隔離措置を終えて帰チェンの途へ
2021年1月末に日本を発ってタイに入国、隔離措置施設(ASQ)での15泊16日の強制隔離を経て晴れて自由の身となった。
一時期、バンコクからチェンマイに移動した場合はチェンマイで14日間の自己隔離が求められていたが今はそれもなくなったので、バンコクで数日リハビリを兼ねて日本食を食べたりしてノンビリしてもよかったのだが、やはり一刻も早く帰チェンしたいという気持ちすの方が勝り、施設から一気にチェンマイへと向かった。
当初は昼過ぎのバンコクエアウェイズの便を予約していたのだが早々にキャンセルとなり、17時半発のPG219便に振り替えとなったため、時間には余裕がある。
滞在が許される時間を目いっぱい使い12時に隔離施設をチェックアウトし、車に乗ってスワンナプーム空港には12時半ごろ到着した。
スワンナプーム空港もやはり閑散としていた
もちろん予想はしていたのだが、スワンナプーム空港も成田同様閑散としていた。
ターミナルが分散されておらず、国内線も同じ場所にあるため成田空港ほどではないものの、やはり人が非常に少ない。
スワンナプーム空港では何度も夜明かししたことがあるが、平時であれば真夜中の3時4時でもこんなに人が少ないということはない。
まだ自分の搭乗便の出発までは5時間ほどあるが、とりあえず荷物を手放して身軽になりたいので、バンコクエアウェイズのチェックインカウンターに向かった。
自分が最初に予約を入れた便もキャンセルになったくらいなので国内線と言えども運航している数は少ないのだろうが、それにしてもチェックインしている人がまったくいない。
タイ人も飛行機に乗っての国内旅行は敬遠しているのだろうか。
カウンター手前に作られたチェックイン客を整理するための導線が寂しげに見えた。
その導線の入口手前にいた女性スタッフにeチケットを見せ「チェックインできますか?」と聞くと「できますよ」というので先に進んで行くと、その女性スタッフも一緒について来てカウンターまでエスコートしてくれた。
カウンターでeチケットを提示すると普通に搭乗券が出され、預け入れ荷物にもタグが取り付けられたが「まだ時間があるので、荷物はあちらで預けてください」と少し離れたサイズオーバーの荷物預け入れカウンターを指さされた。
カウンターまでエスコートしてくれた女性はチェックインの最中も脇に立っていたのだが、タグが付けられた荷物をカートに戻すとそのまま押してそちらに向かい始める。
もしかしたら、初めからこうなることがわかっていてずっと一緒にいてくれたのかもしれない。
さすがに「Asia’s Boutique Airline」を標榜するだけのことはある。
っていうか、他にまったく客がいなくて単に暇だっただけかもしれないが。
荷物も預けて身軽になったので、本当は制限エリア内にあるバンコクエアウェイズの搭乗客なら誰でも使えるラウンジに入りたかったのだが、やはりコロナ禍で営業を中止している。
しかたがないので、少し空港内をうろついてみた。
まずは、階下のレストラン街へ。
ほとんどの店が閉店しており、営業していたのは5~6軒といったところだろうか。
時間があったのでレストラン富士で日本食でも、とも思ったのだがこちらは店そのものがなくなっていた。
搭乗客は50人ほど。あっという間にチェンマイ到着
適当に時間をつぶしてからチケットのチェックを受けて制限エリアに入る。
この日のPG219便はB側のゲートからの出発だったので国際線への乗り継ぎエリアの前を通ったのだが、やはりまったく客がいないのだろう、一応チェックポイントに職員はいたけれど手持ちぶさたの様子だった。
搭乗ゲートの待合エリアに着くと、チェンマイ行きの機体が見えた。
この日のPG219便チェンマイ行きはエアバスA319型機での運航だった。
おそらく旧正月の最中で搭乗客が多いからこの機材だったのだろうが、flightradar24を見るとほとんどの日はプロペラ機のATR72-600になり、これだとジェット機よりチェンマイまでは30分ほど余計に時間がかかるようだ。
