都市化の波が急速に押し寄せているチェンマイでは、人々のライフ・スタイルも近代的なものへと変わりつつあるのが現状だが、まだまだ昔ながらの北タイの雰囲気を色濃くとどめたところも残っている。
そのひとつが、タラート(市場)だろう。
ハイパーマート(大型スーパー)が登場した今でも、タラートは市民生活の中で重要な位置を占めており、特に生鮮食料品や自宅で食べる出来合いの惣菜などはタラートで買い求めるという人が多い。
市内にはいくつかの大きなタラートがあるが、中にはワローロット市場のように、チェンマイにやってく来るタイ人観光客のためのショッピング・スポットとしての機能を有しているものもあり、チェンマイ滞在中1度は足を運んでみたい場所だ。
迷路のように入りくんだ小道、売り込みの大声をあげるおばちゃん、タライの中でピチピチと勢いよく跳ねる小魚たち、日本では見たこともない南国らしい形をした野菜、どこから持ってきたのか、ほとんどガラクタのような家庭雑貨を並べる店……。
そんな風景を眺めながら雑踏の中をウロウロしていると、あっという間に時間が過ぎていく。
歩き疲れたら、市場の中かその周囲にある食堂などで、人々の姿を見やりながらノンビリと一服するのもいいだろう。
もっとローカルなタラート(市場)を見てみたい、という人は、バイクで20~30分走って郊外の村に行くとよい。
生鮮食料品と惣菜の店が並ぶ小さなタラートがいたるところにある。
いずれのタラートも、昼間は死んだように静かになっているところが多いので、早朝か夕方に行くのがいいだろう。