チェンマイの郊外にある一軒家に引っ越してからは、朝起きるとまずは各部屋の窓を開けて空気を入れ替え、続いて玄関のガラス引き戸を開けて外に出て朝の空気を胸いっぱい吸い込んでから、エントランスの階段を降りて門扉にかけた錠前を開放する。
この日の朝もいつもと同じような手順で玄関を開けるために外に出たのだが、何か見える風景に違和感がある。
が、まだ目が完全にさめていないのか具体的にどこが、というのがわからないので、とりあえずそのまま階段を降りて門扉のロックをはずして振り返った時に「あっ」と気がついた。
塀の上にパパイヤが置かれていたのだ。
おそらく塀の外側の道路からここに置いたのだろうが、写真で見てもわかる通り地面からは1mほどのコンクリート塀、さらにその上1mほどは鉄格子になっており、合わせて2mほどの高さがある。
パパイヤの大きさからして鉄格子の間からポンと置くことはできないので、鉄格子の間に手を入れて高さ約2mの塀の上からパパイヤをその手に渡し、それから降ろして来なければならない。
コンクリート塀の上に登れば一人でもできないことはないが、普通なら脚立を使うレベルである。
しかも、前日の夜は22時ごろまでこのパパイヤが見える場所で起きていたので、それ以降自分が起きた6時半ごろまでの間に置かれたことになる。
いったい、誰が置いたのだろうか???
とりあえず、このままにしておいてもしょうがないので家の中に入れた。
触ってみると、ほどよく柔らかくなっていて、食べごろだ。
日本だと、心配性な人なら「毒入りじゃないのか?」と疑って警察に通報するレベルかもしれないが、ここはチェンマイ。
周囲から恨みを買うようなこともしていないし、そのうち近所の知り合いの人とかが「パパイヤ置いておいたけど食べた?」とか言ってくるかも、と思いながら切ってマナオ(ライム)をかけておいしくいただいた。
もちろん、具合が悪くなるようなことはなかった(笑)
しかし、その後何日たってもそのように言ってくる人は現れなかった。
今に至っても、いったい誰がここにパパイヤを置いたのかは謎のままだ。
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