで数軒出ちゃってた(笑)
一方で政府側の本拠地(?)である、市の北部にあるチェンマイ県庁舎に通じる国道は、コンクリート・フェンスでふさがれていた
こちらは、フェンスの先にライフルを抱えた兵士が数人警備にあたっており、市内中心部よりもずっと緊迫感があったのを覚えている。
いずれにせよ、来年の総選挙がいかなる結果に終わっても、平和で安心して暮らせるタイ(チェンマイ)であってほしいと願うばかりだ。
コメント