チェンマイで長期滞在生活するための手続きに必要となる書類、プロセスなどについては予告なく変更されますので、必ず当該官庁にて最新情報を確認してください。
「90日レポート」とは
タイの法律では、外国人で国内に90日以上滞在する者は居所をイミグレーションオフィスに届け出なくてはならないとされている。
この届け出が通称「90日レポート」と呼ばれている手続きだ。
これが必要なのは連続して90日以上タイ国内に滞在する場合のみで、国外に出れば滞在日数はリセットされる。
「90日レポート」はタイに入国してからもしくは前回の提出から90日目の前15日、後7日の間に提出しなければならず、忘れると罰金が科せられる。
なお、あくまでも90日であって3か月ではない、という点にも注意が必要だ。
日数の計算にはこのサイトが役に立つ。
チェンマイでの提出方法は6つ
自分が知る限り、チェンマイでの提出方法の選択肢は以下の6つある。
この中から、自分にとって都合のいいものを選べばいいだろう。
イミグレーションオフィスの窓口
ビザの更新などで何かとお世話になることの多い、チェンマイ空港近くのイミグレーションオフィスに出向いて窓口で提出する。
昔からある、一番ベーシックな方法だ。
イミグレーションオフィスのドライブスルー窓口
自動車かバイク(スクーター)でアクセスできる人限定だが、同じくチェンマイ空港近くのイミグレーションオフィスの建物に向かって左手のブースでドライブスルーでの提出も可能だ。
イミグレーションオフィス敷地内の駐車場はキャパシティが小さく空いていることはまれで、上記の窓口提出だと普通は大通りをはさんだ向かい側の私設有料駐車場を利用して歩いて来なくてはならず暑い日や雨の日などは苦痛だが、この方法なら自動車から降りる必要がないので楽だし、ほかの人との接触(=新型コロナウイルス感染)機会もほぼゼロなので安心だ。
インターネット(イミグレーションのサイト)
一度イミグレーションオフィスに出頭してレポートを提出している人が2度目以降提出する場合のみイミグレーションのウェブサイトから再提出が可能だ。
自分は利用したことがないが、友人知人の話だとシステムダウンを起こして使えないこともあるらしい。
チェンマイ市内や近郊に住んでいればイミグレーションオフィスまでは大した距離でもないので、個人的にはそれほど利便性が高いとは思わないが。
郵送
チェンマイ県の地方部に暮らしている人でオンライン(インターネット上)での提出ができない人には一番便利なのが郵送による提出ではないだろうか。
自分は使ったことがないので詳細はわからないし、現在でもまだ受け付けているのかどうかも不明だ。
これを利用したい人は、イミグレーションオフィスに事前に問合せをしたほうがいいように思う。
代行業者に依頼
90日レポート提出は本人の出頭義務がないので、エージェントに代行してもらうことも可能だ。
フリーペーパーなどに代行業者の広告が出ているし、ビザの取得・更新をサポートしてくれるところならどこでもやってもらえると思う。
ただ、パスポートを預けてまた返却してもらうため2度オフィスに足を運ばなければならず、自力でイミグレに行くよりかえって手間がかかるように思うがどうだろう。
セントラルフェスティバルのイミグレーションオフィスで提出
地元のタイ人からは略して「センタンフェス」と呼ばれることが多い、チェンマイ最大のショッピングショッピングセンターがセントラルフェスティバルだ。
ここに2022年6月イミグレーションオフィスの支所(?)がオープン、90日レポートを受け付けている。
自分は住まいが離れているためこれまで利用したことがなかったが、今回たまたま買い物で出かけたついでに90日レポートを提出してみた。
イミグレは2階奥の少しわかりにくい場所にある
セントラルフェスティバルのイミグレーションオフィスは2階のほぼ西端にあるのだが、かなり入り組んだ場所に位置している。
まずは、大型スポーツ店の「Super Sports」を探そう。
その左手に通路があり、イミグレーションオフィスの案内看板が出ている。
奥に進み左に直角に曲がると右手に郵便局があり、その奥にイミグレーションオフィスがある。
「90日レポート」提出に必要なもの
費用はかからない。
「90日レポート」用紙(TM-47)(原本)
正式名称は「FORM FOR ALIEN TO NOTIFY OF STAYING LONGER THAN 90 DAYS(90日以上滞在する外国人のための書式)」という。
あらかじめイミグレーションオフィスのサイトの「Download Form」の2ページ目のNO.18から取り込んであらかじめ記入して来ると楽だ。
