どんなお店?
チェンマイ東部郊外にある、チェンマイの裕福でオシャレな特に若い人たちの間で最も人気のあるレストランのひとつ。
店名をカタカナで記すとピンと来ないかもしれないが、英語では「Meena Rice Based Cuisine」となり、その名の通りお米をひとつのテーマとしたフュージョン(創作)タイ料理の店だ。
以前は英語のメニューがなく旅行者にはハードルの高い店だったのだが、人気が出たことで英語併記写真つきのメニューができ、またエアコンルームも設置されて利用しやすくなった。
ロケーション
店は、チェンマイに土地勘のある人でも案内看板がなければたどりつけないような、非常に不便なロケーションにある。
チェンマイ市内からだとサンカムペーンへと向かう国道1006号線を東に進み、スーパーハイウェイとの交差点から1kmほど進むと左手にセラドン焼きの有名店、バーン・セラドンがあるので、その手前角にあるサンプラネット通りに左折して入る。
800~900m進むと、左手にワット・シーマーラームという寺院があるので、通り越したらすぐのところのソイ(路地)を左折、さらに400mほど行ったところにある。
要所要所に道順を示す看板が立っているので、国道から最初に左折する場所さえ間違えないようにすれば、道に迷うようなことはないだろう。
店正面の路地の向かい側と店の中にはいったところが駐車場になっているが、車以外のアクセス手段がないのでランチ時などは空いているスペースを探すのが大変なほど混み合っている。
TEL:087-1770523
WEBSITE:https://www.facebook.com/meena.rice.based(Facebookページ)
古い米蔵を中心に、木をたっぷり使った店内
路地の奥に向かって左手に店の入口を示す看板があり、コーヒーなど飲み物を作っている小さな東屋を眺めつつ先に進んで行くと、店舗のスペースが広がっている(タイトル下の写真)。
店は非常に広い土地を有しており、木製の橋を渡った先の大きな池に浮かぶように建っている木造建築物、その右手のキッチンの建物の前とさらにその奥のエアコンルームと大きく3カ所に客席が作られている。
木造建築物は高床式の建物(店の名を忠実に示すように、元々は米蔵だったそうだ)になっており、その真下と建物の周囲の日傘が差しかけられた部分に席がある。
藍染のクロスがかけられた木製のテーブルとイスの脇に白い布と木でできた日傘が置かれている風景は、近年のオシャレ系のレストランでよく見る風景だが、さらに木製の高床式建物と周囲を大きな木で囲んだ池がセットになるととより一段と絵になっている。
キッチン前のスペースも同様だが、中には座布団が置かれ靴を脱いで座る席もあり、人気の場所になっている。
近年増築されたエアコンルームは、一部屋根と壁全面がガラス張りになっており、外の景色がよく見えて実に気持ちのよい空間だ。
テーブルは10もなく非常に人気が高いので、ここに座りたいのであれば予約は必須だ。
英語併記写真つきのメニューができ注文しやすくなった
以前のこの店はまともなメニューがなく、黒板にタイ語で手書きされた中から料理を選ぶことになっていたのだが、今は英語併記写真つきのメニューが用意されている。
外国人客も多く店員もある程度の英語はできるので、注文であまり困ることはないだろう。
ドリンクのメニューは別になっており、理由はわからないのだが注文・会計も別になっていて店の入口近くにある東屋風のドリンクコーナーを使うことになる。
店員に頼めばオーダーはやってくれるが、飲み物はドリンクコーナーの店員が運んできて会計もその時に済ませるようになっているのでちょっと混乱するかもしれない。
メニューにあるのはコーヒー系が中心だが、ここでのイチオシはお店オリジナルのミックスジュースだ。
花などが飾られた美しい氷入りのグラスとともに出される瓶詰のジュースは、見た目ほど濃い味ではなくさっぱりとした飲み口でいつも自分はオーダーしてしまう。
メニューに載っている料理は基本的には何を食べてもおいしいのだが、お米をひとつのテーマにしたと言っても料理に米がやたらと使われているわけではない。
