AQ予約を土壇場でTest&Goに変更
2013年からチェンマイに住んでいる自分は2021年6月に父の介護のため一時帰国し、2022年2月の初めに再びタイに入国することにした。
2月1日から「Test&Go（検疫隔離免除）」によるタイ入国申請受付が再開されたのだが、自分が手続きを開始した時点ではまだそれがアナウンスされていなかったので、AQ（Alternative Quarantine＝代替隔離措置）ホテルでの7日間隔離を選択、今回紹介する「Aspira Hana Residence Thong Lor」を予約した。
ホテルからの予約確認書を受け取り、AQ（Alternative Quarantine＝代替隔離措置）のスキームでタイの入国許可である「タイランドパス」を申請、受領してあとは出発するだけの状態だったのだが、2月に入ると突然ホテルから「これでタイランドパスの再申請をトライしてください」というメールとともに「Test&Go（検疫隔離免除）」での宿泊の予約確認書が送付されてきた。
「Test&Go（検疫隔離免除）」スキームであればタイ滞在1日目と5日目の2泊分のホテル予約があればよく、両日の宿泊先は同じホテルでなくても構わないので、1泊目だけをここにして陰性の結果が出たらチェンマイに戻ってそちらのホテルで5日目を過ごすということも可能だったのだが、すでにホテルには7日分の宿泊（2回のPCR検査を含む）代を支払い済みだし、2日目からは自由に外出できるので普段は乗り継ぎでせいぜい1～2泊するだけになっていたバンコクでゆっくりするのもいいと思い、このホテルで6日間を過ごすことにした。
「タイランドパス」は、在東京タイ王国大使館のサイトには「渡航予定日の7日前までにご登録が必要になります」と書かれていたが、自分が登録したのは日本出発の6日前。
「間に合うのだろうか……」とちょっとハラハラしたが、翌日には新しいタイランドパスが送られてきて何とか無事にタイに向かうことができた。
トンローの奥の方にあり最寄り駅まで徒歩だと30分
元々自分はAQ（Alternative Quarantine＝代替隔離措置）7日間隔離のつもりで予約していたのでロケーションはまったく気にしていなかったのだが、「Aspira Hana Residence Thong Lor」はトンローのソイ23にある。
TEL：02-102-3485
WEBSITE：aspirahotelsandresorts.com
E-Mail：Aspirathonglor@aspirahotelsandresorts.com
BTSのプロンポン、トンロー2駅が利用可能で、どちらも徒歩だと30分近くかかるが、バイクタクシーやトンローを走るミニバスを使えばそれほど不便は感じない。
運動不足解消のため滞在中は両方の駅との間を歩いてみたが、途中には日本人向けの飲食店がイヤというほどあり、歩いている人も日本語を話している人が普通にいたりしてバンコクが初めての人でもまったく不安は感じないだろう。
ホテルはトンローの大通りからソイ（路地）を200mほど入ったところにあり、このソイ自体は抜け道になっておりそこそこ交通量はあるものの基本的には静かで、落ち着いた滞在ができる。
規模は小さい。チェックインは外の駐車場で
名前から想像はつくだろうが、「Aspira Hana Residence Thong Lor」はベースがサービスアパートメントで、建物の規模は小さい。
ロビーも非常に狭くて、チェックインは何と外の駐車場のスペースを使って行われた。
まあ、狭いロビーでやるよりも感染対策という意味ではいいのかもしれないが。
チェックインの時にQRコードを2つ渡され、LINEで友達登録するように言われる。
ひとつはホテルのフロント、もうひとつは提携している病院のIDで、後者には朝夕2回の体温測定の結果報告をするように言われた。
自分の場合はもともとAQ（Alternative Quarantine＝代替隔離措置）での予約のためこのような対応になったのかもしれないが、1泊だけの場合はこうした登録はないかもしれない。
なぜなら、部屋に入ってみたら体温計が見当たらず、翌日にフロントにLINEして持って来てもらったので。
また、同時にこの後2回のPCR検査の予定と滞在中の注意事項などが書かれた紙を渡されたが、あとで部屋に入ってよく見たら、2回目のPCR検査の日付が間違っていた。
チェックインを終えホテルの館内に入りエレベーターを待っていると、スタッフが「夜食ですので部屋で食べてください」と言ってビニール袋をくれた。
この日ホテルに着いたのは23時近かったのでそれほどお腹は空いていなかったが、ありがたくいただき部屋に入って袋を開けてみると、中は豚の角煮ご飯とサラダだった。
なかなか見た目からしても厳しいものがあったが、前回2週間隔離のホテル（サービスアパートメント）ではほぼ同時刻にチェックインしても何も出なかったので、まだありがたいと言ったほうがいいかも（食べなかったけど）。
部屋はコンパクトで使いやすいが設備は古い
「Aspira Hana Residence Thong Lor」は1フロアに8室あり、そのうちのソイ（路地）に面した2室が他の6室に比べて広いようだ。
今回、自分はその2室（Deluxe Suite Balcony）のうちのひとつに滞在した。
部屋は、ドアを開けて入ったところの6畳ほどの広さのリビングダイニングキッチンと奥の16畳ほどのベッドルーム、それにバスルームで構成されている。
リビングダイニングキッチンにはソファと2人が座れるダイニングセットが置かれ、キッチンがある。
キッチンには電子レンジ、トースター、電気ケトルが置かれ、シンクや洗濯機もある。
食器も一通り揃っているので、プラスチック容器に入って配られる食事を皿に移して金属製の食器を使って食べればずいぶんと気分は違う。
シンク脇には食器を洗う用のスポンジと洗剤が置かれていた。