ほぼ定刻にボーディングとなり機内へと向かったが、中に入ったところではキャビンアテンダントの女性が手にアルコール除菌ジェルの入ったボトルを持って立っており、一人一人の手にボトルのポンプを押してジェルを落としていた。
この日の搭乗客は50人といったところ。
自分の席の隣2つは空席で1列独占だった。
搭乗便はあっという間にドアが閉まり、ほぼ定刻にゲートを離れチェンマイに向けて離陸した。
バンコクエアウェイズは、普段であれば簡素だがちゃんとした機内食が出る。
しかしコロナ禍のため現在はサービスを中止しており、降機の時に小さな紙袋が渡されるだけだ。
自分の時は、中にはツナマヨネーズがはさまれた小さなコッペパン風とドライケーキ、それに水が入ったペットボトルだった。
朝食以降何も口にしていなかったので、家に着いてからあっという間に食べてしまい写真を撮り忘れてしまったのは残念。
上空を飛んでいる間に陽が落ち、すっかり暗くなったチェンマイ空港に着陸したのは18時半を少し回った頃だった。
CM-CHANAを登録しないと一般エリアに出れない
ほぼ最後尾に座っていた自分が降機し、エスカレーターで預け入れ荷物を受け取るターンテーブルのあるフロアに降りると、何やら人だかりがしていた。
また、空港職員が大きな声を張り上げて盛んに何かを指さしている。
見ると、QRコードのついた大きなボードが出されており、人々はそれをスマホでスキャンしてから何かを入力していた。
これは「CM-CHANA(チェンマイ-チャナ(ชนะ=勝つ))」と呼ばれるアプリケーションで、チェンマイ県に入県する人すべてが登録を義務付けられているものだ。
在チェンマイ日本国総領事館のサイトにも2021年1月25日付で掲載されている。
もっとも、アプリケーションといっても自分のスマホにインストールするわけではない。
実は、自分はスワンナプーム空港でのチェックイン時にスタッフから「これ、やっといてね~」とQRコードが印刷された小さな紙片を受け取り、搭乗まで時間があったので済ませていたのだが、QRコードをスキャンすると「CM-CHANA」の画面が立ち上がり、それにしたがって必要事項を入力するようになっている。
登録事項は色々あって、手早く済ませても3分くらいはかかってしまうのではないだろうか。
言語は英語も選べるようになってはいるものの途中のプルダウンの選択肢がタイ語のままだったりして、外国人は結構混乱しそうだ。
チェンマイでの滞在先の住所をアムパー(อำเภอ=郡)、タムボン(ตำบล=村)レベルで要求されるので、ホテルに泊まる人とかはあらかじめ住所をメモしておいた方がいいかもしれない。
登録が正常に終了すると、スマホの電話番号にSMSが飛んでくる。
預け入れ荷物を受け取った後、一般エリアに出る扉の手前にはヘルメットをかぶった憲兵(?)が立っていてこのSMSの画面を見せないと先に進むことができない。
チェンマイ空港の荷物ターンテーブル周辺は手狭で落ち着いてアプリケーションへの入力ができるようなスペースがなかなか見つからないので、もし可能であれば自分のようにスワンナプーム空港でQRコードを取得して入力を済ませておいたほうがフラストレーションが溜まらないと思う。
到着ロビーは普段通り。帰チェンした感慨にひたる
チェンマイに無事到着し荷物を載せたカートを押しながら一般エリアに出ると、やはり人は少なかったもののいつもの見慣れた風景が広がっていた。
おそらく客がいないのだろう、市内へと向かうタクシーの呼び込みが激しい。
自宅に向かう車に乗りこんで少し走り出しエアポート交差点に着くと、日曜日の夜にもかかわらずエアポートプラザに入って行く車はまったくおらず、交通量も極端に少なかった。
振り返れば、日本を出てから16日目。
こんなにチェンマイに着くまでに時間がかかったのはもちろん初めてだ。
11か月ぶりに戻った住み慣れた自宅は事前にお友達が掃除を済ませてくれていたのできれいではあったが、明日からはまた0からスタートの気分で生活環境を整えていかなければならないなあ。
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