香港式極細麺が人気の麺食堂
チェンマイ市内中心やや南にある、香港式の麺(ミー=หมี่)とワンタン(キヨウ=เกี๊ยว)を中心とした食堂。
中には「ゴムのようだ」という人もいる独特な食感の極細中華麺(たぶん自家製。幼麺と呼ぶらしい)はもちろん、エビワンタンやペットヤーン(ローストダック)などの具材のクオリティも高いほか餃子もイケるので自分はセットで食べることが多い。
もともと人気は高かったのだが、最近はデリバリーサービスのバイクが店の前にずらりと並んで止まっていたりして店員たちがてんてこ舞いのことも多くなった。
チェンマイの麺類の店としては値段は高い部類に入る(最近は普通のクエティオ屋が値上げに次ぐ値上げでこの店の割高感は逆に薄れた)が、間違いなくそれだけの価値がある店だ。
スワンプルン門から300mほど
店へのアクセスは簡単だ。
お濠の南辺には四方で唯一門が2か所あるのだが、その西寄りに位置するスワンプルン門(いわゆる「鬼門」に当たる場所で、かつてお濠の中で亡くなった王族はここからしか外に運び出すことができなかった)を左折してティパネット通りに入り300mほど進んだ右手、あるいはエアポート交差点からティパネット通りを北上して来たらウアラーイ通りとの分岐(Y字路)を直進してさらに400mほど行った左手になる。
道路沿いに大きく漢字で「珍婆婆」と書かれた看板が出ているのですぐにわかるだろう。

ちなみに地道は「本物の」というような意味だ。
TEL:093-1981523
オーダーは英語・漢字併記の注文票で
店は、木造一軒家(自宅?)の通りに面した半オープンエアのテラスのような部分と建物1階の中を客席としている。

店の中に入ると、正面は小さなキッチンになっている。

結構席数はあると思うのだが、それでもお昼時、早い時は10時ごろから13時過ぎまでは満席になってしまうことがほとんどだ。


注文は、テーブルの上に置かれている料理が書かれた紙に数を記入して出す。

コロナ禍を経てメニューの数が減り、また2回の値上げもあった。
客が少ないと、店員にいきなり「何にする?」と聞かれることもある。
その場合は店内の壁とかに貼ってある写真を見て注文してもいいだろう。

注文票に記載されている料理は全部で16種類、麺類の値段は70~80THBとなっており英語と中国語(繁字体)併記なのでタイ語ができなくてもまったく問題はない。
ただし、気をつけなくてはならないのは雲呑麺、雲呑麺+焼肉(上に乗ってくるのは実際には焼いた肉ではなくムークローブ=豚バラ肉のカリカリ揚げ)、雲呑麺にローストダック追加、焼肉(豚バラ肉のカリカリ揚げ)麺、焼鴨(ローストダック)麺、淨雲呑(ただのエビワンタン)の6種類の麺はスープありかなしかを指定する必要がある。
料理名の右隣の欄にスープなしは英語で「Dry」、スープありは「Soup」と書かれているのでカッコの中にチェックを入れよう。
なお、スープなしを頼んでも麺とは別にお椀に入ったスープがついてくる。
また、サイドディッシュとしては腸粉(米粉の柔らかな皮に具を入れて巻いてから蒸したもの)、餃子のほか焼肉(実際はカリカリに揚げた豚バラ肉)、浄焼鴨(ローストダック)がある。
かつては点心系のつまむものもあったのだが、やめてしまったのが残念。
麺と餃子の組み合わせがおすすめ
「珍婆婆香港美食店」の料理は基本的に何を食べてもおいしいが、もし初めて行くのであれば店の名前にもなっている麺(ミー=หมี่)と雲吞(キヨウ=เกี๊ยว)ははずせないところだろう。
そして、これをいっぺんに食べようとするならば必然的にオーダーは注文票の写真の左上に3つ並んでいる雲吞麺(バミーキヨウ=บะหมี่เกี๊ยว)ということになる。
幼麺はすごく細くて縮れておらず、ほかの一般的なタイ式の麺類の店で食べるバミー(中華麺)とはまったく別のものだ。
細いのにビヨ~ンと伸びるような感覚があり、確かに人によっては「ゴムのよう」と評するかもしれない。
コシとは無縁だが小麦粉と卵の風味もしっかりと感じられ、いつ行ってもペロッと平らげてしまう。
ワンタンには小ぶりのエビが一尾丸ごと入っていて、そのプリプリとした食感とワンタンのちょっともっちりした舌触りがこれまた何とも言えないハーモニーを奏でている。
雲吞麺は、スープあり・なしどちらにしてもいいと思う。

また、ちょっとぜいたくに(?)ローストダック入り雲呑麺(バミーキヨウペットヤーン=บะหมี่เกี๊ยวเป็ดย่าง)もいいだろう。

写真はスープなしだ。
これ以外ということであれば、極細麺を楽しむにはスープありよりもなしのほうが個人的にはいいように思う。
中でもおすすめは、やはり焼鴨麺(バミーペットヤーン=บะหมี่เป็ดย่าง)だ。


柔らかな皮としっとりとしていながら肉の食感もしっかりと楽しめる焼き鴨と麺の取り合わせは、いつ食べても一瞬ボ~ッとしてしまうくらいのおいしさだ。
鴨自体はそのまま単独で食べるとわずかな甘みが感じられる程度なのだが、テーブルの上に置かれている唐辛子の酢漬けを少し振りかけるとその風味がより一層引き立てられると思う。
上記の通りスープなしで頼んでも小椀に入ったものがついてくるので、それを時々麺にかけながら食べてもよい。
下にほかのメニューも紹介するので、ぜひ色々な味を楽しんでみてほしい。
スープなし焼肉麺(バミームークローブ=บะหมี่หมูกรอบ。実際は豚バラ肉のカリカリ揚げ)
スープあり焼肉麺(同上)
炸醤麺(バミーラートソース=บะหมี่ราดซอส。ジャージャー麺)
また、個人的には麺に加えてぜひキヨウサー(餃子=เกี๊ยวซ่า)も試してみてほしいと思う。

少し小ぶりだが、ほどよい厚さの皮にくるまれた餃子はいつ食べても焼き面がいい具合のキツネ色になっていて、しかもパリパリに仕上がっていて感心させられる。
これだけのできばえのものにはなかなか出会えないので、自分が足繁く通う大きな理由のひとつになっている。
お昼時は避けたほうが無難
店は年中無休で営業時間は6時半から17時となっているが、やはり圧倒的にお昼時がにぎわう。
その時間帯の店内は、客のものすごい大きな声の中国語が飛びかいとても落ち着いて食事などできたものではない時も多いので、日中行くなら11時より前か1時半過ぎがいいと思う。
1品の量はそれほど多くはないが、麺と餃子を食べると結構お腹がいっぱいになるので、自分は朝食をコーヒーだけにしておいて10時半ごろ店に行き、ブランチがわりにこの2品を頼むことが多い。
タイ式の普通のバミー(中華麺)に飽きたとか物足りない、という時には特におすすめだ。




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