はじめに
チェンマイのホテルを料金や設備面も含めたクラス(グレード)によって分類すると、
(1)ホテル
(2)ブティックホテル
(3)ゲストハウス・旅社
(4)リゾート
に大きく分けることができる。
また、最近では空き部屋を日貸しする
(5)アパート・コンドミニアム
が増えており、新たな選択肢として加わっている。
このページと合わせて「エリアから見たヒント」も読んでいただければ、よりホテル選びのヒントがつかみやすくなるかと思う。
ホテル
ナイトバザール周辺、フアイケーオ通りに特に多い。
バスタブ付きにフカフカのタオルは当たり前、タイが初めての人でも問題なく利用できるだろう。
一般的な定価は、1泊1,500THBから高いところで7,000THBといったところだろうか。
以前なら、チェンマイのホテルは供給過多でピーク時を除けば半額近くのディスカウントがごく普通に行われていたのだが、中国(本土)系旅行者の爆増に伴って、今では「オフシーズン」という言葉も死語に近くなり、値段は全般的に高止まり傾向にある。
旅行代理店やホテル予約サイトで予約するのが一番(ホテルに直接聞くよりも)安いことが多い。
ホテル予約サイトでは、一般的なホテルだと700THBくらいから扱っているので、長くチェンマイに滞在する人はまず2~3泊予約を入れておいて、その間に下見をして長逗留する場所を見つけて新たに予約を入れる、というやり方もよいと思う。
また、チェンマイ空港にもホテル協会のカウンターがあり、街なかの旅行代理店とほとんど同じ値段で予約してくれるし、ターミナルの建物を出たところにホテルのワンボックスカーが待っている(ここに車を停められるのは協会加盟のホテルのみ)ので利用価値が高い。
このサイトで紹介している多くは、このホテルと下に紹介するブティックホテルだ。
ブティックホテル
ブティックホテルは、日本のようにラブホテルのことを指すのではない。
おそらく明確な定義はないと思うのだが、ブティックホテルを名乗っているところの共通点をあげるとすれば、
(1)部屋数が少ない
(2)外観・インテリアともにタイ(コロニアル)様式をふんだんに取り入れている(自分のカミさんに言わせれば「欧米人がイメージするタイ」だそうだ)
(3)設備は高級感が漂い値段も(タイでは)高い
といったことがあげられるであろうか。
こうしたブティックホテルは2000年代中ごろから急速に増え始めたが、その嚆矢となったのは、タマリンド・ビレッジと女優のアンジェリーナ・ジョリーが宿泊したことで一躍有名になったラチャマンカであろう。
定義が明確でないためその設備やサービスは千差万別で、全室スイートタイプから「ホンテウ」と呼ばれるタイ式タウンハウスを改造してブティックホテルと名乗っているもの、バスルームなら独立したレインシャワーブースにジャグジー付バスタブを備えているところから、狭いシャワールームのみのところまで、大変差が激しい。
また、客室数が少ないため、宿泊客の減少が続くとプール清掃などのメインテナンスがおろそかになったり、朝食がビュッフェ形式からメニューを使ったオーダー形式に変更になったりとインターネットなどで最新情報を集めたつもりで宿泊しても、実際は違ったというようなことが起こりやすい。
経営的に不安定なところも多く、売買が繰り返されて頻繁に名前が変わったりしているところもあるので、そういうホテルはサービスレベルが安定していない可能性がある。
こうしたブティックホテルを利用する際に最も失敗の少ない方法は、実際に部屋などを見せてもらってから泊まるかどうかを決めるということなのだが、短期の旅行などではなかなかそういうわけにもいかないだろう。
そういう意味では、多少のリスク(不確実な要素)もあるのだということを理解した上で泊まったほうが「実際に行ってみたらガッカリ」みたいなショックは少なくて済むかもしれない。
ゲストハウス・旅社
ゲストハウスはターペー門の周辺に特に多い。
ゲストハウスといってもピンからキリまであり、下は200THB以下(ドミトリー)から上はホテルとほとんど変わらないものまで、設備や値段かなり大きな幅があるのでなかなか名前だけでは判断しがたいクラスだ。
