3カ月ほどかけて物件を見て回り、最終的に1軒の戸建て住宅に決めて賃借契約を済ませた。
ほとんどの賃貸しの一軒家やコンドミニアム(アパート)では家具や冷蔵庫、テレビなどの主要な家電製品は大家さんが用意してくれているので、その気になれば寝具さえあればすぐに寝泊りすることはできる。
が、今まで友人一家と同居していた家はそのまま彼らが住むのですぐに急いで出ていく必要がないし、カミさんがチェンマイに来るまでにはまだ少し時間的な余裕もあるので、ノンビリと新居の環境を整えていくことにした。
まずは、家の中をザッと見回して必要な物品をリストアップするとともに、すでにあるものと突き合わせて買うものリストを作成した。
で、その中から真っ先にやることにしたのが合鍵作りだ。
契約時に大家さんから玄関と裏口、それに各部屋のドアのキーをもらったのだが1セットだけだったので、カミさんの分、そして不在時に家の管理をしてくれる友人に預ける分と2セットのスペアが必要だ。
チェンマイでは、スーパーマーケットやタラート(市場)の中など結構あちらこちらにスペアキーを作ってくれる店があるのだが、どこも簡易な出店のような造りで、技術的にどうなのかと不安になってしまう。
なので、もっとしっかりした店はないかと、家を探し始めてから車やバイクで道を走っている時に注意して通り沿いを見ていたのだが……
チェンマイ-ラムプーン通り(国道106号線)沿いにかなり大きな店を見つけた。
看板もなかなか凝っている。
店の前にバイクを止め中に入ってみると、天井近くまで商品で埋め尽くされていた。
ショーケースの中にはドアノブが並んでいる。
キーホルダーもたくさんぶら下げられていた。
どこから仕入れるのだろう、中古の金庫も売っている。
店主と思われる人にスペアキーを作りたいと伝えると、自分が持参したカギを見て「だいたい30分か40分くらいでできるよ。店の中で待つ?それとも後で取りに来る?」と聞いてきた。
またわざわざカギを取りに戻って来るのも面倒くさいし、どんな風にカギを作るのか少し興味もあったので店の中で待つ旨を伝えると、店の人は鍵を持って奥に引っ込んでしまった。
「立ち入り禁止」と書かれた紙がいくつも貼ってあり、この奥でスペアキーを製作するようだ。
時々店内に響き渡る金属音を聞きながらスペアキーができあがるのを待っていたのだが、あまりに退屈なのですぐ隣にあるカフェに行ってアイスコーヒーを飲んだりして何とか時間をつぶしたのだった。
出来上がって来たスペアキーはキーリングにつけられていた。
「問題ないと思うけど、実際に使ってみてもしダメなようなら持って来てくれれば作り直すよ」と言ってできたスペアキーを渡してくれたが、もちろん普通に使えた。
店の奥で見えないように製作したり、問題がある場合には無料で作り直すと伝えてくれるなど、かなりしっかりした店であることがわかったのだった。
残念なのは、「じゃあ近々また来よう」というほど頻繁にスペアキーを作る機会がないことかな(笑)
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