とは言え、やはりフュージョン(創作)料理が中心で、例えば
*キノコの醤油煮
*お店オリジナル春巻き(ポピアトート・ミーナー)
*豆苗と卵豆腐の炒めもの(キヨウオーンタワーン・タオフーカイ)
*中身はほとんど玉子で下にノニの葉がたくさん敷いてあるバナナの葉を器にしたタイ風茶碗蒸しのホーモック・アンダーマン
*有機養殖した魚を使った酸味の効いた辛味スープであるゲーンソム・プラーインシー
*豆苗がたくさん入った南部タイ風のガピ(海老みそ)の効いたスープのゲーンリエン・ヨートターンタワン
など、この手のレストランで最近特に多いヘルシー系のものが中心だ。
味付けは非常に薄くて上品な感じで辛さも押さえられており、香辛料が苦手な人でも安心して食べられる。
かといって味がぼやけているわけではなく、素材ひとつひとつを大切にしつつ料理としてまとまった形に仕上げており、口に入れると非常にシャープに感じられる。
コックの腕が相当なものでないと、ここまでの風味に仕上げることはできないだろう。
また、写真でわかる通り盛り付けも非常に凝っており、テーブルの上に料理が並んでいるのを見るだけでも楽しい。
ただ、日によって盛り付ける担当が異なるのか、出来ばえに差があるのは残念だが……
また、種類は少ないもののデザートも用意されており、おすすめはお店オリジナルのロティ(インドクレープ)だ。
街なかの屋台で売られているロティは油たっぷり練乳たっぷりでくどいことが多いのだが、この店は甘さをうんと抑えて上にアイスクリームと生クリームを乗せた非常に上品な仕上がりになっていて、普通のものしか食べたことがない人には新鮮な驚きを与えると思う。
まさにインスタ映えするご飯たち
そして、店のテーマにもなっているご飯だが、基本的にただの普通の白いご飯というのは用意されておらず、茶色いカーオ・クローン(玄米)や、カーオ・ダム(黒米)、さらにはハーブなどで色付けされたものを重ねて日本のおにぎりのように三角形に固め、その上におそらく色付けに使っているアンチャン(バタフライピー=蝶豆)の花やスライスしたオレンジなどを飾りで置いたものなど数種類が用意されており、おそらく非常に上質の米を使って丁寧に炊いているのだろう、固くもなく柔らかくもなく長粒種で少し独特の香りのするタイ米が苦手という人であってもまったく問題なく食べられると思う。
日本では、お赤飯や混ぜご飯など一部を除けばご飯は白いもの、という固定観念があるのか、このようにアレンジしたものを出すような店はなかなか見ることがないと思うが、せっかくタイに来たのであれば、このようなものを食べるのも旅のいい思い出になるのではないだろうか。
土日は店の前の道でオシャレな定期市も開催される
店のあるソイ(路地)は、このレストランができて以降山岳民族の布を使ったオシャレな洋服を売る店や手づくりのファッション雑貨や工芸品を製造販売するクラフトショップがどんどん造られて、現在はアートビレッジの様相を呈している。
それに合わせて、土曜日と日曜日の午前9時から午後2時までは「チャムチャー・マーケット」という名で定期市が開催されており、大勢の人でにぎわっている。
もしレストランに食事をしに行くのが土日であるなら、ぜひこのマーケットにも立ち寄ってみよう……というか、マーケットを通らないと店にはたどり着かない(笑)
なお、平日も数軒だがオープンしている店があるので、食事が終わったら腹ごなしの散歩がてら路地を歩いてみるといいと思う。
裕福そうな人々の姿を眺めながらの食事もまた一興
上記の通り、一般の車両がまず入ってくることはない(店のある路地の先は行き止まり)非常にわかりにくい場所にあるが、自前の足を確保(もしくはGrabが使えるようにしておく)して行くことができたら、街なかを観光していてもなかなか接することのできない、日本よりも豊かにさえ見えるチェンマイの裕福層を眺めつつ、旬のフュージョン(創作タイ)理に舌鼓を打つというほかのレストランではなかなかできない体験をすることができるだろう。
なお、営業時間は10時から17時、水曜日定休となっている。
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