2週間ちょっとの日本への一時帰国を終えて、チェンマイに戻って来た。
チェンマイを離れていたのはほんのわずかの期間で、日本に戻っている間は和食を中心にこちらでは食べられないものを満喫していたのだが、やはりチェンマイの日常食もかなり恋しく感じられた。
チェンマイに戻って来るのが夜だったりすると到着したその日はもう寝るだけだが、今回は昼過ぎの便だったので空港から家に着いて荷物をほどいて一息つくと、ちょうど夕食にピッタリの時間となっていた。
「あれも食べたい、これも食べたい」状態でタラート(市場)とかに行ってしまうと何を買うか迷ってしまって時間がやたらとかかったり、食べきれないほどおかずを買ってしまったりして後で後悔するので、この日はメニューをあらかじめ決めてからスクーターで外に出た。
まずはマヒドン通りにあるサイウアメンラーイへ
もちろん、ここで買うのはサイウア(チェンマイソーセージ)だ。
ちょうど焼きたてが店頭に並んだところで、食べやすいサイズにカットしてもらう。
次に向かったのは、自分が普段野菜を買っているロイヤルプロジェクトショップだ。
プミポン前国王(ラーマ9世)が中心となって王室が設立したタイ北部の山岳少数民族の貧困解消ならびにケシ栽培撲滅を目的とした財団「ロイヤルプロジェクト」が農薬使用などを適切に管理・生産した安全野菜を主に扱う店だ。
チェンマイの台所的なムアンマイ市場などに行けばもっと安いものもあるけど、どんだけ農薬とかを使ってるのかまったくわかったものではないので、自分たち夫婦が家でサラダなど生食する野菜はいつもここで買っている。
今回は「89プラザ」というミニショッピングモールの中にある店舗へ
一時帰国直後で冷蔵庫の中が空っぽなためあれこれ買っていたらマイバッグに入りきらなくなってしまい、セロリとかを両手に抱えてレジを離れようとしたら店員の女の子に笑われてしまった。
買い物の最後は自宅の近くにある、炊いた米も売っている大人気の米屋
ここで売っている炊いた米はカーオヌン(カーオニヨウ=もち米)もカーオチャーオ(カーオスエイ=うるち米)もおいしい上に値段も安く、朝6時の営業開始直後はおそらく屋台や安食堂なのだろう、大量に買って行く人でにぎわっている。
日中は閑散としているが、夕方近くになると店の前の空いたスペースにコバンザメ商法のおかず屋が何軒も出てワンストップで買い物できることから市内から自宅に戻る人たちでごった返し、店の前の国道は渋滞になりアルバイトの警察官が交通整理にあたっていたりする。
他の店でおかずを買ったので今回はカーオヌン(カーオニヨウ=もち米)しか買わなかったが、出かけるのが面倒くさい時は自宅からスクーターで2~3分で来れるここで食事一式を買い揃えてしまうことも多い。
こういうところはチェンマイ(タイ)は本当に便利だよね。
この日の夕食はこんな感じ
メインはもちろんサイウア(チェンマイソーセージ)
チェンマイ名物なのでそれこそ街じゅうの至るところで売られているが、タラート(市場)で売っているようなサイウアは混ぜものが多く、切り口がなめらかに見える。
また、店によっては調理時間を短縮(短時間で火が通るように)するため、一度油通しをして加熱してしまったりもする。
それに比べてサイウアメンラーイのものは切り口を見ればわかる通り、混ぜものがほとんどないものをじっくりと焼き上げている。
なので、口の中に入れた時に肉やハーブなどそれぞれの材料の風味がクッキリと立ってくる。
それでいて全体のバランスが取れているので、サイウア(チェンマイソーセージ)というひとつの料理としての完成度が非常に高いのが特徴だ。
今回はナムプリックヌム(チェンマイ唐辛子味噌)も買った
青唐辛子にホームデーン(紫色の小玉ねぎような色・形をしたユリ科の野菜)、ニンニク、ナスなどを焼いてつぶしペースト状にしたもので、これもチェンマイを代表する食べ物だ。
青唐辛子が主材料なので辛さは格別で、日本人では食べられない人も多いようだが慣れてくると病みつきになる味で、自分はこれにカーオヌン(もち米)さえあれば後は何もいらない、と言えるくらいの好物だ。
ナムプリックをつけて食べるロイヤルプロジェクトの生野菜
もうひとつのお供はケープムー
チェンマイ名物の豚皮のカリカリ揚げで、バンコクから遊びに来るタイ人旅行者の帰りのスーツケースの中はこれでいっぱいだったりする。
ケープムーには脂身のついたケープムーティットマンと写真のような脂身のないケープムー・ライマンの2種類があるのだが、近年は麻辣味とかカリッカリに硬く揚げたものなどバリエーションが増えている。
基本的に、このままナムプリックをつけて主食のように食べる。
本当の主食はもちろんカーオヌン(もち米)
これで10THB(約38JPY)なのだが、とても夫婦二人でも食べ切れる量ではない。
もち米なので後でお腹がふくれて来て食べ過ぎると苦しむことになるので、たいていは1/3ほどを残して捨てることになる。
自分は日本人なので、チェンマイ暮らしを始めた頃は食べ物を捨てることにかなり心理的抵抗感があったのだが、最近はようやく気にならなくなった。
しかし、こういう料理を食べると「あ~、チェンマイに戻って来たなあ」と実感する。
もっとも、翌日からは一時帰国中に汚れた家の中の掃除や洗濯など家事が目白押しなので、余韻に浸っているヒマもないのだが。
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