「タイの秘宝」ウッタラディットでトップクラスのホテル
タイ各地を旅している人、タイに長年住んでいる人でもウッタラディットを訪れたことがある人は少ないのではないだろうか。
チェンマイの南およそ250kmのところにあるこの街は、タイ人がパークヌアトーンラーン(ภาคเหนือตอนล่าง=下部北タイ地方)と呼ぶエリアにある県庁所在地ではあるが、すぐ西の世界遺産のスコータイやシーサッチャナ-ライのような有名観光スポットがないことからわざわざ旅する人はまれで、ほとんどは鉄道またはバスで通過するだけだ。
そんなことからこの街を「タイの秘宝(Hidden Treasure)」などと呼ぶ英語のガイドブックもあるが、実際に旅してみるとアマゾネス伝説の村や特産の鉄鉱石を神格化して祀った寺院など他にはない変わったスポットも多く興味をそそられる街でもある。
そんなウッタラディットだけを目的地にしたチェンマイからのドライブ旅行をした時に宿泊したのが、今回紹介する「フライデーホテル」だ。
ちなみに、ウィキペディアによれば、“「ウッタラディット」は、ナーン川の一大貿易拠点だったことから、『北の港』や『北の荷卸し地』をタイ語で意味する名前がつけられた”とのことだ。
インドにウッタルプラデーシュという州があるが、このウッタルも「北」という意味なので、おそらく語源(サンスクリット?)が同じなのだろう。
下はデパート、夜は前に屋台が並ぶ
「フライデーホテル」は、ウッタラディットの街のほぼ中心部にある。
住所:172 Barom-Asana Road A.Muang
TEL:055-832775~79
WEBSITE:https://www.fridayhotel.com/
鉄道駅から南に伸びる街一番の繁華街(といっても背の高い建物はほとんどない)のランドマーク的な存在だろう「フライデーデパート」の上階をホテルとしている。
飲食店はデパートの中にタイ全土で見かけるような飲食チェーンがいくつも入っているほか、周囲の商店街にもたくさんある。
また、斜め向かいには7-11とタラート(市場)もありデパートの前のオープンスペースには夜になると屋台が数軒並んだりもするので、食事や買い物にはまったく困らないだろう。
自動車の駐車場は、ホテルの建物の脇を入って行って裏側から入るようになっている。
ホテルの入口も正面の大通り沿いではなく駐車場に向かう途中にある。
典型的なタイの地方都市のホテル
下がデパートになっているので、ホテルのフロントはエレベーターで上がった5階になる。
全体的な造りはタイのひと昔ふた昔前の地方の高級ホテルそのものだ。
客室はどことなくうす暗く設備などもシンプルだが、全体的に重厚感があって落ち着いた雰囲気になっている。
部屋もゆったりした広さがある。
テーブルとチェア、テレビに冷蔵庫やデスクなどはごく普通のものだ。
クローゼットの中にはガウンやスリッパが置かれているがスリッパは使い捨てではなくかなりくたびれた布製で、正直履く気にはならなかった。
ホテルの周囲(というかウッタラディットの街自体)に高い建物がほとんどないので、部屋の窓からは北方向の山々まで見渡すことができる。
「フライデーホテル」の浴室にはバスタブがついている。
ホテルそのものと同様にかなり使い込まれた感じは否めない。
シャワーヘッドも壁に据え付けの今となってはむしろ珍しいくらいかもしれない旧式だ。
自分が宿泊した部屋は熱いお湯は出たものの水勢が弱く、バスタブにお湯をためるのに時間がかかってしまったのが残念だった。
アメニティもシャンプーと石鹸など、必要最低限のものしかない。
地方のホテルでは高級と言えどもこんな感じは普通なので、ほかに必要なものがあれば階下のデパートに入っているドラッグストアか通りの斜め向かいにある7-11に行って調達しよう。
朝食は一部オーダー式になっている。
朝食はホテルとしては一番下の階になる吹き抜けのレストランが会場となる。
自分が泊まった時の夜は営業していなかったが一部日本料理レストランになっているようで、和風の提灯とかのれんとかが見える。
朝食はメインがオーダー制、それ以外は自分で取って来るスタイルだ。
会場に入ると店員がメインのメニューを持って来るのでその中から選ぶ。
パンやドリンクなどはそれほどバリエーションがあるわけではないがひと通りは揃っている。
タイ人宿泊客がほとんどだからだろう、お粥も置かれていた。
タイ人が多いと普通のご飯にタイカレーや炒め物などを用意しているホテルが多いのだが、ここはそういう類の料理はなかった・
また、フルーツやサラダが見あたらなかったのも残念。
ちなみに今回は目玉焼き(ターンオーバー)を頼んだのだが、こんな感じだった。
ハムやチキンソーセージ、付け合わせの野菜も「これぞタイの地方都市のホテルの朝食」といった感じだ。
ウッタラディットに泊まるならおすすめ
観光地ではないタイ地方都市のウッタラディットでは、ホテルそのものの選択肢が少なくバックパッカーとかが訪れるわけでもないのでゲストハウス的なものもない。
自分がここを利用した時朝食会場を見ていたら、宿泊している人の多くは出張で当地を訪れている公務員や揃いのポロシャツを着た企業社員のグループのようだった。
旅行者でウッタラディットに泊まるという人は今後も増えるようなことはないだろうが、もしそういう人がいるのであれば候補にしても悪くないと思う。
値段も、地方都市だけあってチェンマイあたりと比べるとかなり割安だ。
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