ゲストハウスは基本的に予約の必要はなく飛び込みで部屋を見てから決める、というのが普通だと思うが、最近では予約サイトで数百円の宿も予約できるようになっているので、例えばチェンマイ到着が夜になるとかいう場合は泊まるところを決めておいたほうが安心だろう。
中には治安に問題があったり(2000年夏には中心部にあるゲストハウスで白人旅行者が従業員に殺されるという事件が発生)、現地の人達から「不良外国人の溜まり場」と噂されているようなところもあるので、自分の目で十分確認してから泊まるようにすべきだ。
なお、中国式の安宿である旅社は、以前ワローロット市場北西のラーチャウォン通り沿いに数軒固まっていたのだが、いずれも閉鎖またはリノベーションされてきれいなホテルへと生まれ変わっている。
リゾート
「エリアから見たヒント」のページで「北部および南部郊外」と記した、国道107号線を北へ進みメーリムの街から西に入ったところにあるメーサー谷と市の南のハーンドンの街の手前から国道1269号線を進んだメーハー村近辺に特に多くある。
森や渓谷の中に作られた施設で、フラワーガーデンや温泉を併設しているようなところもある。
このほかにも、今では少し郊外に行けば「リゾート」と名のついた宿泊施設が山のようにあるが、2本の環状道路(国道3029号線と121号線)沿いにある「リゾート」という看板はラブホテルであることがほとんどだ。
部屋はコテージ式が中心で、設備は市内の一般的なホテルに比べるとやや落ちるといったところだろうか。
料金は1泊3,000THB前後かそれ以上のところが多い。
飛び抜けた例外は北部郊外のメーリムにあるフォーシーズンズ・リゾート・チェンマイで、1泊1万THB以上とケタ違いだ。
市中心部との交通はシャトルバスのサービスなどが用意されているものの、かなりの距離があるので、基本的に滞在期間中は外へは出れないと覚悟しておいた方がいいかもしれない。
その分、街の喧騒とは無縁の環境でノンビリできるというメリットはある。
アパート・コンドミニアム
最近のチェンマイの宿泊施設の傾向として、3,000THB以上の高級ホテルと格安のゲストハウスはたくさんあるものの、1,000THB程度のリーズナブルな中級クラスが少ないような気がするが、現在そこをカバーしているのが日貸しをしてくれるアパートやコンドミニアムだと言うことができると思う。
ナイトバザール周辺など街のど真ん中にはあまり見られないが、ほんの少し離れるだけでアパートやコンドミニアムは至るところにあり、日貸しをしているところは英語併記で「1日***B、1ヶ月****B」などと掲示している。
タイ語のみの表示であっても料金の部分は英数字で書いてあることが多いので、読めなくても意味は理解はできるだろう。
逆にタイ数字でしか料金が書かれていないところは、外国人に貸す気がないので避けたほうがよい。
これらの物件は基本的にタイ人向けに作られており、料金から言ってもバスタブは望むべくもないが、湯沸かし器でのホットシャワー、エアコンや家具、冷蔵庫などは付いている。
また、ベッドメイキングやランドリーなどのサービスもホテル並みにやってくれるし、カーオパット(炒飯)のような簡単な食事を30~40THB程度で1階にある食堂が部屋まで出前してくれたり、インターネットに接続されているパソコンやレンタルバイクも用意されていて、アパートに泊まっているという感じをまったく受けないところも多い。
部屋のキーはフロントでくれるが、南京錠をかける金具がドアに別に付いているところが多いので、それを併用するとセキュリティー面でも安心できる(普通に部屋を借りているタイ人も必ず南京錠を使っている)。
最近では、カード式のキーを採用しているところも多くなった。
また、このようなアパートに泊まることの魅力のひとつとして、タイ人の暮らしを垣間見ることができる、というのがある。
特に朝夕は、自動車やバイクに相乗りしたりして通勤・通学する風景を眺められ、結構おもしろいのではないだろうか。
週単位・月単位で借りるとかなり安くなることが多いので、ある程度の期間滞在する人のほうが利用するメリットはさらに大きくなる。
このクラスのホテルを探すのであれば、予約サイトとともにAirbnbが役に立つかもしれない。
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