1週間ほど旅行に出てチェンマイの自宅に戻って来たら、プランターの花がすっかり枯れていた。
乾季終盤のこの時期、家にいればプランターの花にはほぼ毎日朝と夕に、庭の芝や木には1日おきくらいに水やりをしているのだが、さすがに1週間も水なしだと花のほうはひとたまりもないようだ。
しかたがないので、枯れてしまった花と土をすべて取り除いて、プランターの中をいったん日光消毒するように庭に置いてから車に乗って新しい花を買いに出かけた。
プランターの花を買いに行くのは、市内の北部にあるカムティエン市場が多い。
チェンマイでは、車で道路を走っていると結構あちらこちらに草木を売る店があるほか、スーパーマーケットの駐車場の脇とかにも植木屋が出ていたりするのだが、このカムティエン市場は草木・園芸用品専門のタラート(市場)で、見ているだけでも楽しくなるのでやはりここまで足を運ぶことが多い。
カムティエン市場は広大な敷地を有しており、とても歩いて見て回れる規模ではない。
なので、多くの人は車で来て、市場の中をノロノロと走りながらよさげな店を見つけるとその前に車を止めて降り、草木を物色する。
中には車から外に出ず、窓を開けただけで店の人に注文を出して買い物をする人もいたりして、まさに熱帯の暑い気候のタイならではの光景が繰り広げられている。
自分も同じように車をゆっくり走らせて市場の中をグルグル回った後、花をたくさん売っているよさげな店の前で車を止めた。
日本でも自宅の門から玄関までのエントランスに花を飾るのを楽しみにしていて、チェンマイに引っ越して来たら南国だからもっと色々な花があって楽しめるのではないか、と思っていた。
が、実際にこちらに来てみると、案外そうではなかった。
季節によって種類は若干異なるものの、売っているのは日本でもありふれたものがせいぜい4~5種類程度で、選択肢がほとんどないのだ。
考えてみたら、日本で買っていたのはサントリーやキリンに代表されるようなバイオ企業が作り出した、言ってみれば自然界には存在しない工業製品の花だった。
タイの、ましてやチェンマイの草木市場では、業者が郊外の畑(?)で自ら栽培したものを持って来て売っている(店の看板にはメーリムとか地方の地名が書いてあることが多い)ケースが圧倒的に多い。
そもそも、バイオ企業が作るような特殊な花の種子(?)をこちらでは入手することが困難だろうし、育てられたとしても高価になって顧客ニーズもほとんどなく割に合わないのではないだろうか。
その分値段がメチャクチャ安いので、色々とっかえひっかえ植え替えることができるというのはあるが……
今回は「日本ホウセンカ」と書かれている花を購入した
「日本」と言われても何のこっちゃ?、という感じなのだが、どうやらインパチェンスの仲間のようだ(間違っていたらごめんなさい)。
ひとつ15THB(約50JPY)という、「これで利益は出るのか?」と思ってしまうような安さだが、そこは店も考えており今回は肥料をすすめられたので一緒に購入した。
土も家に在庫がなかったので合わせて購入だ
自宅に戻ったら気温は35度近くに達していてとても屋外で作業をする気にならなかったので、その日は日陰に買って来た花を置いて水をやり、翌日の朝に植え替えをすることにした。
そして翌日の朝、起きたらすぐに作業に取りかかる。
買って来た花の根元の部分には、日本と同様プラスチックやビニールでできた鉢もどきのカバーがついているのでそれをとりはずす。
すると、土は少なくて稲のもみ殻が主に使われていた
詳しくはわからないが、もみ殻にも花によい栄養はあるのだろうし、何より土を使うよりも安くて軽く簡単に手に入るのだろうから栽培農家も利用しているのだろう。
さすが、稲作大国タイらしい知恵だ。
植え替えといっても鉢に花を入れ、空いたスペースに土を入れれば終わりだ
エントランスの階段に並べて置く
たったこれだけでも、花があるのとないのとでは見た目も気分も違う。
雨季が始まるまでは引き続き毎日の水やりは手間なのだが、それを補って余りある癒し効果だね(^^)
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