発行:Silkworm Books
ISBN:974-7100-36-3
価格:395THB
タイトルの通り、バイクを使ってタイ北部を旅する人のためのガイドブック。
タイトルには「ゴールデントライアングル」とあるが、チェンマイを起点としてチェンラーイ、ナーン、パヤオ、プレー、ラムパーンなどの各方面を幅広くカバーしている。
体裁や内容は、実用に徹した至ってシンプルなつくりで、版型はツーリングの途中でもすぐに取りだして見ることのできるポケットサイズ。
200ページ強あるコンテンツも、ルート別の簡単なコース説明に、その中のポイントとなる地点間の距離、所要時間、道路の状態などが簡潔に記載されているだけだが、必要な情報はキチンと押さえられている。
コース説明の冒頭には、それが経験者向けかそうでないかが明記されいる(「経験者」の定義も巻頭に載っている)ので、コースを選ぶ際に不安に思うようなこともないだろう。
マップは縮尺や方向などをまったく考慮せずに直線のみで描かれ、ポイントの名前とポイント間の距離が記されただけのまったく簡略なもので、さすがにこの地図だけでドライブに出るのには少々無理があると思うが、これも巻頭におすすめの地図が紹介されているなど、フォローはされている。
主要都市については宿泊施設も案内されているが数は少なく、電話番号と値段、設備などが簡単にコメントされているだけなので、あくまでのドライブだけのためのガイドブックと割り切って使った方がいいかもしれない。
チェンマイのレンタルバイク事情やツーリングに出る時の注意事項などの一般的な情報もほとんど載っていない。
紹介されているコースは、県都など主要都市間を結ぶ国道ルートはもちろんのこと、そこからはずれた山の中にある山岳少数民族の村を訪ねるコースや、同じ道を2度通らずに出発地に戻って来ることができる周回コースなど数が豊富で、北タイの地理をある程度知っている人なら、読んでいるだけでも楽しくなるだろう。
「バイクで行くチェンマイ郊外ドライブ」のコーナーで紹介しているような、チェンマイ近郊のルートは載っていない(というか、そういうのはツーリングとは言わないのだろう)ので、どちらかというと、ある程度の長距離をバイクを使って旅したい人向けのガイドブックだ。
なお、著者のデビット・アンコビッチ氏は確か2017年にチェンマイで亡くなっているので、残念だが今後改訂版が出されることはないと思われる。
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