チェンマイでは、近年あちらこちらで「安全食品市」が開催されている。
人々の生活レベルの向上に伴って、食品、とりわけ野菜の安全性(農薬)に対する関心がこの数年で急激に高まっており、経済的に余裕のある人はそうした場所で各種食品を購入するようになっているようだ。
英語だと「Organic Market」などと書かれていることもあるが、実際には売っているものがすべてオーガニックというわけではないし、もっと言ってしまうと「その辺で売ってるものと同じじゃないの!?」と思うようなものも多いので「安全」かどうかすら疑わしいところもあるのだが……
まあ、それがチェンマイ(タイ)・スタンダードということで、すべては買い手責任ということなのだろう。
ビッグCやロータスのような普通のスーパーマーケットの野菜売り場ですら、最近はオーガニック、あるいは低農薬、一部有機の安全野菜の売り場が大きなスペースを占めているが、自分がもっぱら野菜などを購入するのは自宅からバイクで5分ほどのところにあるロイヤル・プロジェクト・ショップだ。
が、売っている商品のバリエーションはそれほど多くなく一年中ほぼ同じもので、また野菜に限られているので、気分転換を兼ねて時々あちらこちらの安全食品市に出かけている。
「安全食品市」と銘打たれたものはほぼ毎日、と言ってもよいくらいチェンマイのどこかで開催されているが、自分が特に気に入っているのは南西部郊外のチェンマイ大学農学部メーヒア・キャンパスで土曜日に開催されているものだ。
市内西部を流れる運河に沿って走るクローンチョンプラターン通り(国道121号線)を南に下り、第2環状道路(国道3029号線)との交差点にぶつかる1kmほど手前右側にある大学キャンパスの入口から約3kmアップダウンのある道を進んだところで市は開催されている。
このチェンマイ大学農学部メーヒア・キャンパスの敷地はドーイ(山)・ステープのふもとの広大な敷地を有しており、大通りから市場までの道路の両脇には見渡す限り農地や池、荒れ地が続いている。
この市場が他と違うのは、何といってもその景色だ。
ドーイ(山)・ステープの山体が、目の前にドーンと迫って来る。
市内のさまざまな場所から見えるドーイ(山)・ステープだが、なかなかここまで大きく見ることはできないだろう。
市場自体はこじんまりとしている。
せいぜい、10*20m四方といったところだろうか。
店舗数は30もないだろう。
一番人気と思われる市内やや北部のJJマーケットで日曜日に開かれる安全食品市とは比べ物にならない規模だが、野菜以外にもフルーツ、お菓子などのスナック、パン、惣菜などひと通りのものは揃っている。
何より人が少ないので、まったりできるところがよい。
買い物に来ているのも竹や木で編んだ手提げカゴ持参でおしゃれなファッションに身を包んだ人が多く、意識の高さがうかがえる。
ここに来る時は野菜やフルーツを買う以外にたいてい惣菜屋でおかずを買って帰りランチとするのだが、この日は朝食もとらずに出てきたので戻ったらすぐに食べるブランチにしようと思いぶらぶらと店を眺めていたのだが、もうひとつピンと来る店がない。
そこで、メインの東屋風の建物の脇にあるチェンマイ大学農学部の学生たちの出店で買うことにした。
素人の学生たちがやっている店なので凝ったものはなく、スナックやお菓子、あるいはちょっとだけ手を加えれば売れるようなものばかりでしっかり食事をしたい時には買えるものがないが、今日のようにブランチやおやつで食べるにはちょうどよいものが並んでいる。
店の品ぞろえをちょっとだけ眺めながら学生と話をしたりして最終的に買ったのは、ナムタオフー(豆乳)とパートンコー(揚げパン)だ。
豆乳の入った袋に「|」のしるしがついているが、これは「甘さ控えめ」のマークだ。
この店では、「砂糖なし」、「甘さ控えめ」、「甘さ普通」の3種類を用意していた。
しっかりと大豆の味がするナムタオフー(豆乳)
砂糖がまったく入らないと大豆の味がストレートに感じられるが少し飲みにくさも出てしまい、個人的には少し甘みを加えたほうが好きだな。
パートンコー(揚げパン)は小ぶりだ
屋台などでは1個いくらで売っているが、ここは最初からビニール袋に入れられていた。
揚げたてではないのは残念だが、自宅で食べても十分サクサク感は残っている。
量的にも、ブランチとするにはちょうどよい。
普段は豆乳というと、プリンス・ロイヤル・カレッジ前の屋台ばかりを利用しているのだが、夜しかやっていないので朝食やブランチの時には使えない。
今回はたまたま偶然利用した店ではあったが、また土曜日にこの安全食品市に来たら買ってもいいかな。
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