10日ほど前から、深夜から明け方を中心に雨が降るようになってきたチェンマイ。
タイ気象局の発表では今年の雨季入りは例年と比べて遅くなる、とのことだったのだが、この調子だともう雨季に入ったと言ってもよい感じだ。
チェンマイの郊外にある自宅の周りでは、雨が降り出すとさまざまな変化を目にすることができる。
それまでカラカラに乾いていた庭からは雑草が驚くほどのスピードで生えて来たり、雨が降った翌日の夕方から夜にかけてものすごい数の羽虫が発生して家の中にも入りこんできたり……と何年住んでいても熱帯の自然の力強さには驚かされる。
そんな中でも、個人的に最も雨季の到来を感じさせることのひとつがヤスデの登場だ。
雨が降った後、庭やガレージ周辺のコンクリートなどを何匹ものヤスデがはっている。
おもに目にするのは長さが10~15cmほどもある大きなもので、ゆっくりと地面の上を動いていく。
【動画】脚の動き方が妙にリアルだ
湿り気が好きだが水は嫌いというわがままな(?)性格のようで、雨が降ると水を避けるために大量に現れるようだ。
ヤスデ自体はかみついてきたりするわけでも毒を持っているわけもなく、ウィキペディアによれば「土壌の有機物や枯葉とそこにつく真菌類を主に食べて」おり、「糞は栄養分に富むため樹木の成長に影響を与えている」らしい。
実際、見ているとゆっくりとどこかに逃げるようにして去っていくのが普通で、たまにホウキでつついたりするとクルッと身体を丸めて動かなくなる。
しかしながら、見た目が不快なことや踏むと異臭を発することから人間からは嫌われているらしく、自分も見ていると何となく悪寒が走ることが多い。
幸いその異臭をかいだことはないが、いったいどんなニオイがするのだろうか。
たぶんそれが嫌なのだろう鳥もヤスデは食べないようで、庭にはよく干からびた死骸が落ちている。
地面だけではなく、塀などにへばりついて動いていることもある
子供なのか別の種類なのか、触覚の長い2~3cmの小型のものもいる。
動画にも映っているが、こいつは動きが早い。
外にいる分にはまったく問題ないのだが、時々家の中に入ってくるのは本当に困る。
たぶんバスルームの排水口を伝わって侵入するのだろう、ある時などベッドルーム(主寝室なので専用のシャワー&トイレルームがある)の床にこいつがいて、危うく踏みそうになってしまった。
それ以来、夜寝ている時にトイレに行きたくなったらまずは電気をつけて部屋を明るくして、床にヤスデがいないことを確認してからベッドを降りる習慣が身についた。
今年もヤスデをたくさん目にすることで、いよいよ待望の雨季入りを実感している今日この頃だ。
コメント