ネパールではお友達夫婦が揃っての会食は珍しい
カトマンズに滞在中は、自分とカミさん2人だけで食事をするのは朝食くらいなもので、あとはずっとほぼ現地のお友達と一緒だ。
外で食べることもあれば、家にお招きいただいて家庭料理をごちそうになることもあるが、この日はお友達から電話があり「うちのワイフも時間があって会いたいと言ってるから、4人で夕食に行こうよ」と電話があった。
自分が付き合っているお友達のほとんどはカトマンズの先住民族であるネワール人なのだが、彼らに限らずネパールの多くの女性は既婚未婚を問わずほとんど自由に外出をすることがない、というか宗教的な理由もあって許されていない。
例えば、普段奥さんは家の中から一歩も出ることがなく、日常の生鮮食料品でさえ旦那さんが街に出て買って来る、なんていうのもまったく珍しくない。
今では考え方もずいぶん変わって、特に若い人たちの間ではそういうタブーも消えつつあるのだが。
なので、自分とカミさんもお友達の奥さんとはもちろん顔なじみだし家に行けば普通に話をしたりするのだが、外で食事をするとなると出てくるのは旦那さんだけ、ということが普通なので、こういう機会はなかなかない。
空港近くのセクワの店「エアポート・セクワ」へ
お友達が泊っているホテルまで車で迎えに来てくれ、向かった先はトリブバン空港のすぐ近くにある「メリディアン・スイート」というホテルであった。
この辺は、自分が住んでいた1980年代末期は建物など1軒もなく荒れ地が続いていたのだが、今では店舗や家がびっしりで地方から出て来た空港利用客相手なのか、近くにある聖地パシュパティナート寺院の巡礼客相手なのか今ひとつターゲットがよくわからないのだが、ホテルも数多く建っている。
「メリディアン」といっても、もちろんあのメリディアンではない。
ホテル名の電飾看板も一部欠けたままなのが何ともネパールだ
1階がレストランになっており、どうやらここで食事をするようだ。
店の名前は「エアポート・セクワ」という。
「セクワ」はネパール料理に詳しい人でないとおそらく聞いたこともないだろうが、レストランの看板でもわかる通り「ネパール式のバーベキュー」とでも呼べばいいだろう。
鶏肉や水牛肉、マトンやヤギ肉をニンニク、ショウガ、クミン、ターメリックやマサラなどで漬け込んでから串に刺して焼いたもので、普通は串からはずされて供される。
酒を飲む人にとっては絶好のつまみであり、そうでない人にとってはスナック的に食べることが多い料理だ。
店はホテルの中にあるので、多少の高級感が漂っている。
あくまで「ネパール基準」で、だが(笑)
ポン菓子のようなご飯でセクワを食べる
店のメニューには、セクワ以外にもさまざまなネパール料理が並んでいた。
自分はタイでもネパールでも現地のお友達と食事をする時はほとんどその人に注文をおまかせしてしまうのだが、この日も同様だ。
実は途中から話に夢中になって料理の写真を撮り忘れてしまったので、ほんの一部だけ紹介する。
チキンセクワ
ヤギ肉のセクワ
さすがにホテルの中にあるレストランだけあって、セクワは肉の種類によってマリネされているスパイスなどが違っていた。
街なかの食堂と異なり、味も全体的に上品な感じだ。
セクワはこのように焼かれているもの以外に茹でた肉のセクワというのもあったが、個人的にはやっぱり焼いたほうが好きかな。
自分とカミさんも、お友達夫妻も酒は基本的に飲まないのでセクワと一緒にご飯をいただいたのだが、これがおもしろかった。
セクワのようなスナック料理を食べる時の主食も当然米なのだが、普通の炊いたご飯ではなく「ボジ」と呼ばれる炊いたご飯を平たくつぶして干したいわゆる「干し飯」なのがデフォルトだ。
が、ここのボジはつぶして平らにしたものではなく米の形をそのままにして干したものだった。
米の中身はほとんど空洞になっていて、まるで甘みのついていないポン菓子、あるいはコーンフレークのような食感で、これがまた楽しかった。
わざわざ食べに来るのは大変だろうが……
現在のカトマンズはバンコクも真っ青というくらい一日中道路は大渋滞で、この「エアポート・セクワ」も何もなければ市内から車で20分もあれば着いてしまうが、渋滞にハマると1時間あっても足りない、などというロケーションだ。
そのため、わざわざ食べに来る価値あり、とは正直言っておすすめしにくいのだが、例えば空港に何か用があって来るとか、パシュパティナート寺院に観光に来たついでに付近で食事をしたい、というような場合には使える店だ。
ホテルの中にあるので店内も清潔なので、その辺が気になる人にも安心して食べれるだろう。
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