それができなければ、イミグレーションオフィスに入ってすぐ左手のデスクに用紙が置いてあるのでその場で記入しよう。
記入する項目は氏名、パスポート番号などお決まりのもののほか、入国日や住所など簡単なものばかりで戸惑うようなことはない。
パスポート(現物)
コピーなどは不要で現物だけあればよい。
提出の流れ
イミグレーションオフィスの内部は衝立で手前と奥の2つに仕切られており、手前の受付カウンターで書類チェックなどを受け、要件ごとに分かれた番号が書かれたカードを受け取ってから奥に進んでイスに座って順番を待つスタイルになっている。
自分がイミグレーションオフィスを訪れたのは遅いランチをとった後の午後2時半くらいだったが、受付カウンターの前には15人くらいの列ができていた。
すべての手続きの人が同じ列に並んでいるので、チェックする書類の多い人とかがいると全然先に進まない。
3~4分並んでいただろうか、自分の後ろにも長い列ができてしまい「こりゃいったいどのくらい待たされるのだろう」と思っていたら、男性の係官が奥から出て来て並んでいる人が何の要件なのかをチェックし始め、自分のように90日レポート提出の人は上記TM-47の用紙とパスポートをチェックすると番号札を手渡し、奥に入って待つように言った。
自分が受け取ったのは35番。
ということは、この日は午後2時半で90日レポートを提出したのは自分で35人目ということなのだろう。
番号札は、以前イミグレーションオフィスの支所があったショッピングモール「プロムナーダ」(電気代滞納という前代未聞の理由でつぶれた)で使われていたものをそのまま流用していた。
番号札を受け取って衝立の奥に進むと待合スペースがあったが、まったくイスは空いていなかった。
カウンターの前には「ビザ」、「リエントリーパーミット(再入国許可)」などそれぞれの用件が書かれているが、番号札の数字を示すような電光掲示板とかがないのであとどのくらい待たなければならないのかまったくわからない。
座るところがないのでしばらくボ~ッと突っ立っていたら、90日レポートのカウンターの中にいた男性係官が大声で数字を叫んだ。
番号は自分の4人前だった。
90日レポートの処理自体はそんなに時間がかかるものではないので、業者が一人で何人もの提出をしたりしなければ、大して待つこともないだろうと少し安心した。
そのまま同じ場所で7~8分も待っていただろうか、自分の番号が呼び出された。
カウンターの前に行きワイ(合掌)してから用紙とパスポート、番号札をカウンターに差し出すと男性は微笑みを浮かべてからパソコンに向かって何かを入力し始め、1分もたたないうちにパスポートと新しい90日レポート提出済を証明する紙を戻してくれた。
紙には次回の90日レポート提出日(目安)がプリントされているので、それを確認したら完了だ。
以前はイミグレのほうでパスポートに次回の提出日が見えるように折りたたんでホチキス止めして返却してくれたのだが、ここではそのようなサービス(?)はやっていないようだ。
なので、家に戻ったら紛失したり提出忘れがないよう同じようにしておこう。
引っ越していたためTM30もチェックされた
自分は今回90日レポートを提出する1ヶ月ほど前に引っ越しをしていて、住所が前回のレポートとは異なっていた。
担当係官はそれに気がついたのだろう、今回パスポートとともに提出した90日レポートの用紙(TM-47)と引っ越し時に届け出てパスポートにホチキス止めされていたTM30の紙に記載されている住所を2~3回突合して合致しているかを確認していた。
タイのお役所はいい加減なことも多いが、いつこういうところでチェックされるかわからない(今はコンピュータシステムで色々なものが連携してたりするので)ので義務とされているものはキチンとやっておいたほうがいいと思う。
買い物や食事のついでに提出するならいいかも
今回初めてセントラルフェスティバルのイミグレーションオフィス支所で90日レポートを提出したが、個人的にはわざわざここまで来るようなメリットは特に感じられず、買い物や食事(上階には日本食レストランが多数ある)のついでならいいかも、というのが正直な感想だ。
イミグレに出頭するのであれば、自分のように自動車やスクーターを持っていればチェンマイ空港近くのイミグレーションオフィスでのドライブスルー提出が一番楽だし、2回目以降の提出であればインターネットがおそらく一番便利だろう。
本心を言えば、TM30同様何のために義務としているのかよくわからない手続き制度はなくなるのが一番いいのだが。
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