また、IH調理器も組み込まれているが鍋などはないので使うことはできない。
キッチンには、あらかじめ1.5リットル入りの飲料水のペットボトルが6本とインスタントコーヒーが4パック置かれていた。
手前の赤いのはゴミ袋だ。
洗濯機は普通に使うことができるが洗剤などは置かれていないので、日本から持って来るか外出が可能になってから近くのコンビニで買ってこなくてはならない。
ベッドルームにはダブルベッドのほかソファーと小さなテーブルが置かれている
こちらには窓がないが、ライトがかなり明るくなるので不便はそれほど感じない。
日本人にとってこのホテルのいいところは、テレビがNHKだけでなくほとんどの民放、さらにはWOWOWプレミアムまで視聴可能なことだ。
初日のPCR検査は結果が判明するまで原則部屋に滞在しなければならないので、暇つぶしにはもってこいだろう。
もちろんwi-fiもあって接続速度などはまったく問題ない。
リビングルームとベッドルームのちょうどつなぎ目のところにあるドアから、バルコニー（ベランダ）に出ることができる。
広さは1畳ほどだろうか、エアコンの室外機も置かれているので実際は半畳ほどしかない。
洗濯したものをここで干せればいいのだが、残念ながらランドリーラックなどはない。
ただ、自分が泊まった部屋のバルコニー（ベランダ）からは景色が開けていて、たまに出るといい気分転換にはなった。
バスルームはもちろんバスタブ付きで、ゆったりとしている。
バスタブは深さのある大きめのもので、日本に近い感覚で湯船に浸かることができるのはよい。
シャワーブースはセパレートされていて使いやすい。
用意されているアメニティはシャンプーとシャワージェル、固形石鹸だけだ。
ヘアコンディショナーなどはコンビニなどで買って来る必要がある。
また、かなり大きなバスタオルだけしかなくフェイスタオルも用意されていないというのはかなり不便だ。
ハブラシなども置かれていない。
去年滞在した隔離施設には用意されていたが、これがないのはかなり困るので日本から持って来た方がいいだろう。
また、トイレはウォシュレットつきだったのは驚いた。
タイ製か中国製か、少なくともTOTOではなく正直かなりラフな水の出方をするが、それでも日本でウォシュレットに慣れた人にとってはうれしいに違いない。
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日本円払いなら一番安いことも多い
朝食はかなりショボイ。外から買って来たほうがいい
自分が滞在した5日間、毎日朝食がサーブされたが、これはかなりショボかった。
ショボいというよりも「ひどい」と言ったほうがいいかもしれない。
唯一まともだったのは洋食だけで、おいしくないタイ料理のおかずにご飯だけというのはかなり厳しかった。
何より困ったのは、調味料がほぼまったくついて来なかったこと。
普通タイの安食堂などでこの手の料理を持ちかえれば必ずと言っていいほど複数の調味料が自動的についてくるものだが、何もないというのは一体どういうことだろう。
外国人にはつけなくてもいいと思っているのか、それとも支出を極限まで切り詰めようとしているのだろうか……
朝食のあまりのひどさに自分は2日目から食べるのをやめ、前日外に出た時にコンビニでパンなどを買って来て食べるようにした。
PCR検査は1日2回。結果はほぼ半日後
自分は5日間滞在して2回のPCR検査をホテルの部屋の入口で受けた。
スタッフの説明によれば検査は1日2回、朝の7時～8時と午後の5時～6時ごろとのことで、ほぼ半日後に結果が出る。
自分の場合結果はLINEで送られてきて、チェックアウト時に隔離証明書とともに正式な陰性証明書がもらえた。
施設によっては空港からホテルに向かう途中で病院に立ち寄りPCR検査を済ませてしまうところもあるようで、おそらくそちらの方が時間の節約にはなるだろう。
また、チェックアウトの際には、スタッフから「Mor Chana」というアプリのインストールを要求された。
これは位置情報追跡ならびに新型コロナウイルス感染者が近くにいた場合アラートを発するアプリのようで、登録時には「タイランドパス」のQRコードが必要になるのであらかじめ用意しておこう。
登録が正常に済むとアプリの画面が黄色から緑色に変わるが、ホテルのスタッフがそれもキチンと確認していた。
1泊だったら問題ないが、隔離されるならおすすめしない
去年、タイに入国した際2週間強制隔離されたのはバンコク東部郊外にある「THE VERTICAL SUITE」というサービスアパートメント。
「値段が違う」と言ってしまえばそれまでだが、比較すると部屋の造りや用意されているアメニティなどが今回宿泊した「Aspira Hana Residence Thong Lor」はかなり貧弱だった。
特に食事は「これはないだろう」というレベルで、まったく評価に値しない。
今回はホテル側が気をきかせてくれて（？）AQ（Alternative Quarantine＝代替隔離措置）での7日間隔離から到着翌日の検査で陰性になれば外出も可能な「Test&Go（検疫隔離免除）」になったおかげで外のコンビニなどに買い物に行けたからいいようなものの、もしこの食事レベルで7日間隔離されたら自分はフラストレーションが爆発していたかもしれない。
そういう意味では、10日間隔離でタイに入国する新型コロナワクチン未接種者の方とかにはまったくおすすめできないと思う。
BTSの駅までも徒歩30分ほどかかりロケーションも決してよくはないので、次の目的地がトンローやプロンポン近辺、あるいは自分のようにチェックアウト後は空港に直行で地方に行くような人が1泊するだけならいいだろう。
テレビは日本のチャンネルがたくさん見れるし、トイレにはウォシュレットもついているので、そういうのが必要な人にはいいと思う。
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