どんなホテル?
タイ人はタイ北部を北と南の半分に分け、北をパークヌア・トーンボン(ภาคเหนือตอนบน=上部北タイ)と呼びコンムアン(คนเมือง=都人(みやこびと)=チェンマイ人)の土地とし、南をパークヌア・トーンラーン(ภาคเหนือตอนล่าง=下部北タイ地方)と呼んで区別している。
その下部北タイ地方の中心都市と言ってもよく、旅行者にとってはタイ国発祥の地で世界遺産として知られているスコータイ観光の拠点ともなるピサヌロークにある高級ホテル。
チェンマイから車で行くとおよそ250km、5時間ほどかかる。
ロケーション
ピサヌロークの街はかなり広く見どころは点在しているため、観光客はスコータイ観光を含め比較的交通手段を確保しやすい鉄道駅周辺に宿を取ることが多いようだが、このヨディア・ヘリテージ・ホテルはそこからは少し離れている。
徒歩の場合は駅を背にしていずれかの道を右に進み、国道12号線に出たら歩道橋を渡って西へ。
ナーン川の橋のたもとまで行ったら右折し、右手にタイで一番美しいと言われている仏像のあるワット・プラシー・ラトナ・マハータートを見ながら川沿いを300~400m進むとホテルが見えて来る。
自分のようにチェンマイから自動車で来た場合、普通は国道11号線を右折して国道12号線を使って街に入って来ると思うが、橋のたもとでは右折できないのでそのまま直進していったん橋を渡り、Uターンして再び橋を渡ったらすぐ左折する。
駐車場は道路をはさんでホテル前のナーン川に面した部分に用意されている。
ホテルの前を流れるナーン川(ホテルの建物が川に面しているわけではない)
TEL:055-214677
WEBSITE:https://www.yodiaheritage.com/
ホテル内はお香がたかれ、錦鯉が泳ぐ小さな池もある
ホテルの外観は、ベージュ色の壁に濃い茶色の屋根の3階建てて、見た感じはそれほど高級ホテルには見えないのだが、一歩扉を開けて中に入るとそこは別世界。
木をふんだんに使ったインテリア、間接照明をじょうずに取り入れたディスプレイなど、まさに高級ブティックホテルである。
また、ところどころに小さなガラスの器に入った葉つきの花が飾られているのだが、おそらくわざとだろう葉の表面には水滴がいくつもつけられていて、これがまた涼しげな印象を与えている。
ホテル館内に入ってすぐのところには、デスクスタイルのチェックインカウンターがあり、座って手続きをしていると、ウエルカムドリンクと冷たいおしぼりがサーブされる。
周囲には小さな庭を眺められる細長いソファが備えられたユーティリティ・スペース、本棚と木製のテーブル&チェアが置かれたライブラリー、周りを囲むように木製の通路が造られている錦鯉の泳ぐ小さな池などがある。
どこにいても、ハーブであろうか気持ちのよい香りが漂っている。
部屋数が25とそれほど多くない上にこうした雰囲気づくりも相まって、ホテル全体が実に落ち着いた印象を与えている。
靴を脱いですごす、木をふんだんに使った客室
ホテルの客室は、スーペリア、デラックス、スイートに分かれているが、今回はデラックス・ツインベッドルームに宿泊した。
ベルボーイに案内され、エレベーターで最上階の3階に上がり、白い壁に濃い茶系に塗られたドアが並ぶ廊下を通り部屋に入る。
部屋は入ってすぐのところはタイル敷になっているものの、奥はよく磨かれたピカピカの木製になっており、手前で靴を脱いで入るようになっている(足ふきマットが置いてある)。
部屋は結構広くかなり余裕のある造りになっていて、これまた濃い色の木がふんだんに使われたインテリア、緑系でまとめられたクッションやベッドスローなどの組み合わせが気分をホッとさせる。
ライティングデスクの上には、ウエルカムフルーツとともに館内に置かれているのと同じ水を張ったガラスの小さな器に蓮であろうか、花のつぼみが浮かべられている。
入口近くのバスルームは、シャワーとバスタブがセパレートされているタイプ。寝室とは大きなすりガラスの引き戸で仕切られていて、開けることも可能だ。
チェックインしている間にスタッフが準備したのであろう、バスタブの頭の部分には火のついたアロマキャンドルが置かれていたのも心憎い演出だ。
アメニティもタイではまだ珍しいハブラシを含め必要なものはすべて揃っている。
部屋の奥、突きあたりはベランダになっている。
それほど広くはないが、木製のイスが2脚と小さなテーブルが置かれ、上にはオイルランプが乗っている。
自分が滞在していた時には連日夕方から天気が崩れたので使うことはなかったが、天気がよければここに火が灯るのかもしれない。
廊下からの眺めは市内中心部方向の割と殺風景な感じなのに対して、部屋のベランダからだとピサヌローク郊外の高い建物もほとんどない緑豊かな風景が眺められる。
なお、ベランダの下1階にはプールがありきれいにメンテナンスはされているがかなり小さくて、どちらかというと子供向きかもしれない。
チェンマイのホテルよりおいしいパンが出る朝食
朝食はホテル併設のレストランでいただく。
このレストランは1階と2階があり、宿泊客が少ないと1階だけを使って料理はセットメニュー、宿泊客が多いと2階も開放してビュッフェとなるようだ。
セットメニューはアメリカン、ヨーロピアン、アジアンの3種類が用意されており、木の枠にはまった豪華なメニューを渡される。
ビュッフェの場合は、この3種類のメニューの料理がすべて揃っているという感じだ。
スコータイ遺跡があるとはいえ、タイ北部の一地方都市に過ぎないピサヌロークのホテルの朝食は、おそらく他の地方都市と大差ないレベルなのだろうとそれほど期待してはいなかったのだが、出てきた料理を見てびっくり。
どれも、チェンマイの同クラスのホテルに比べてもまったくそん色がない、いやそれ以上のレベルなのだ。
セットメニューで目玉焼きを頼めば、太めのソーセージ、ハム、ちょうどよい焼き加減のベーコンに加えて、チーズがふりかけられた豆の煮込みがついてくる。
パンはクロワッサン、デニッシュ、トーストがかごに盛られて出てくるのだが、どれも非常においしい。
特にクロワッサンは、チェンマイでありがちなフニャフニャな食感ではなく、ちゃんと表面がパリッとしているのがすばらしかった。
聞いてみると、このレストランは朝食時以外はイタリア料理を出す店になっているようで、食材にもかなりこだわっているとのこと。
ピサヌロークにはあまり名物料理のようなものがなく(「空飛ぶ空芯菜炒め」というのはあるが、味ではなくデモンストレーションが有名)ホテルの近くには気のきいたレストランのようなものもないので、夕食はここでイタリアン、なんていうのもいいかもしれない。
実際にここで食事をしたお友達の話を聞いても、かなりの高評価であった。
コスパはチェンマイの同クラスのホテルよりずっといい
ピサヌロークは、チェンマイのように外国人観光客があふれかえっているような街ではなく、全体的にどことなくのんびりとした雰囲気が漂っているのだが、逆にその感じがこのヨディア・ヘリテージ・ホテルにぴったりとはまっているような気がする。
もちろん、従業員のサービスなどは高級ホテルのそれであり快適に滞在できるし、朝食も客が少ない分ワサワサしたところがまったくなく、優雅な朝のひと時を過ごすことができる。
個人的には、特に用がなくてもこのホテルに泊まるためだけにピサヌロークにドライブ旅行に出かけてもいいと思うくらいの素晴らしい滞在であった。
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